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【ベナ拡】用語紹介

ベナ拡の用語集を作りました。こちらも物語進行に応じて更新します。

書いてみた感想ですが、作者の頭の中が整理できました。現実世界と異世界でぜんぜん違う話なのに、夢の世界でのクロスオーバー具合はまさにスパロボのシナリオか、アベンジャーズかってところでしょうか。

P B Wプレイ・バイ・ウェブについての説明は、特に自信作です。

夢の世界

すべての「夢を見るもの」毎晩、夢の中で訪れる場所。どこかに実在する異世界である場合が多く、朝になると強制的に現実世界へ戻される

夢を見ている者の精神は、寝ないで起きている者には幽霊のようなもので、通常では見ることも触ることもできない。

地球人の多くは、日常の忙しさに流されて夢での記憶を忘れてしまう。それでも、夢での体験は無意識に刻まれており、霊感や閃きの源となることも。

現実での体験は夢に影響を与え、夢での体験も人の意識や無意識を通じて、間接的に影響を及ぼしている。

夢渡り

古代中国で「胡蝶の夢」と呼ばれた自然現象のこと。
人は休息の眠りについた後、身体から精神だけが抜け出て、心が望む場所へ光の蝶となって飛んでゆく。この姿を、夢渡りの蝶と呼ぶ。

夢渡りは、夢を見るもの全てが使えるワープ航法のようなもの。どんな遠くの世界へでも一瞬で飛んでいき、また危険を感じたときには一瞬で元の身体へ逃げ帰ってくる。これを夢落ちと呼ぶ。

夢渡りでどこへ飛ぶかは、本人の精神状態に大きく左右される。また他者の精神を任意の場所へ呼び出す術もあり、これを夢召喚と呼ぶ。

夢世界のロックダウン

2020年春、私たちの地球で起こった夢渡りの妨害現象。
現実世界で、新型コロナウイルスの世界的流行に伴い奇妙な悪夢を見る人が増加した時期と一致している。

夢渡りの蝶たちは、地球の外へ飛び出そうとしたところを謎の見えない壁に邪魔され、地球に幽閉された。この壁は現実世界には影響しない。

行き場を失った蝶たちの夢のチカラは、無意識に発動するヒュプノクラフトとなって、現実の夜景に重なる拡張現実の夢を形成した。

なぜそうなったのか、どうすれば解除できるのかはまだ分からない。

拡張現実の夢

拡張現実は、スマートフォンのカメラなどを通して、現実世界に仮想世界を合成する技術。ARとも呼ぶ。

拡張現実の夢は、夢の中で現実世界の夜景に夢の世界が合成された状態。
眠らずに起きている者には、見ることも触ることもできない。

ヒュプノクラフトと呼ばれる技術を使えば、現実には無いものを追加したり壁に落書きや看板の魔改造も可能。でも実際には、現実の物品には何ひとつ物理的影響は及ぼせないARが現実に干渉できないのと同じ。

無意識に発動するヒュプノクラフトによって「都知事に酷似した、新宿都庁サイズの緑の魔女がハンドパワーを放つ」など奇妙な現象が生じることも。

ヒュプノクラフト(2022/12/26更新)

夢を操作する技術や魔法全般の総称。現実世界で知られる明晰夢もヒュプノクラフトの一種。砕けた言い方をすると、ハンター×ハンターの「念」「マインクラフト」をやるようなものと思ってください。

アバターへの変身アイテムや建築物の具現化悪夢の怪物の発生原因まで全部、ヒュプノクラフトによるもの。ユッフィーが最初から持ってた首飾り「ブリーシンガメン」や、道化が地球人に配る仮面もヒュプノクラフト。

夢に関係するだけあって、意識的な操作より「人の無意識の具現化」のほうがはるかに強力で、大規模になりやすい。本人が意識してないのに、勝手に使われてることさえあります。

拡張現実の夢は、無意識のヒュプノクラフトが生んだ世界とも説明できる。
明晰夢は見過ぎると睡眠の質が落ちると言われるように、ヒュプノクラフトの使い過ぎもデメリットがある模様。怖い夢がトラウマになるなど。

