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三鷹古典サロン裕泉堂/吉田裕子
2021年5月5日 11:53
「松の花集」掲載句春の月見をるに見られてをるやうな赤子の手ほころぶがごと羊歯萌ゆる天井に迫る盆梅二百歳お鮨屋のレジに売らるる春蜜柑苦虫やバレンタインの日の歯痛こちら、第八席でした(嬉しい!)。春の月見をるに見られてをるやうな→元々〈春の月見るに見らるる心地せり〉としていたのを直していただきました。添削後、状態であることが強調されるとともに、説明より実感の向きが強くなったと感じます。
2021年5月3日 21:34
「松の花集」掲載5句(12月末投稿分)寒風や一席空けの落語会再検査せよとの通知もがり笛消毒の机に冬の小さき蝿よちよちと着ぶくれの子は鳩を追ひ王朝の恋を紐解く聖夜かな寒風や一席空けの落語会→12/5、日比谷図書文化館で開かれた桂春蝶さんの落語会を訪ねました。感染対策のため、一席空けで、常時換気。実際に吹きすさぶ寒風以上に、心は寒々しさを感じてしまいます。噺家さんもこの空気の客席を笑わせ
2021年5月3日 20:40
「松の花集」掲載5句(11月末投稿分)新宿に空のあるなり鰯雲秋うらら面接へ向かふ夫(つま)送る夕日さす割れ窓の庭ゆず実る新居建つ更地いちめん草紅葉踏まれずや桜紅葉を散り重ね新宿に空のあるなり鰯雲→職場のそばで見上げた秋の空。私の好きな空です。もちろん『智恵子抄』の「あどけない話」を意識して詠んだ句です(智恵子は東京に空が無いといふ、 ほんとの空が見たいといふ……)。今月の「松の花」
2021年5月1日 00:26
「松の花集」掲載5句(1月末投稿分)冬籠もり眉なき妻を見慣れたりピリピリと痛き柚子湯や百数ふ白髪染めツンと薫りて年暮るる初日記万年筆の使ひ初め市川のカルチャーからの初筑波結社の全員が参加する「松の花集」、今回は15席でした。今月の秀句欄には、〈初日記万年筆の使ひ初め〉を選んでいただきました。冬籠もり眉なき妻を見慣れたり→夫目線での一句です。ステイホーム中はどうしてもすっぴんが多く