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幣原発案説の虚妄

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歴史の事実に基づかない憲法9条幣原発案説の誤りを具体的に指摘します。
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記事一覧

【幣原発案説の虚妄(第18回)】「マッカーサー、嘘つかない」?

 「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対的に腐敗する」(アクトン卿)  まあ、これが世界的な…

indy
11日前

【幣原発案説の虚妄(第17回)】幣原「芝居」説の虚妄(3)

 続いて、笠原氏の紹介する佐藤達夫の「証言」を見てみよう。笠原氏は、1964年2月14日の『朝…

indy
1か月前

【幣原発案説の虚妄(第16回)】幣原「芝居」説の虚妄(2)

 笠原氏は『憲法九条論争』第8章第1節で、入江俊郎の「日本国憲法制定の経緯」から、座談会に…

indy
1か月前

【幣原発案説の虚妄(第15回)】幣原「芝居」説の虚妄(1)

 笠原十九司氏は『憲法九条論争』の第8章第1節「幣原の「芝居」に気づいた閣僚――幣原発案説…

indy
1か月前
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【幣原発案説の虚妄(第14回)】1946年3月5日の幣原発言

 憲法9条幣原発案説には、同説の主唱者たちが触れたがらない、都合の悪い証言がいくつもある…

indy
1か月前

【幣原発案説の虚妄(第13回)】幣原発案説の発案者(4)

 毎日新聞が岸倉松及びマッカーサーの証言として幣原発案説を報じた翌年(1956年)、ホイット…

indy
1か月前

【幣原発案説の虚妄(第12回)】幣原発案説の発案者(3)

 ここまで幣原発案説が1950年1月1日以降、マッカーサーやホイットニーにより、あるいはGHQの公式見解として出されてきた経緯を見た。これがあたかも歴史の事実であるかのように、日本の新聞によって報道される日が来た。  1955年8月15日、毎日新聞は「戦争放棄は押しつけでない」「憲法第九条・マ元帥の書簡でわかる」「主唱者は故幣原首相」「元帥に条文の挿入を訴う」との見出しの下、以下のように報じた。  マッカーサーに出した書簡の返信が、ホイットニーの代筆でホイットニーから返

【幣原発案説の虚妄(第11回)】幣原発案説の発案者(2)

 1950年の晩秋、金森徳次郎国立国家図書館長は幣原に、「最近アメリカで“日本の政治再編成”…

indy
1か月前

【幣原発案説の虚妄(第10回)】幣原発案説の発案者(1)

 幣原発案説は多くの人が唱えているようであるが、その出所を辿ると、ホイットニーとマッカー…

indy
1か月前
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【幣原発案説の虚妄(第9回)】高柳賢三の幣原発案説批判(2)

 高柳はまた、『天皇・憲法第九条』の、前回のシリーズ第8回で引用した部分の少し後で、次の…

indy
1か月前
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【幣原発案説の虚妄(第8回)】高柳賢三の幣原発案説批判(1)

 堀尾輝久氏と言えば、日本教育学会会長、日本教育法学会会長、総合人間学会会長などを歴任さ…

indy
1か月前

【幣原発案説の虚妄(第7回)】幣原発案説とは何か

 もしこのシリーズをお読み下さっている奇特な方がいらっしゃったら、今さらで、申し訳ないの…

indy
1か月前

【幣原発案説の虚妄(第6回)】堀尾輝久氏の幣原発案説批判(1)

 堀尾輝久氏は『地球時代と平和への思想』(本の泉社、2023年)に収録した論稿のいくつかにお…

indy
1か月前

【幣原発案説の虚妄(第5回)】9条幣原発案説の亡霊(7年前に書いた文章)

<まえおき>  笠原十九司氏の『憲法九条論争』批判をこの調子で続けていくと、何十回経っても連載が終わりそうにないので、同書への批判はいったんここで脇へ置き、今度は、近年の幣原発案論者のもう一人の重鎮である堀尾輝久氏の近著『地球時代の平和への思想』(本の泉社、2023年)に焦点を当てたい。堀尾氏は「平野文書」に依拠することなく、幣原発案説を主張しているという意味で、むしろ伝統的な幣原発案説の系譜に連なる人である。本書の中には、堀尾氏が『世界』2016年5月号に寄稿した論文「憲法