アバター

夢の世界を訪れた者の精神体が、ヒュプノクラフトで姿を変えた化身

現代の地球人は、日頃から遊んでいるオンラインゲームのマイキャラに変身する場合が多い。無意識に強く刻まれている、なじみのある対象ほど変身の成功率が高いようだ。

アバター同士や、ヒュプノクラフトで生成されたアイテムや建築物、モンスターなどには「当たり判定」がある。しかし、現実世界の存在に対しては、幽霊のようにすり抜けてしまう

悪夢のゲーム

ガーデナー側が「拡張現実の夢」を呼ぶときの名前。夢世界のロックダウンが原因で「異世界側のガーデナー」との通信が途絶したため、地球人たちを上手くおだててゲーム感覚で事態の解決にあたらせるつもりだった。

仮面を配るのは、そのための手段。ゲーム形式にしたことで日本人の「運営型ゲーム」の「運営に対する憎悪ヘイトを取り込む試みは大成功したが、逆に制御不能となった「ヘイトの暴走」に悩まされている。

勇者育成プログラム

エルルちゃんズが「拡張現実の夢」を呼ぶときの名前。ガーデナー側の認識では、悪夢のゲームに「感染」したウイルスのようなものらしい。具体的な症状は、地球人プレイヤー全員に「エルルちゃんズ」が配布されること。

エルルちゃんズは全員同じ顔で、同じようにささやかな胸の持ち主だけど、パートナーとなる地球人の性質や好みを真似ることで多様なバリエーションが確認されている。

「勇者を導く戦乙女ヴァルキリーを名乗るエルルちゃんズがどうやって悪夢のゲームに取り付いたのか。「本人」から「無数のコピー」がどうやって作られたか。何を目的にしているのかなど、謎が多い。

仮面マスク

ガーデナーの道化人形が、地球人たちに配っている「ヒュプノクラフト」のアイテム。アバターへの変身をサポートする他、チャットやお財布機能などMMORPGによくある便利機能の多くをカバーしている。

ガーデナーの目的を考えると、何らかの隠し機能の存在が予想される。素顔が見えないことで、ネットのように仮面の悪意攻撃性を高めるなど。

炎の首飾りブリーシンガメン

ユッフィーが最初から身に付けていた、謎のヒュプノクラフト。道化の配る仮面を赤い宝石に発生した口で飲み込むユッフィーのアバターを乗っ取り道化人形を素手で破壊させるなど、規格外で強力な能力を持つ。

北欧神話に、同じ名前の首飾りが登場する。そちらでは、優れた人間の戦士を互いに争わせる呪いのアイテムとしての一面もあるようだ。

どうやら、夢の記憶を忘れる前のユッフィー自身ドヴェルグの賢者オグマと契約を交わし、何らかの対価と引き換えに作ってもらったようだが…?

デイリーうらミッション

ヒュプノクラフトの具体例として、ガーデナーの道化人形が悪夢のゲームに実装した「恨みのミッション」。オンラインゲームによくある、日課のミッションを模している。

その内容とは「あなたが憎い、許せないと思うものを告白してください」憎しみの強さに応じて、具現化されたヘイトパワーを入手できる。

ヘイトパワー

夢の世界で具現化した「憎しみのチカラ」。そのパワーは強大で、憎む対象への攻撃のダメージを激増させたり、基礎戦闘力を一時的に大幅強化する。また、通貨「ニクム」への換金も可能。これを憎しみの課金と呼ぶ者も。

エルルちゃんズは、地球人プレイヤー全員に配布されている「みんなのヒロイン」で、彼女の笑顔を見たり笑わされたりするとヘイトパワーが減る

このため、攻略を優先する目的でわざとエルルちゃんを遠ざけるプレイヤーもいるようだ。カワイソウ!

ニクム

悪夢のゲーム内で、ガーデナーが発行している通貨「憎む」が語源か。

デイリー恨ミッションの報酬などで入手できるヘイトパワーを換金するか、他のプレイヤーを倒すか、悪夢の怪物を退治するヒュプノクラフトのアイテムを売買するなどで入手が可能。

3000ニクムで「装備ガチャ」を10連回すことができ、200連回すとようやく「姫ガチャ」を1回回せるようになる。天井保証は存在しない。

姫ガチャ

異世界の姫君を精神だけ強制的に夢召喚し、アバターとして呼び出した者の奴隷にできる極悪非道のガチャ。姫には「服従の首輪」が装着される。呪いの首輪のチカラにより、姫は「ご主人様」の命令に逆らえない

