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売れ線を狙うこととキャッチーな曲を作る違いについて

以前書いた記事「売れる音楽を作りたいのか?自分が興奮する音楽を作りたいのか?が人気のようです。

そこで、さらに違う角度からオリジナル曲制作について考察しました。


売れ線を狙うこととキャッチーな曲を作る違いについて


音楽制作において、「売れ線を狙う」というコンセプトと、「キャッチーな曲を作る」という行為は、似ているようで実は異なる意図やアプローチを持っています。

この記事では、その違いを掘り下げながら、それぞれが音楽業界やアーティストにどのような影響を与えるのかを考察します。


売れ線を狙うとは?

「売れ線を狙う」という言葉は、商業的成功を目的として楽曲を作る行為を指します。主に以下のような特徴があります。

  1. 市場調査に基づく制作
    現在のヒットチャートやトレンド、人気アーティストのスタイルを徹底的に分析し、その結果を反映させた楽曲を制作します。ターゲット層や流行ジャンルに合わせた音楽が多く、時には過去の成功パターンをコピーすることもあります。

  2. 安全志向のアプローチ
    リスクを避けるため、リスナーに確実に受け入れられやすい要素を詰め込む傾向があります。歌詞やメロディーは「無難」になりやすく、挑戦的な試みは控えられることが一般的です。

  3. 商業的な目的が先行
    アートや自己表現というより、売上やランキングでの成功を重視します。このため、制作過程でマーケティングチームの意見が強く反映されることもあります。


キャッチーな曲を作るとは?

一方で「キャッチーな曲を作る」とは、聴き手の記憶に残るメロディーやフレーズを意識して作曲することを指しますが、以下のような点で売れ線を狙うこととは異なります。


  1. 創造性が主体
    キャッチーさは、リスナーが「耳から離れない」と感じるポイントを意識的に作り出す技術です。独自性のあるフック(引き付ける要素)を生み出すことに重点が置かれます。

  2. リスナーへのインパクト重視
    特にイントロやサビ、歌詞の一部に強烈な印象を持たせることで、何度も繰り返し聴きたくなる効果を狙います。これにはリズムやコード進行の工夫が含まれます。

  3. 商業目的に必ずしも依存しない
    キャッチーであることが売れるための条件ではないため、売上を重視するかどうかはアーティスト次第です。純粋に自分のアイデアを形にする中でキャッチーさを追求することもあります。


売れ線とキャッチーさの共通点

両者にはいくつかの共通点もありますが、それが追求される理由やアプローチに違いがあります。

  • 共通する点

    • 聴き手の耳を惹きつけることを目的とする。

    • 多くの人に覚えてもらうことを目指す。

    • メロディーや構成のシンプルさが鍵になることが多い。

  • 違いのポイント

    • 売れ線を狙う場合:目的が商業的成功。過去の成功例に基づく。

    • キャッチーな曲を作る場合:目的が音楽的なインパクトや魅力。創造性を重視。


それぞれのメリットとリスク

売れ線を狙うメリット

  • 短期間で結果が出やすい:流行に乗ることで、瞬間的に注目を集める可能性が高い。

  • 商業的リターンが期待できる:セールスやランキングで成功する確率が上がる。

売れ線を狙うリスク

  • 個性の喪失:他の楽曲と差別化が難しく、アーティストとしての独自性が薄れる可能性がある。

  • 短命化:トレンドが移り変わるとすぐに飽きられてしまうリスクが高い。

キャッチーな曲のメリット

  • 長期的な印象を残せる:記憶に残るフレーズやメロディーは、時代を超えて愛されることがある。

  • アーティストの評価向上:独自性が評価され、ファン層を広げる可能性が高まる。

キャッチーな曲のリスク

  • 商業的成功の不確実性:キャッチーであっても市場に受け入れられるとは限らない。

  • 制作の難易度が高い:記憶に残る新しいアイデアを生み出すには、経験や才能が必要。


まとめ:どちらを選ぶべきか?

「売れ線を狙う」と「キャッチーな曲を作る」は、それぞれ目的とアプローチが異なります。

  • 短期的な結果を重視する場合は、売れ線を狙う戦略が効果的でしょう。

  • 一方で、長期的なアーティストとしての評価や楽曲の寿命を考えるなら、キャッチーさを追求する方が有益です。

最終的には、アーティストの目指す方向性や価値観によってどちらを選ぶべきかが決まります。大切なのは、自分の音楽が伝えたいメッセージや感情をどのようにリスナーに届けるのかという意識を持つことです。



あなたの選択は?
音楽制作のスタイルに正解はありませんが、自分の信じる道を探求することが、最も魅力的な音楽を生む第一歩です。


私の好きなバンドやミュージシャンでの例


ブランキージェットシティの場合

今でこそ、カリスマ、伝説になっているブランキージェットシティですが、彼らの曲はキャッチーとか売れ線とは程遠い音楽性でした。

しかし、コアな層には絶大な支持を集めていました。

元々、ロカビリーやサイコビリー、パンク、ロックンロールなどを元にアグレッシブで叫ぶようなスタイルだったブランキー。

一般的にはすぐに分かる感じではなかったと思います。
僕も最初聞いてすぐにファンになったわけではありません。
なんだか、凄い
気になる
しばらくするとまた聞きたくなる
他の曲も聞いてみよう
なんかすごいな
いいかも
うーん、いい
で、だんだんとはまっていき
ブランキー最高!(^^)/
となっていったわけです。

