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輝夜



世界が
冷えて、
息が白くなっただけで笑っていた、
月だけが
いない街に
立ち昇る、私だったものが
空に溶ける最後の姿が
美しいと知っていた、
夜を見上げて、
初めての冬のような不思議を
最後の冬にも探します、
欠けて行くものに
流れ込むように手を当てる闇が光って
満ちて行く、それぞれに
見ている夢、どこから
生まれて来たのか気にせずに
優しさと
素直にすれ違ってみる、雪の夜、ここは人間の
足音が身体に響く星、枕に
耳を当てると聞こえていた、どこまで行くのか
最初の一行を待たずに
はぐれて行く夢にも重なる、窓に映る
その手で冬を灯せば






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眠れない夜に

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