地球人プレイヤーたちはただのNPC、あるいはガチャゲーの持ちキャラ程度にしか思っていないが、姫たちは血の通った本当の異世界人だ。

召喚儀式は無意識のヒュプノクラフトで構築されているせいか精度が低く、立場的に本物のお姫様ではない人物も召喚対象になってしまう模様。

1 0 3 1イチマルサンイチシェルター

ガチャとは違う、ゲーム業界の闇が渦巻く場所。その名は「宿敵詐欺」

昼間は大手スーパー「ハロウィンマート」なのだが、夜になると拡張現実の夢の中で、なぜか北海道のPBW企業「ミリタリー・パレード社」の関係者やPBWに関わった経験のあるプレイヤーたちのスタート地点になっている。

現実の建造物は悪夢の怪物にも破壊できないが、平気ですり抜けてくるためヒュプノクラフトで建物に沿って防壁を構築し、侵入を防いでいる。

ユッフィーの中の人もMP社のPBW経験者だが、スタート地点はなぜか1km先の「ゆっフィーの里」だった。心理的な距離の反映なのか。

現実世界で、自分たちの器を超える期待とアイデアを集めたMP社はそれらを活かしきれずに自爆した。倒産こそしてないものの、今の彼らはコロナ禍の悪夢の中で、過去の「負債」と「怨念」が生んだ怪物に悩まされている。

私たちの地球

この小説の作者、及び読者が住んでいる現実世界の、現代の地球。
一部の商品名などは権利の関係上、別のものに差し替えられている。

竜騎士の旅ドラグーン・ジャーニー

多くの日本人が「国民的RPG」と認識している、大ヒット作のシリーズ。
ナンバリングタイトルは10作以上もあり、2020年の時点では34年もの長きに渡って愛されてきた。略してドラジャニ

特にドラジャニ3は、社会現象になるほどの「伝説のRPG」として有名。

しかし、その実態は技術的制約の強い時代に考案されたRPGの代用品で、これからメタバース時代を迎えようとする現代においては「RPGの概念を誤解させる」時代遅れの存在となってしまっている。

師匠の絵を真似るだけで、実物に触れようとしない画家の弟子。
ライトノベルを書くだけで、リアルの世界を見ないラノベ作家。
代用品のRPGしか知らない者に、本物のRPGは作れない。

レックス社

正式名称はクタングル・エックス。□×とも略される。ドラジャニシリーズの開発元。他にも多数のRPGタイトルを保有し「RPGの王様」と呼ばれる。

もともと「レクタングル社」と「エックス社」は別の会社で、共に一時代を築いた好敵手だったが、レクタングル社が経営判断の重大な誤りで人材流出を招いてしまい、その後に経営破綻。エックス社に救われ今の形になった。

彼らは家庭用ゲーム機の性能が低く、本来ならまともなRPGなど作れるはずのない時代に創意工夫を凝らした「代用品」を発明したことで、RPGの黄金時代を築いた。皮肉にもそれが、のちの時代で足かせになるとも知らずに。

過去の成功に囚われ「代用品の代用品」を作り続けるレックス社に世間の目は次第に厳しいものとなり、現在では「没落した王家」と評されることも。

自社の持つ版権を多くの企業に貸し出し、スマホの粗悪なガチャゲー乱立を招いたことで、多くのユーザーから恨みを買っている。

竜騎士の散歩道ドラグーン・ジャーニー・プロムナード

「DJPのガチャはクソドケチ、福引きじゃなくて呪い足し」のネットスラングで知られる、スマホの位置情報RPG。レックス社が位置情報ゲームに強みを持つ某企業と提携し、2019年9月にサービス開始された。

開始当初は「伝説のドラジャニ3の再来」を連想させる100億越えの売上と300万人に届くほどのユーザー数を誇った。歩くことが前提のゲームなため翌年のコロナ禍では大きな影響を受け、多くの調整を余儀なくされた。

世間的な知名度が高く、またユーザー数が多いからこそ「ガチャの問題」「ゲーム設計上の欠陥」による不法侵入や事故の誘発などの問題点は深刻。レックス社は、モバイルゲーム関連で売上の約半分をDJPに依存しており、同社のアキレス腱とさえ呼べる存在になっている。