そんな彼等でも、おそらく上からプレッシャーをかけられたり
したのでしょうか?
キャッチーでストレートなロックソングを出してヒットさせました。

赤いタンバリン


sweet days


一般層にも分かりやすいメロディと曲調を取り入れました。
それが大ヒットしブランキーはファンを増やしていきます。

シングルでは、キャッチーな曲を出し
アルバムではコアで実験的な曲を思いっきりやる。

これは他のバンドでもそうだと思います。

この記事でも取り上げた売れ線を狙うのとキャッチーな曲でファンを掴むというテクニックはこういう事だと思います。

ブランキーのヒット曲は、比較的分かりやすい形を取っていますが、媚びている感じはしません。
ブランキー節は散りばめられています。

マニアックな音楽がやりたいバンドでもキャッチーな曲はいくつか必要だという事を書きたかったわけです。
とっかかりとしてキャッチーな曲があると分かりやすい、入りやすいのです。

まぁ、一番良いのは好きな曲を思いっきりやってそれが売れてファンがつけばいいですが、音楽というのは難しいところがあります。

ヒット狙いでいったのがすっこけたり、適当に書いた曲がヒットしたりします。

奥田民生さんの場合

例えば奥田民生さんなんかは「マシマロ」のヒットに自分でも驚いたそうです。

適当に作ったらしいのですがそれが一番売れてしまった。
もっと自分的には頑張った曲があるのにと
インタビューで言っていました。


ちょっとマニアックだが名曲 「メリハリ鳥」

奥田民生 ルート2


でもまぁ、奥田民生さんの曲は比較的どれも売れている感じかもしれません。

他にもブルーハーツで言えば「TRAIN TRAIN」「リンダリンダ」などがキャッチーで入りやすい曲。



ZIGGYで言えば「グロリア」「I'm gettin blue」などがとっかかりの曲です。
そこから深堀りして好きになっていく感じです。


結論、キャッチーな曲はとっかかりとしてあった方が良い。


結論:キャッチーな曲はとっかかりとしてあった方が良い理由




キャッチーな曲は、アーティストの知名度を上げたり、リスナーに音楽を覚えてもらったりするための「入り口」として非常に効果的です。以下に、その理由を詳しく説明します。


1. リスナーの興味を引きつける第一歩

音楽が溢れる現代では、リスナーの注意を引きつけるためのインパクトが重要です。キャッチーなメロディーやフレーズは、短時間で印象を残し、曲が再生リストに追加される可能性を高めます。

  • : サビやイントロで聴き手を引きつけることができれば、アルバム全体や他の曲に興味を持つきっかけになります。


2. 記憶に残りやすく、繰り返し聴いてもらえる

キャッチーさは、曲が記憶に定着する鍵となります。

  • 一度聴いた後でも「口ずさみたくなる」「もう一度聴きたい」と思わせる効果があります。

  • 結果としてストリーミング回数が増加し、アーティストや楽曲の認知度が自然に広がります。

特にSNSや動画プラットフォームでは、短いフレーズがバイラル(拡散)することも少なくありません。


3. 他の楽曲への「橋渡し」となる

キャッチーな曲が「とっかかり」として機能することで、リスナーがアーティストの他の楽曲にも耳を傾けるきっかけを作れます。

  • 具体例:

    • ポップで耳に残るシングルをきっかけにファンが増え、その後アルバム全体を聴いて深みのある楽曲にも触れる。

    • 特にデビュー間もないアーティストにとっては、まず知名度を上げることが重要です。


4. 長期的な成功への土台になる

キャッチーな曲は一過性の流行で終わるリスクもありますが、上手く活用すればアーティストとしてのキャリアを長続きさせる土台となり得ます。

  • 最初に注目を集めることで、より実験的な楽曲や深いメッセージ性を持つ作品をリスナーに届けやすくなります。

  • 例えば、多くの成功したアーティストは「キャッチーな曲」で脚光を浴び、その後多様な音楽性を展開しています。


まとめ:キャッチーな曲の役割

キャッチーな曲は、アーティストとリスナーを繋ぐ「入口」として理想的な存在です。耳に残るフレーズやメロディーは、初対面のリスナーにアーティストを覚えてもらうための強力なツールになります。
ただし、それだけに依存するのではなく、キャッチーな曲を入り口として多様な音楽性やメッセージを発展させていくことが重要です。

要点:まずキャッチーな曲で関心を集め、その先にアーティスト独自の世界観を広げることが理想的なアプローチです。


ちなみに私のオリジナル曲の場合(innocent blue birdsの場合)

1stシングル 「FREE WORLD」はめちゃくちゃキャッチーなロックンロール


キャッチーなロックンロール 「グッバイチャーリー」
(日本語のロックだが、ドイツやヨーロッパあたりでダウンロードされた)


ゴリゴリのオルタナロックで、分かりやすくしたつもりの
「ラブサバイバー」
(あまり反応やアクセスは無い(;^ω^))


なぜかバズっている「You're already dead」
適当に作った遊びの曲


適当なセッションから生まれた
アラビアンナイト (Dance Remix)

この曲がおそらく自分の曲で一番、アクセスがあり売れた曲

音楽は不思議ですね。
何が売れるか分からない。

(^ω^;;)

キャッチーな曲を集めたベストアルバム↓ 聞いてみてね!


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