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奇跡の食品 75

奇跡の食品と聞いて、何を思いますか?
そうです、日本が世界に誇る「味噌」。
味噌とはコウジカビを使って作る日本の代表食品ですね。
世界中から今、注目を浴びている食品の一つとなります。
 日本の発酵食品を作る代表の菌が「コウジカビ」。
これは味噌・醤油・みりん・酢・甘酒などもすべて、
コウジカビを元に作られます。
このコウジカビは日本特有のもので世界中探しても他にありません。

 味噌は主に大豆(米や麦も)を発酵させたもの。
大豆を発酵させて塩を混ぜた単純なものです。
発酵の過程で
・乳酸菌
・バチルス菌
などが出てきてバクテリオシンという抗菌物質を出すことによって、
味噌はほかの菌におかされずに発行していくことができるもの。

 この発行した大豆に含まれる
大豆イソフラボンというものが、乳がんのリスクを下げるというのは有名ですね。大豆イソフラボンそのものにがんの増殖を抑えたり、癌の細胞死を誘導する効果があるともいわれています。
 また大豆イソフラボンは乳酸菌によって活性化されるので、
非発酵の豆腐などにはない効果が発酵した大豆に認められるのです。


発酵は人間と同じ「生き物」が作り出すもの

○発酵に関わる生き物

・カビ
・酵母
・細菌
があります。俗に「微生物」と呼ばれます。
「カビ」は麹カビやチーズの青カビ・白カビなど
「酵母」はパンや日本酒などつくります
「細菌」には乳酸菌・酢酸菌・納豆菌など
 ☛食材にこのような微生物が取り付いて新しい味をうみだすのが発酵です
  ・牛乳と乳酸菌がヨーグルトに
  ・酵母がブドウ糖についてワインに
  ・麹カビが蒸したコメについて米麹に

○酵母と酵素

酵母」は微生物(生き物)です。
酵素」は特殊な機能を持つタンパク質で、生物ではなく物質。
微生物が仕事に使う道具が酵素。
菌・酵母・カビはそれぞれが番う種類の酵素を使って得意な仕事をして、新しい味を作るのです。

発酵が止まっても酵素は残ります。
たとえば塩麹で肉を柔らかくするのは、塩こうじに残った酵素。肉が発酵するのではないのです。そしてその酵素はタンパク質なので加熱すると壊れます。

○注意事項

ここで最近流行りの「酵素ジュース」の危険性をあげておきます。
酵素は微生物だけでなく、動物や野菜や果物など植物も持っています。人間にとって、全部がいい働きをするのではないということを知っておいてください。つまり「酵素=いいもの」じゃないということ。

手作り発酵菌の大切な環境

なんといっても手作りをするならが、微生物が働きやすい環境を知っておくことが必要になります。環境が成功のカギになるので是非覚えておいてくださいね。

○乳酸菌

発酵が進む温度は25~35℃
低温にすると発酵が落ち着きます
なるべく空気のない状態で育てます

一時流行ったザワークラウト。
瓶で作って空気が入って腐敗するなんてよく聞きましたね。
しっかり空気を抜くことがポイントです。
乳酸発酵は2~3日が勝負です。

○麹菌

旨味を引き出す温度は20~30℃(塩麹・調味料)
甘味を引き出す温度は50~60℃(甘酒・パン酒種)

○酵母

パン種の発酵温度は20~30℃
ゆっくり発酵させるときは15℃以下(酸素に触れさせないでね)

低温だと上品な味や香りが生まれます
高温だと独特の風味を生み、個性的なパンはこうして作ります

○納豆菌

発酵が進む温度は40~50℃
低温だと酸っぱくなる
麹菌や乳酸菌に近づけないでね

納豆菌はとても強い生命力を持っています。
手作りの発酵物を作る時には、納豆を食べて作ることは禁止ですよ。
菌は繊細なんですね。

色々発酵食品を手作りしてみて思ったことは、記録をして作り続けながら、自分のベストをうみだしていくことだと思います。
温度といっても
・一日の中の温暖差
・日の当たり方
・風の当たり方
・湿度の違い
・その時の気候変動
などなど、毎回違った環境の中で作りますよね。
自分の内で作るのにベストが見つかりだすと、失敗は最低限にできるように感じます。

勘違いしやすい食品

○チーズ
プロセスチーズは、ナチュラルチーズを加熱して固めたもの
そもそもナチュラルチーズでも発行してないものがあります。
モッツァレッラチーズやカッテージチーズなど
基本、発酵というのは最低でも半日はかかります。
数時間のものは発酵食品ではありません。

○豆腐
にがりでタンパク質を凝固させたものです。

○梅干し
乳酸発酵ではなく、梅の中の酵素が身を柔らかくし、独特な酸味も梅の持つクエン酸が主なもので微生物は関与していません。

○かつお節
カビをつけて発酵させるのは「本枯節」とよばれるものだけ。
一般的に出回っているかつお節は、単に燻製や乾燥させて作ったものです。

ピクルスの作り方

ピクルスには
・塩水につけて野菜の持っている乳酸菌で乳酸発酵させる方法
・発酵食品である酢をベースにしたピクルス腋につける方法
があります。

ここでは、塩水で作る作り方をあげておきます。
【材料】
きゅうり 350g
水    350g
塩    14g(野菜と水の総量の2%)
材料が入る瓶を用意する
きゅうりを6㎜程度の輪切りにする
瓶に切ったきゅうりを入れ水をひたひたに入れる
塩を加える
瓶の蓋をして横にして瓶をふり塩を行き渡らせる
常温において一日一回ふって味を見ながら好みになったら冷蔵庫へ

日本の誇る「味噌」
是非手作りで作ってみませんか?


📍発酵パワー①

📍発酵パワー②

📍腸と発酵食品


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