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代表インタビュー#3 byいのちの華訪問看護ステーション

山形県鶴岡市のいのちの華 訪問看護ステーションの代表である大滝ひとみのインタビュー記事です。

なぜ山形県鶴岡市で訪問看護ステーションを開設したのか?

海外での滞在、ホスピス病棟での勤務、看護教員を経て、今に至るまでのストーリーをお伝えできればと思います。

インタビューさせて頂いた方
いのちの華訪問看護ステーション

代表看護師 大滝 ひとみ 
趣味:温泉巡り、山登り、山菜取り
好きな食べ物:りんご
好きな歌手:安全地帯、セリーヌディオン、MISIA

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鶴岡市で訪問看護を立ち上げた理由

10数年海外で生活をした後に、仙台で短大の看護学科の教員をしていたのですが、この時、「縦隔腫瘍」という病気になり、療養のため鶴岡に戻ることにしたんです。

当時とても体調が悪く、自分の死についても考える機会になりました。

「もしかしたら、わたし死ぬかも」
「頂いたこの命を使って、何か少しでも社会に貢献させて頂きたい」

そう考えた時に、「生まれ育った鶴岡に恩返しがしたい」という気持ちになり、2020年コロナ禍の中「いのちの華 訪問看護ステーション」を開設しました。

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大滝ひとみが紹介する鶴岡市ってこんなところ!

鶴岡市は、山形県の日本海側の庄内地方で「おいしい庄内空港」の名で知られるように、自然豊かな日本海に面した庄内平野があり、

海の幸・山の幸、お米、だだちゃまめ、りんご、ラ・フランス、さくらんぼ孟宗汁(もうそうじる)、鱈汁(たらじる)、赤かぶ、温泉などなど、

美味しいものがたくさんあるのが地域の自慢です。


また、日本の歴代首相が訪れる歴史ある有名な酒蔵もあり、美味しい毎日がひろがっています。

▼いのちの華公式Instagramより訪問中の一コマ

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鶴岡市で訪問看護を始めて気づいたこと

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山形の人は、とても我慢強いので、外来で診察を受けた時は、
「先生、大丈夫です」と医師の前では強がって本当のことを言えず、
その結果、身体を悪くして入退院を繰り返すことも少なくないです。

私たち訪問看護師が相談にのり、痛みや症状のコントロールの方法を伝えることで、在宅での療養に安心して移行し、家族と一緒にお茶の間で過ごす時間を増やすことにつながります。

病棟ナースではできない、訪問看護ならではの関わり方にとてもやりがいと難しさを感じる毎日です。

アメリカで始めての訪問看護体験

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もう30数年ほど前の話ですが、アメリカのシアトルで訪問看護の同行体験をした時の話です。

日本では「この症状だと絶対入院している!」と感じる状態の方々とたくさん在宅で出会いました。

当時、アメリカでは日本のような国民皆保険制度がなかった為、入院や治療費がとても高く、在宅療養療養で亡くなる方が多いのが実情でした。

私が始めて終末期のおばあさんのお家に同行訪問することになった日のことです。

当時まだ英語があまり話せず、学生VISAで労働はすることができないため、

「わたしに一体何ができるんだろう?」と緊張しながら、

そのおばあさんに片言の英語で挨拶をしました。

おばあさんは、私が緊張しているのを悟ったように、

「あなたの笑顔はとても素敵ね。」

と優しい眼差しで声を掛けてくれました。

余命1週間で見るからに辛そうな状態にもかかわらず、

外国人の私に声掛けいただいた衝撃と感動を今でも覚えています。

笑顔の力とは、どれほどのものかを学びました。

もしかすると、私が訪問看護をやろうと思ったのは、あの出来事があったからかもしれません。

アメリカのシアトルでいろんな宗教の人や価値観の違う多様な人との関わりを経験したからこそ、
日本でどんな人に出会っても動じないハートになりました(笑)

看護師の前に「人」として関わる

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いのちの華訪問看護ステーションで大切にしていることは、

看護師の前に、一人の人間としての関わりを大切にすること。

看護の専門性は持ちながらも、親しい隣人のような自然なコミュニケーションを大切にしています。

病院と訪問看護の違い

「もっと患者さんのためにこんなことができれば。」

病院で働く中でそう感じる看護師さんは多いのではないでしょうか?

私も病院勤務時代にそんなことをよく考えていました。

病院でも訪問看護でも、看護の目的は変わっていませんが、

利用者様とより深く、長く関われたり、おせっかいできるところが、

訪問看護ならではの魅力であり、やりがいだと思います。

例えば、何十年もお子さんと連絡をとっていない利用者様がいた時に、

なんとか連絡をとれるようにサポートすることもあります。

こういったおせっかいが正解かどうかは分かりませんが、

病棟で働いていた時にはできないアプローチで、とても喜んでいただいた成功体験もありました。


わたしの訪問看護失敗談

ある利用者様の入浴介助に入っていた時のエピソードです。

呼吸状態が良くない方でしたので、

苦しくないように2回洗髪するところを1回にしていたのですが、

ある日、「○○さんは2回洗ってくれるよ」

と言われて「はっ」としました。

他のスタッフの洗髪方法の方が、その利用者様にとっては心地良かったんです。

経験値が多いからといって、それが正しいやり方ではありません。

常に謙虚な気持ちで、お互いに失敗を恥ずかしがらずにさらけ出し、

学びあうことの大切さに気づかされる出来事でした。

大滝さんにとって最高のチームとは?


多くはのぞみません。

まずはチームで一緒に働く人が幸せであること。

利用者様やご家族と一緒に喜んだり、悲しんだり共感できること。

そして、人生の豊かさを同じ志で共にサポートできるチームを目指したいです。

もし生まれ変わっても看護師になりたい?

実は歌手になりたいんです(笑)

でもどんな職種でも今のように人と関わりたいと思っています。

わたしのやる気スイッチ

庄内平野のキレイな景色を移動中好きな歌を車で聞くこと

自宅で美味しいお酒を飲むこと

山登りなど、春ならば山菜をとりににいってリフレッシュすること


わたしのNGスイッチ

 ​スタッフから強く指摘されるとへこんでしまいます。
悩んで運転してたらタイヤを2本パンクさせてしまいました。。。
実はガラスのハートなので優しくしてね(笑)

いのちの華の3年後のイメージ

今はまだ実施できていませんが、少し遠方の医療過疎のエリアで訪問看護を必要としている方々がいらっしゃいます。

3年後にはスタッフが増えて、そういったエリアにも訪問看護サービスを提供したいと考えています。

そして、スタッフで温泉旅行にも行きたいと思います。

未来の仲間へメッセージ

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病院も訪問看護も、看護の本質は変わっていません。

困っている人がいたら、看護の知識と経験で人生の豊かさをサポートする。

それが私たちのスタイルです。

お互い違った背景、違った価値観をもっているのが当たり前です。

私は海外生活を経て、いま、この鶴岡で訪問看護を始めて、

改めてそう感じています。

多様性を受け入れると、この仕事はもっと楽しくやりがいあるものになります。

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Iターン・Uターンも大歓迎!転居予定の方はお引越しの相談にものります。

*今すぐでなく、「将来的に訪問看護で働きたい」「ちょっと訪問看護に興味がある」という方も気軽に見学にお越しください。お茶を飲みながら、お話しましょう。


▼いのちの華訪問看護ステーション公式Instagram

https://www.instagram.com/inochi.no.hana/


▼いのちの華訪問看護ステーション公式HP








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