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ママインターン出身 新人議員4名にインタビュー!【前編】

みなさまこんにちは!
ひろげよう!ママインターンプロジェクト事務局です。

ひろげよう!ママインターンプロジェクト」とは、地方議員とママが協力をし、まちを良くするために共に学び成長するママインターンシップを推進するプロジェクトです!!
(ひろママPJについて詳しくはこちら

本プロジェクトは2021年1月に動き出し、今では延べ15名以上の地方議員、また80名以上のママインターンの方に参加いただきました。
そんなママインターンの経験者から、2023年4月の統一地方選挙にて4名の新人議員が誕生しました!

ママインターン=議員志望というわけでは決してありませんが(議員を目指していない人が大半です)、インターンの経験をきっかけに立候補を決意、あるいは議員を目指す中でママインターンを経験し学びたいという方も増えてきています。
今回の記事では新人議員4名に座談会形式でインタビューを実施し、ママインターンに参加したきっかけや、立候補を決意した理由、またインターン活動が選挙にどう活かされたかなどについて聞いてみました。

まずは前編をお届けいたします。

【参加者プロフィール】
前山なおこさん・・・東京都杉並区議会議員。5歳児のママ。中野区(河合りなさん、中村延子さん)で4期ママインターンを経験。
大野ゆかさん・・・東京都板橋区議会議員。6、4、1歳児のママ。板橋区(南雲由子さん)で3期からママインターンを経験。
林あきこさん・・・東京都江戸川区議会議員。中1、小3、3歳児のママ。江戸川区(小林あすかさん)で1期からママインターンを経験。
九鬼ともみさん・・・東京都八王子市議会議員。3人の子のママ。東京都議会議員 須山たかしさんのもとで3期ママインターンを経験。
(2023年5月現在、以下敬称略)

ーー本日はお集まりいただきありがとうございます。また当選おめでとうございます!

ひろげよう!ママインターンプロジェクトは2021年からスタートして、今回が初めての地方統一選挙でした。必ずしもインターン経験者から議員を増やすことを目標にしていたわけではありませんが、今回この4名が当選されたというのは、一つプロジェクトの成果と言えるかな、と思っています。

最近活動をメディアに取り上げていただいたこともあり、ひろママPJも規模が少しずつ大きくなってきました。これからますます「議員を目指してみたい」という方の応募も増えるのでは、と考えています。

ですので、今回当選したママインターン出身の皆さんに、インターン活動と選挙活動について伺い、今後のひろママPJの運営に役立てたいと思います。
よろしくお願いします。

ーーはじめにママインターンに応募されたきっかけを教えていただけますか。

:私は応募する際からやんわり議員志望だったという感じです。元々公務員試験を受けていまして。住んでいるのが東京都江戸川区なのですが、子供を保育園に入れるなど行政に関わることが増えてくる中で、私も区民の皆さんのための仕事がしたいなと思って公務員を志望していたんです。
公務員試験の予備校に通っていて面接の練習をしている時に志望動機を話したら、先生に「それは公務員の仕事じゃなくて議員の仕事だよ」と言われて。そこでハッとして、そのときは前回の統一選(2019年)の少し前だったので、次の選挙は無理だけど次の次(2023年)だったらもしかしたらいけるかもしれないと思って、やんわりとそこから議員になることを考え始めました。

そのタイミングで一番下の子の育休を取っていたのと、ひろママインターンの募集があったのと、ちょうど江戸川区の小林さんがインターンを募集する、というのが分かったので、「じゃあこれはチャンスだな」と思って応募したのがきっかけです。

インターン開始時の面談で「議員志望ですか」と実ははっきり聞かれたんですよ。その時は本当にやんわりと答えました。「志望してなくはないです、考えてなくはないです」のような言い方をしていました。ひろママの活動を通してやっぱり挑戦してみようかなと思って、ちゃんと決意したのが一年前ぐらいですね。

九鬼:私は子育てしてる時にすごく大変で。“お母さん”やってると地域の仕事も降ってくるじゃないですか。それがとても大変だったんですけど、職場でも上から降りてくることを覆せない場面が多くて。ずっと都の職員、学校の理科の助手をやってきたんですが、結局現場の人間がどんなにジタバタしても、上で決まったことに対してどうしようもできないという状況を味わっていたときに、「いや、もっとこうしたい」という気持ちが湧いてきました。

それでなんとなく政治に目が向き始めて、最初は立憲アカデミーというものに参加しました。そこで学ぶ中で「ああ、政治って色々なことに関係あるんだ」と感じまして、ぼんやりと「議員だったら理不尽なことを変えられるのかな」と思っていたんです。
そこで須山さん(須山たかし東京都議会議員)のところに紹介されまして、須山さんからひろママPJを紹介いただいたという流れでした。

