アイヌの食文化を伝える絵本『イペアンロー』
味の箱舟プロジェクト
スローフード関連のリサーチをしていて、たまたま素敵な絵本を見つけた。その名も『イペアンロー いっしょにたべよう』。
企画しているのは、Slow Food Nippon。本部をイタリアに持つ世界的な食の草の根運動団体Slow Foodの一部で、日本国内でのスローフード運動を拡げるための団体だ。
Slow Food Nipponは、活動の一環で、希少な食材や食文化を伝えるダイニング&メディアプロジェクト「味の箱舟プロジェクト」を展開。その栄えある第一弾が、アイヌの食文化を紹介する絵本『イペアンロー』だったのだ。
このウェブサイトのページを読んだら、私は、いてもたっても居られなくなった。そして気づいたときには、問い合わせページに「このブックレットをぜひ手に入れたいのですが、どうすればいいですか?」と連絡をしていた。すると、嬉しいことにお返事が返ってきて、なんと、送っていただけることに!!
アイヌの食文化がぎゅっと詰まった一冊。
手元に届いたのが、これだ。
森や動物、人々の様子が描かれた表紙の雰囲気が、とても楽しそうな表紙。表紙だけでワクワクが120%に!
中の物語は、身のまわりの自然の中にある食べものと、アイヌの人たちのつながりを優しいタッチで描いていて、子どもも大人も腑に落ちる内容になっている。
物語に加えて私が「いいな」と感じたのは、絵本の後半に、図鑑のような形で、出てきた食べものの紹介が出てくることだ。写真もあるので、北海道の森に行ったら見つけられそうだ。
…と思ったら、こんなことが書かれていた。山が切り拓かれ、気が切り倒され、沼地や川辺が埋められられてきた結果、こんなことが起こっているという。(P26より抜粋)
いま、アイヌの人々が、自然の恵みをいただこうと思っても、その自然がなくなってしまい、採れなくなってしまっているのです。
今はまだある食材たちも、観光資源として注目を浴び、採りすぎることで、失くなってしまうことも心配されています。
これは悲しすぎる。なんとか、おいしい食を守っていかなければ。食は、私たちの文化そのものであり、また、自然を構成する一員なのだから……。
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