見出し画像

【毒親連載小説#72】成人後も続く毒親からの呪縛⑦

親を拒否をすれば脅される。

受け入れれば、またずっと
両親の問題に巻き込まれ続け、
私だけが一人苦しみ続ける。

いずれにせよ
地獄には変わらなかった。

こんなにひどいことをされたのに、
こんなに散々迷惑をかけられたのに…。

それなのに、
私はNoをどうしても言えなかった。
何十年もずっとずっと言えずにいた。

それは、
父や母から認められたい、
愛されたい…。

潜在的に両親からの愛を
諦めきれずにいた私は、
両親を受け入れることで
自分のことも受け入れてもらいたい…。
そんな気持ちになり
いつも折れてしまうのだった。

こうやって私が
母と連絡を取り続ければ、
その背後にいる父とも
芋づる式にまた繋がってしまい、
最終的に両親の仲裁役として
引きずりこまれる…。

私はなんどもなんども
この両親の戦略に絡め取られては
苦悩し続けていた。

一方、父と私の成人後はと言うと、
私が高校ぐらいの頃から、
母に内緒で連れ出されることが
よくあった。

当時、買ったばかりの
自慢の高級車の助手席に私を乗せ、
父が私に話すのは
決まって自分の自慢話か母への愚痴。

それを私は黙って聞かされ続けた。

そして、
タイミングを見計らい、
いつもの母への愚痴や悪口を
こぼし続けながら

「正しいのは自分、悪いのは母」

という結論になるよう
いつまでも話し続ける。

続けて私に
「お前はオンマのことどう思ってるの?」
と母への悪口を巧みに誘導するのだった。

そして、最も最悪なのは、
母と面倒な問題に直面した時、
父はいつも私たちを呼びつけて
母の面倒なことの後始末を
押し付けてきた。

これは昔も今も変わらぬ
父の常套手段だった。

(つづく)

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?