前山:私は4年前の統一地方選挙に一回出馬して落選しています。その後またもう一回出馬するかは、すぐには決めていなかったんです。
ですが昨年8月くらいには「(前回の統一選挙後)4年間、誰も私が思ってる子育ての意見を議会で言ってくれないから、もう一回出馬しよう」と考えていて、その時に「ひろママインターンというのがあるよ」というのを聞いて応募しました。

私は杉並区在住なのですが、杉並は受け入れ議員がいなかったけれど、隣の中野区で延子さんとりなさんがインターンを募集されていて。議員を目指そうと決めていたから、インターンをやったら色々勉強になるんじゃないのかと思って、軽い気持ちっていうと変ですけれど、参加しました。

大野:私は皆さんと違って、私の人生において議員になるとは全く考えてなかったタイプなんです。

4年前に自分の子供の保育園の民営化が発表されて、その計画に無理があるなと感じたので、他の保護者の方と一緒に陳情を出した際に、そこで初めて南雲議員とお会いしました。
そこから「こんな身近な人がいるんだ」とFacebookなどでちょこちょこチェックし始めて。それで南雲さんから「ママインターンを募集します」という話があったので、本当に軽い気持ちで応募しました。
板橋区の行政に関してママ目線というのはすごく大事だと思い始めたところだったので、そこから活動し始めたという感じです。

去年の12月に南雲さんが区長選に出るという話があって、「それは素晴らしい!応援します!」という気持ちだったときに、南雲さんから「打ち合わせさせて欲しい」と言われたので、選挙の手伝いの件かなと思って。ちょうど育休が4月23日までだったんですよ。だから「選挙お手伝いしますよ」というノリで行ったら、実は「議員に立候補してみないか」というような話でした(笑)

もともと地域に役立つ仕事をしたいなと思って、新卒からずっと住宅系の仕事をしていたので、地方議員も地域に役立つ仕事だし、インターン活動のおかげで割と区政を身近に感じてたので、一か月ぐらい悩みましたが決断したという感じです。なので立候補まですごく短いです。1月に決断したという感じです。

ーー皆さん色々な想いでインターン活動に応募されたんですね。
前山さんは前々回の選挙にも出られたということですが、何がきっかけで議員を目指そうとされたのですか?

前山:私はやっぱり子育てです。まず自分が住んでいる地域が中野区と杉並の区境で、保育園が全然ないというところから始まり、あとやはり出産費用が高いなぁとか。妊婦健診も補助券を使っても血液検査をすると自腹が1万円以上という場合もあり、結構びっくりすることが多かったんです。本当に出産するまで全然政治に興味がなかったのですが、子育てを始めてから疑問に思うことが増えてきて、「これは議員にちょっと相談してみよう」と思って。

でも議員といっても議会のことも分からないので、まずは女性で子育てをしてそうな方に話してみようと連絡したのですが、「ママ友を10人連れてきたら話を聞いてあげる」って言われたんですよ。話を聞いてもらうことすら難しいというのが、その時すごく衝撃で。だったら私が直接議員になった方が、別の議員に間に入ってもらって伝えてもらうよりも早いと思ったんです。

ーーやはり子育てがきっかけで政治に興味を持った方は多いと思うのですが、そこから議員になるというハードルを超えるところがすごいです。
子育て以外のきっかけがある方はいらっしゃいますか?

九鬼:子育てもそうなんですけれども、「女性の生きづらさ」というのを長らく感じていたこともきっかけとしてあります。
職場でそれなりに経験を積んで、その仕事を一生懸命やってきた者として「私はこう思います」という意見を言っても一顧だにされないという経験を何度もしてきて、「これは一体何なんだろう」と。自分がすごく生きづらかったので、最初はこれは自分のせいだと思っていたんですね。自分の性格が悪いとか、心が狭いとか、もっと大人になって色々なことを許せなきゃいけない、と思っていました。
でもこれは女性を下に見るような社会構造自体がおかしいんじゃないかと思って、こういう世の中を変えたいという想いもありました。

ーーなるほど、ありがとうございます。
では実際に議員を目指したり選挙活動を行う中で、インターン活動が役立ったと感じる点を教えてください。

前山:立憲民主党から出たいというのはずっと考えていて、公認申請をしながらのインターン参加でした。たまたま隣の区のりなさんと延子さんが同じ政党だったので、連携しやすかったと思います。例えば私が別の政党から出馬して、立憲の議員さんのところでインターンするとなると、多分話せないことが色々あると思うのですが、一緒の政党だったのは良かったですね。

