#ホラー
ダウンフォール・オブ・ザ・トリックスター
「こわいこわいもうやだこわいやだこわい」
圭子はついにその場でへたり込み、うわ言を繰り返すだけの存在と化した。井上さんはまだ自分のネクタイを旨そうに咀嚼している。
館を焼き焦がす炎はいよいよ私たちに迫り、灼熱の空気が喉を焼く。脱出しなければ命は無いが、唯一の出口にはあの男が立ちはだかり、こちらに銃口を向けている。藤堂すみれは初めからこの男を蘇らせる事しか頭になかったのだ!
BLAM!!!
スパイン・ザ・リベンジャー
闇の中から伸びて来た巨獣の爪先がおれの腹に突き刺さる。おれは悲鳴をあげながら吹き飛ばされ、血と吐瀉物が地面に撒き散らされた。体が動かない。巨獣は笑い声をあげながらゆっくりと歩いてくる。
死にたくない。おれは記憶を辿った。何かないか。なんでもいい。その時おれの脳裏に閃いたのは集会場で老いぼれが語ったまじないだった。畜生。そんなものしかもう頼るものはないのか。巨獣がおれの前に立った。殺される。おれ