拡張現実の夢ガチャの仕様も含めてDJPの世界そっくりだった理由は、このゲームが多くのユーザーの無意識に影響を及ぼしたからだと推測される。無意識のヒュプノクラフト集合的無意識のパワー、恐るべし。

ダイス・アンド・ドワーフ(DADダッド

1974年にアメリカで発売された「最初のRPG」。略すと「お父さんダッド」の意味になるので「RPGの父」とも呼ばれている。他の略し方をしてはいけない、商標権の侵害になる。

「審判」兼「司会」のゲームマスターと、数人のプレイヤーが会話を通じた即興劇でお話を作っていく。乱数が必要な場面では20面体ダイスを用いる。他には紙と鉛筆とルールブック、各キャラのコマ代わりにする小物があれば十分に遊べる。現代のスマホゲームと比べれば、圧倒的にコスパが良い。

ただし、日本の住宅事情には適していなかったようだ。人集めが大変

現代では、ひとりで遊べる代用品の「RPG」がメジャーなので、区別のため「テーブルトークRPG」「テーブルトップ・ロールプレイング・ゲーム」と呼ばれている。

ひとりで遊べて、しかも本物志向のRPGと言えば「自分で小説を書く」だろうか。DADの成立に影響を与えた、古典ファンタジーの作者たちのように。

P B Wプレイ・バイ・ウェブ

かつて「本物のRPG」になろうと手を伸ばしながら、太陽に近付き過ぎて翼を焼かれ、墜落死したイカロスの物語。そんな悲しき存在の成れの果て。

はじまりは、日本にインターネットが普及する前。TRPGを大人数、しかもリモートで遊びたいと考える者が郵便を用いたP B Mプレイ・バイ・メールを考案。それは静かなブームとなり、MMORPGの先駆けとも呼べる存在になった。

この記事を読む人の中に、とある大手ゲーム雑誌の誌面で異彩を放った某社PBMの広告を覚えている人はいるだろうか。

それは今のような単純作業を強いられるMMORPGとは違う、もっと高みを目指していたもののはずだった。しかし代用品のRPGに毒され道を誤った

規模の拡大に伴って、どんな企業でも壁に突き当たる品質とマネジメントの問題。彼らはそれを乗り越えられず、参加者の信頼を失い経営は破綻した。

そして世の中にはインターネットが普及し、MMORPGが広く知られて、PBMは存在感を失い日陰者になった。現代では事実上、絶滅している。

PBM亡き後、その構成要素をネット媒体に置き換えたのがPBW。中でも成功を収めたのが、現在のPBW業界を一強支配するミリタリー・パレードM P社。同業他社は全てMP社のフォロワーか、その劣化コピーに過ぎない。

PBWとガチャの相性は非常に悪く、どちらも金食い虫だった。中途半端にガチャに手を出し、さらなるヘイトを買った末に撤退した企業も少なくない。理由は分からないが、MP社がガチャに手を出さなかったのは幸運だろう。

ミリタリー・パレード社

オリジナルの「うちの子」になりきり、SNSで交流する原始的メタバース。イラストコミッションブームの先駆けとなった、イラスト注文サービス。

これらの先進的な要素を10年以上先取りしながら、天下を取れなかった悲運の企業。それが北海道の零細企業、ミリタリー・パレード社だ。彼らの本当の功績は、彼らが主力と思う事業とは別のところにあったのかもしれない。

規模の拡大に伴って、どんな企業でも壁に突き当たる品質とマネジメントの問題。彼らもまた、それを乗り越えられなかった。歴史は繰り返した。

ひとつかふたつほど、人より優れたところがあっても。総合力がなければ、どの企業だって結局は消えてゆく定めなのかもしれない。この業界に、客観的な視点と合理的な思考を持った運営はいないのか。

PBWの未来に失望したひとりのおっさんが「田舎」を飛び出し、伊達と酔狂の「ドン・キホーテ」となるきっかけを作ったのは、間違いなく彼らだ。

異世界

私たちの地球が所属する宇宙以外の世界、すべてを指す呼称。私たちの世界と、異世界をまとめて多元宇宙と呼ぶ。

異世界は地球よりも神秘のチカラが極めて強く、ヒュプノクラフトや悪夢の怪物が現実に対して影響力を持っている。異世界人は夢がもう一つの現実であることを認識し、地球人にとっての科学技術と同様に活用している。