自分の住んでいる区ではなくて隣の区での活動でしたが、私がちょうど区堺に住んでいるので、感じている課題も一緒だったり、中野区の公園など施設も使用していたりというのがあって、利用者目線で課題を直接言えたというのはすごく大きかったなと感じています。

あとは色々と勉強になりました。一緒の政党だったというのもあり、選挙期間中もたまたま駅で会って一緒に朝の挨拶をしたりとか、お二人は先輩なので色々なことを教えてもらって。選挙期間中は孤独を感じる場面も多いのですが、二人とも声を掛けてくださったのでとても嬉しかったです。

ーー前山さんは応募時から「議員志望です」と伺っていたので、杉並でインターン募集が無かったのも、中野区のお二人が立憲民主党だったのも全てが偶然なのですが、逆に同区でライバルにならないかたちでインターンできた好例だったのではと思います。

前山:あとはやはり、杉並区と中野区は似ているところが多いのも、とても良かったです。両方とも子育て世帯が増えている地域で、杉並区で今課題になっていることを中野区ではどう解決しているのか、というような意見交換ができていました。今後も連携してお互いの区を良くしていけるのではないかと感じています。

ーー九鬼さんも直接お住まいの自治体でのインターンではありませんでしたね。九鬼さんの場合は八王子市選出の都議会議員のもとで活動されていましたが、いかがでしょうか。

九鬼:ひろママPJ全体の報告会やイベントで他の事務所の活動を聞いて、こうやって市議(区議)さんが自分たちが感じている課題を、他のお母さんたちと調査したりしてかたちにしていくのか、というのを実際に目にすることができました。
ひろママPJの活動を通じて、市議という仕事に対して具体的なイメージが湧きましたね。他の事務所の活動を見るのは勉強になりました。

:私は今のお二人とは逆に、自分が住んでいる区でインターンをして、同じ区で立候補というかたちになりました。「区が一緒だとライバルになっちゃう」というのは、私たちはまさにそうで。
なので、一年ほど前に小林さんに「私も出馬しようかと考えています」というお話をさせてもらった際に、一番最初にその課題が出たんですよ。なるべく票を食い合わないように、どう戦略を練ろうかという話をしていました。

小林さんと私は年代も近いし、子育て中というのも一緒だし、政策も似ているのでどうしても票が散ってしまう。私ははじめ無所属で出ようかと思っていたのですが、小林さん経由で維新の方を紹介していただいたんです。維新と考え方が似ているというのはもちろん前提にあるんですが、さらに戦略的にも維新から出るのが良いのではないかとなりました。
小林さんは4年間の実績があるので“現職”としての票を、私は政党の力を借りてみますというかたちです。

ひろママPJに参加して、同じ区の議員さんのもとで学ぶのはすごく勉強になりました。「なんで子育てのこの政策がこうなっているんだろう」と思ったときに、内側の話を聞けるというのは、とても勉強になるのでメリットはすごく大きいです。
あと私は長期休暇中の学童保育にお弁当を導入する活動をしてたのですが、やっぱり小林さんがいてくれたから、どう立ち回ったら良いのかというのがよく分かって。議員の立場を上手に使うことができたからこそ、スピーディーに事が進んだのかなというのは実感します。

立候補するとなったときに、同区であるデメリットが出てきてしまったんですけれども、私は小林さんのところでインターンできて良かったなと思っています。
今も普通に仲良いですよ!議会に用があって行ったときに、ちょっとお菓子を食べながらお話したりします。先輩がいるとすごい心強くて。すでにいただいている案件に関してどうやって動いたらいいんだろうってときに、一人でもお話できる方がいるだけで違いますね。

ーー立候補したいとなったときに、先に議員の方に相談しておくというのは大事ですね。今後の関係性にも響いてくることなので、もし今後同自治体で立候補したいというインターンの方がいらっしゃった場合は、所属議員に相談することをおすすめしますね。

大野:私は特殊ケースだと思いますが、南雲さんが区長選、私が区議選と選挙が異なったので、選挙中も割と一緒に回っていることがありました。日中はあえて別のところでやって、夜だけ一緒に回るとかも。
街頭に立つのも二人でやれるのは、区長と区議で票を取り合うことがないので、すごく良かったというか…もうおんぶに抱っこ状態でした(笑)それですごく学ばせていただきましたね。

インターン活動自体は、私もイベントや報告会になかなか出れなかったんですけど、南雲事務所のインターンが11名いて、その方たちとは良好な関係を築けていたので、たくさん意見やアドバイスもいただきました
例えば「選挙用のホームページを作ろうと思うんだけど」「こんな感じで書こうと思うんだけどどうかな?」とか、それに対して意見をもらったり、すごく協力していただきました。
なので、インターン活動は本当にやっていて良かったです。

インタビュー後半へ続きます。


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