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【毒親連載小説#65】執筆3ヶ月経過の頃のわたし。

この執筆を始めてから
はや3ヶ月以上が経過した。

最近はまたずっと
強い眠気に襲われる自分と
必死で戦いながら
これを書いている。

私はこの数ヶ月、
まるで何かに
取り憑かれたように
執筆している。

初めの数ヶ月で
書き上げたものを
見てくれた人物がいた。

それは私にとって
憧れの人であり
雲の上の存在でもある人。

私がもともと
彼のことを知ったのは、
中国に住んでいた時の頃だった。

とある
日本書籍専門の古本屋で
久しぶりに日本の書籍が
読みたいとたまたま
手に取ったのが
彼の書籍だった。

私はこの物語に
一気に引き込まれ、
号泣しながら読んだことを
よく記憶している。

そんな憧れの作家から
素人の作文のようなものを
読んでもらえるとは
夢のようであった。

今回、この執筆をしようと
集まった有志は20数名おり、
その中で、彼が本当に
作品を読んでくれ、
アドバイスを直接もらえるとは
思いも寄らなかった。

質問タイムがあり、
私は迷わず手を挙げて
アドバイスを求めた。

すると、彼は笑顔で、
でも、こうハッキリと
私に言ってくれた言葉。

「初めに毒親の話かと
 思って読もうと思ったら、
 そうでもなかったよね。
 なんというか…
 浄水器で濾過したような感じ?
 綺麗にまとまりすぎてて…
 これはもったいないね。」

私は彼のこの一言で、
私の文章をきちんと
隅々まで読んでいる
ということがすぐに分かった。

私の心の全てを
見透かされたような…
なんだかとても気恥ずかしく、
また、あれこれ言い訳したい
気持ちも湧き起こったが、
彼の言葉は
的を得るほど得すぎていて、
真剣にそのアドバイスに耳を傾け、
この作品を改めて書き進めている。

今までは字数など形式に
こだわりすぎてしまい、
一番重要な毒親との話は
長くなると思い、
自分の中で封印してしまっていた。

でも、彼から

「人の感情をもっと揺るがす
 文章を書くといい」
「韓国の人の持ち味は感情」

というアドバイスは

(あぁ、自分が感じていることを
 もっと思い切り表現しても良いのだ)

…と自分自身に許可が下りたような
そんな感じがして、
そこから私の執筆魂に火がついた。

早朝、私は2歳半の子供が
まだ寝ている時にこっそり起き、
寝ぼけ眼のまま
私はすぐにパソコンに向かう。

そして、
子供が起きるまで
ひたすら執筆をする。

子供の昼寝の時間にも、
子供を脇に抱え授乳しながら
パソコンを開き執筆する。

そして、夜に子供が
寝静まってからも執筆の生活…。

私があまりにも
夢中になっているので
旦那からも
「何をやっているの?」と、
私がまるで誰かと
秘密のチャットをしているのでは?
…と不審がられるぐらいに
私は執筆に没頭していた。

私はよく分からない
エネルギーの渦に
呑み込まれるかのように
書き続けていた。

今まで鬱積した恨みつらみを
洗いざらいここにぶちまけてみよう…。

そんな執念や怨念にも
感じる強いエネルギー・強い衝動…。

私はとにかく
このエネルギーに任せて
執筆を続けている。

夜遅くまで書けば、
次の日がしんどくなるのは
分かっていた。

けれども、もし今、
書くのを止めてしまったら、
また、あの「たった一人の存在」
からの心の奥底から叫び声に
呼び戻されるかのように、
私はひたすら書き続けている。

(つづく)

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