夢を忘れてしまう地球人を、野蛮人のように見下す異世界人もいる。

古来より、地球人の創作物に「異世界転生」や「異世界転移」が多い理由として、夢渡りの体験が無意識に影響を及ぼした結果だと考えられる。

ゲート

異世界同士をつなぐ「門」あるいは「扉」。神秘のチカラに比例して影響が強まる。私たちの地球に神話や伝説として名を残す存在は、ゲートを通り異世界から渡ってきたものか、地球人の異世界での見聞にほぼ由来する。

歴史が下るにつれ、地球人の多くは科学を信じるようになり、神秘が遠ざけられたために影響力を失って、地球は異世界から孤立した孤島と化した。

それでもなお、地球人は根っからの冒険者気質であり。地球全土を踏破した後は宇宙に進出しようとし、夢の世界では夢渡りで無意識に異世界を訪れていた。

夢世界のロックダウン夢渡りが阻害された後は、夢の世界限定でゲートが再び出現した。これをドリームゲートと呼ぶ。

アスガルティア

かつて、私たちの地球の北欧地域から「ゲート」がつながっていた異世界。そのため、北欧神話との共通点が多い。北欧神話の世界が「ラグナロク」で一度滅びたように、ガーデナーの手で完全に破壊されたらしい。

生存者は「フリングホルニ」に乗って脱出した。

出身者は、ドヴェルグの賢者オグマ(本人)、エルル(本人)など。

フリングホルニ

アスガルティアの崩壊を予見したドヴェルグの賢者オグマが、極秘に建造していた巨大移民船。ぶっちゃけ、北欧神話版マクロス。その大きさは、甲板上に連なる山脈や大地、森や湖を内包するほど。

北欧神話では「世界一大きな船」として登場。光の神バルドルがロキの奸計で殺された際に、棺として海に流された。しかしそれは、フリングホルニを隠すためのオグマの偽装工作だったかもしれない。

ゲート発生装置「ビフロスト」を搭載しており、アスガルティア滅亡の際にエルルたち生存者を船に転移させた。その後、乗員は数百年もの間長い眠りについていたが、冒険商人オティスが船を発見。

一時的に、百万の勇者たちの移動拠点として使われた時期もあったらしい。

トヨアシハラ

かつて、私たちの地球の日本から「ゲート」がつながっていた異世界。
過去に十二支の獣人たちが争う戦国乱世であったが、地球からゲートを通り渡ってきた「覇王ギケイ」なる人物がリーダーとなり、統一された。

平和な統治は数百年続いたが、後に漂着した「災いの種」により反ギケイ派の筆頭が邪暴鬼じゃぼうきとして復活。悪夢の魔物を率いて国を滅ぼし、戦国乱世の地獄に逆戻りさせてしまった。

出身者は姫将軍アリサ孟信邪暴鬼など。

ガーデナー

異世界を股にかけるテロ組織。自称は「正義の復讐者」「世界の剪定者」。
人間のような知的生命が大規模な社会生活を営む場所に現れて、社会の歪みによって虐げられた弱者復讐の武器を提供する。

場合によっては、ガーデナーが武器を与えたことでその世界が滅ぶことも。「剪定」と称して、自ら積極的に世界を滅ぼすこともある。

道化の姿をした人形を、AI搭載のロボットの如く使役する。いくら倒しても負の感情のエネルギーから無尽蔵に量産され、キリがない。その姿はまさに人類とウイルスの戦いを見ているようだ。

災いの種

ガーデナーが製造する、災害級の被害をもたらすヒュプノクラフト。私たちの地球でいう核兵器のポジションに近いが、その影響は単純な物理的破壊にとどまらない。

砕けた言い方をすると、破滅的な結果しか起こさないドラゴンボール。これ自体が悪意を持つわけでなく、人間社会の歪みが凝縮された鏡写しだと言われている。

その意味で私たちの地球は、ガーデナーが災いの種を育て収穫するのに最適な条件を備えた「庭」と呼べる。だから、地球を滅ぼそうとはしないのだ。諸悪の根源は現実の世界、私たちの身近にある。

