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思わず一気読み。登場人物になった気持ちでアイヌの歴史・文化を体感できる小説『熱源』

https://www.amazon.co.jp/dp/4163910417/ref=nosim?tag=otonews-22

『熱源』は、明治時代から昭和にかけて、アイヌの身にどんなことが起こっていたかを描いた直木賞受賞作だ。

私は「読みたい」と思いつつ、図書館で数十人の予約を待ち(基本的には図書館で借りる派なので)、やっと手に取ったのは、今年の冬休みだった。よし、読もう! とお正月のスキー旅行先の宿で読み始めたが最後、数時間かけて一気読みしてしまった。

情景の豊かさが魅力

小説としての一番の魅力だな、と感じたのは、情景の描き方の豊かさだ。明治時代ごろから昭和の太平洋戦争までの様々な登場人物が、まるで目の前で繰り広げられているかのように生き生きと描かれ、物語の中にぐっと引きこまれた。そして、読み終わったあとは、心地よい疲れが全身を駆け巡った。

歴史や文化の学びもしっかり

アイヌの歴史や文化を身近に感じられるのも、いいなあ、と思った。物語の中には、樺太から多くのアイヌが北海道に渡ってきたこと、伝染病で多くのアイヌが亡くなったこと、開拓により多くの土地が奪われたことなど、アイヌの歴史や文化を知る上で見逃せない要素がたくさん出てくる。

その中をアイヌの人たちがどう生き延びてきたか、そして生き延びることができなかったかも分かる。

これからの歩みのために

これまでの歩みを知り、私たちができることを考えることは、よりよい未来を創っていくためにとても大切だ。フィクションだが、歴史や起こったことの要素が分かるので、これから私たちができることを考えるためにも、ぜひ読んでおきたい。

#読書感想文

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