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今週のおすすめ記事

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note編集部がおすすめする記事を集めました!(毎週更新)
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#小説

おすすめの"小説"noteをご紹介! 2019/11/08

今週から、note編集部でカテゴリーごとにピックアップしたおすすめの記事を紹介します。毎週異なるカテゴリーをとりあげ、みなさんの好みのnoteとの出会いや、いつもとちがう性格のnoteを読むきっかけになれたら嬉しいです。 今週は「小説」noteを紹介します。noteでは、長編小説から掌編小説、ショートショートなどのさまざまなジャンルの小説noteが投稿されています。中でも今回は、短編小説を中心に読書や創作にまつわるnoteを集めました。 ・・・ ■ 短編小説 『母の味噌

「自由に書く」ということ

先日、DANROの連載3本目が出た。 すると知人から「もっと読まれるような工夫をした方がいいんじゃないの?」という指摘があった。実はこの手の意見は初めてではなく、連載当初から何人かに言われている。 口調のニュアンスから推測する限り、たぶん否定的というよりは、なぜこんなわけの分からない書き方をしているのか、と不思議なのではないか。もっと分かりやすく、ウケのいい、バズるものを書けるのに、と買いかぶってくれているのかもしれない。 いや、おっしゃりたいことは分かりますよ。見出し

コインランドリー

『あなた、大変。故障よ』 サチコが僕を呼んでいる。滅多にないことなので僕は雷に撃たれたように、慌ててサチコの元へと駆け付けた。 洗濯機のサチコは両手を泡だらけにして僕のお気に入りのシャツの前で呆然と座り込んでいた。 『ねぇ、あなた、大変なの。私故障しちゃったみたい。嫌になっちゃうわ』 「どうにかならないかい?そのシャツは明日のとても大切な会議に着て行くつもりだったんだよ」 『無理よ。洗うことに関しては、指一本動かせないもの。私1人じゃどうにもならないわ』 サチコは泡だら

安楽死

酷い日だ。 若い女性警官の短く整えられた爪先を見つめながら、僕の中心からぼんやりと活力が垂れ流されていった。 「では住所を教えて頂けますか?」 淡々と必要な項目を聞き出しながら、しかし不快に思われないように気遣いながら警官は質問を続ける。 指定場所一時停止無視。それが僕の初めて犯した罪だった。 視線を爪先から外すと、酷く青い夏空の中で、たった一人取り残された白雲が瞳に映った。 羽田発ロンドン着。 今日、水野は空飛ぶ鉄塊に乗って日本を離れる。 水野は最後の日、殆

妖精さん

ほんの僅かな前触れもなく、唐突に妖精さんは僕の前に現れた。 妖精さんは体長5センチほどで、華奢な背中から身体の半分はある大きな羽を生やし、少しだけ緑色に発光していた。 『はぁい、こんにちは。私は妖精さん。これからあなたの人生をしっかりサポートしちゃうからよろしくね!』 妖精さんはどうやら僕の人生をサポートしてくれるらしい。具体的に何をしてくれるかはよく分からないのだけど、単純に僕はこう思った。何だかとってもラッキーじゃん!と。 『最近、同じゼミの子と仲良しねぇ。あんな

空をあおぐ【雪町子×ならざきむつろ】

誰が物語るのか/人称と視点

 プロットの作り方から話がちょっとそれるのですが、先にしておいたほうがいいかなと思うのが、人称と視点についてです。ある程度長い物語を書くようになると、わりとぶつかりがちな問題ではないでしょうか。  まず基本的なところから。人称ってなに。視点ってなに。……というのを確認しておきましょう。 ●人称……文の述語の表わす動作・状態の主体と,その文の話し手との関係にかかわるもので,話 者を含むものを一人称,対者を含むものを二人称,それ以外のものを三人称という。 (コトバンクより) ●

ロンリーハーツ・クラブミュージック

クラスメイトの木村美沙は俺と付きあうことを了承してくれたとき中学2年生の分際で「あんたは私の歴代7番目の彼氏で現在4人いる彼氏ランキング第4位だし歴代総合順位でも最下位の第7位なんだよ」とか言い放った限りなく透明に近い貞操観念しか持ち合わせていないキュートでグロテスクな女子だった。でもそんな奴にありがちなディスカウントショップ的な佇まいとは完全に無縁だったし、むしろ14歳にしてすでに出どころの不明な謎の高級感を漂わせていて所謂ひとつのショーウインドウのトランペット的な手の届か

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では物語ってみよう(1.ネタ帳)

 今まで、私や、私と似たタイプの方にとって、いかに物語世界か必要かつ有益であるかという話をしていたわけですが、そろそろ具体的な話にシフトしていこうと思います。物語(作品)のつくり方について。実践編です。  ここからは、基本的に物語を他者に向けて発信したい、と考えているかた向きの話になってきます。同人誌でも、pixivでも、とにかく自分で物語を書いている人向け。または「できればそれで食べていきたい」というかたがいらっしゃれば、なかなかしょっぱいプロの世界の話もしていきたいと思

物語と私と誰か

『妄想と私と誰か』と言ってもいい(笑) 一応書いておきますと、本来『妄想』という言葉には病的な意味合い(つまり本人が『妄想』と思っていない。現実と混同している)がありますが、ここではライトな意味で使っています。やや暴走気味の空想癖、くらいの。 前回の『物語の場所』のコメントを拝見した上での、補足的記事です。コメントくださった皆様、ありがとうございます。小説を書く人、絵を描く人、翻訳家さん、読者さん……それぞれの御意見を興味深く拝読しました。 さて。私なりに考えてみたので

本の旅、行きも帰りも見てみよう

『マチネの終わりに』序(1)

 ここにあるのは、蒔野(まきの)聡史と小峰洋子という二人の人間の物語である。  彼らにはそれぞれにモデルがいるが、差し障りがあるので、名前をはじめとして組織名や出来事の日付など、設定は変更してある。  もし事実に忠実であるなら、幾つかの場面では、私自身も登場しなければならなかった。しかし、そういう人間は、この小説の中ではいなかったことになっている。  彼らの生を暴露することが目的ではない。物語があまねく事実でないことが、読者の興を殺ぐという可能性はあるのだろう。しかし、

かいぶつ が あらわれた

一時非公開とさせていただきます(そのうち元に戻します) 2022/03/03

みずうみの塔 (2333字)

2022/03/03 一時非公開とさせていただきます(そのうち元に戻します)