はじまりの地

ガーデナーと、それに対抗する百万の勇者ミリオンズブレイブたちの因縁が始まった世界。

人間社会の歪みにつけこみ、無限に復活し続け、災いの種を使うガーデナーの脅威に、勇者たちは一度全滅寸前の危機に陥った。その様子をフリズスキャルヴで見ていたバルハリアの神々は、緊急転移で彼らを救うことを決断。

数名の勇者が自らを犠牲にして時間を稼ぎ、全滅は回避された。このとき、犠牲になった勇者の名前を継承した人物が「大勇者クワンダ」

百万の勇者ミリオンズブレイブ

異世界「はじまりの地」を最終的にガーデナーの脅威から解放したとされる多数の者たち。しかし、その真相は「作戦目的の達成による撤退」だった。

彼らが打倒したとされるガーデナーの首魁「いばら姫」も、実は陽動作戦のために仕立てられたオトリに過ぎず。気付いたときには、ガーデナーはすでに「災いの種」の「多元宇宙全体への拡散」を完了させてしまっていた。

彼らは、途中までは勇者だった。けれども思慮が浅く、数の暴力で全て押し切れると慢心したため狡猾なガーデナーに裏をかかれて、実質的な偽勇者になってしまった。一般人からは、今でも世界を救った勇者と思われている。

彼らのその後は、大きく分けて以下の3つ。

  • 「もう疲れたので、偽りの名声に甘んじて隠居する」

  • 「責任を取るため、ガーデナーを追う終わりのない旅に出る」

  • 「ガーデナーに寝返り、戦いだけを楽しみとする戦闘狂になる」

惑星バルハリア

ガーデナーが起こした「災いの種」の実験により、惑星全体が凍結した星。
通称は「永久凍結惑星」。実験の影響は単なる物理的な影響にとどまらず、星全体の「時間」「人の心」をも凍り付かせた。

それは、バルハリアの神々が百万の勇者たちを救ったことへの報復だった。

神々はガーデナーの追撃が及ばない「高次元の世界」へ逃げ出し、あとには寒さに震える人々と、人間に恋してしまう呪いをかけられていて逃げ遅れた女神アウロラだけが残された。神様ひでぇ!

永遠の都ヴェネローン

惑星バルハリアが全球凍結の大災厄に見舞われてから数十年後、放棄されたローゼンブルクの都に代わって建設された人類最後の砦。ベナ拡の物語が始まった時点で、創建から数百年は経過していると思われる。

はじまりの地の冒険商人オティスが、消えた百万の勇者たちの足取りを追う探索行の末にゲートを見つけて到達し、都市の建設に着手した。彼の商会は「勇者の酒保商人」の名で呼ばれるようになり、伝説的存在となった。

「時間が止まっている」性質を利用して「精神と時の部屋」のような、勇者たちの修行場として活用されていた。ヴェネローン人たちは、いつか彼らがローゼンブルクの都を再び人の住める土地にしてくれると期待し、アウロラ教団を中心に勇者たちの活動をサポートしている。

ヴェネローン戦士団

永遠の都ヴェネローンを本拠地とする、異世界勇者たちのヒーローチーム。彼らは女神アウロラに窮地を救われた勇者たちの集まりで百万の勇者ミリオンズブレイブとは、一部共通するメンバーもいる。

多元宇宙の各世界で暗躍するガーデナーの脅威と戦っていたが、ローゼンブルク遺跡の探索中に起きた「勇者の落日」と呼ばれる事件により、主要メンバーの多くが未帰還となってしまう。

その後、ヴェネローンの自衛組織として市民軍が結成された。

フリズスキャルヴ

惑星バルハリア、ローゼンブルク遺跡の中心にあるという異世界観測装置。地球人の感覚で言うと「宇宙望遠鏡」を使った「異世界が見えるテレビ」のようなもの。ドローンからの映像のように、かなり微調整が効く模様。

その名は、北欧神話に登場する「全世界を見渡せる主神オーディンの高座」と一致する。

ローゼンブルク遺跡は、地球人の感覚で言えば「原発事故の跡地」に近く、ガーデナーの実験の爆心地なので容易に近づけない。このため、唯一残った女神アウロラリモートアクセスのオペレーターを担当し、下位のユーザー権限を研究者に貸与する形で運用されている。

アーティストデートの足しにさせて頂きます。あなたのサポートに感謝。