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冬の星座 【掌編小説】

ミナちゃんは部屋に宝石シールを広げてそれを夢中になって並べている。
散らかったおもちゃを彼女にしては珍しく念入りに片づけたあと、広くなった部屋をキャンバスに宝石シールで星座を描いている。

おじいちゃんはいろいろな星座の形を教えてくれた。

あれはオリオン座。あれは北斗七星。
おじいちゃんより夜空まで遠いはずなのにミナちゃんの方がずいぶん早く星座を見つけることができるようになった。はしゃぎ声とガッツポーズ。

ミナちゃんは一人で星座を眺めるようになった。
わからない時は絵に描いて病室のおじいちゃんに訊ねたが、そのうちお医者さんから会うことを止められるようになった。

おじいちゃんはお星さまになった。

ミナちゃんは広くなった部屋にお星さまから見て一番きれいな星座に見えるように宝石シールを夢中になって並べている。
何度も何度も見直したあと、満足げに笑ってガッツポーズをとり、窓を開けた。

(過去の投稿作品「星座」と同じモチーフにて書いたものです)