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オルカンの中身が変わる!お弁当のレシピ変更のニュース

インデックスに投資してるなら、実際”何に”投資してるのか知っておくべきです。株価指数に含まれる組入銘柄の入れ替えが2日前にニュースとなり、お弁当のレシピが変わったということです。銘柄の入れ替えとは?なぜ行われるのか?について、今回の内容を事例にお話していきたいと思います。

オルカンに投資してるなら投資対象が実質変わっちゃうので必読。その他のインデックスファンドを購入している方も「銘柄がどのように入れ替わるのか」「銘柄入れ替えのロジックや背景について知りたい」方は、ぜひこの機会にご覧ください!



投資信託をレシピに例えると

まずは「銘柄入れ替え」について話す前に、投資信託とお弁当とレシピの関係性についてお話できればと思います…。
え?と思うかもしれませんが、少しお付き合いください!

投資信託はよくお弁当に例えられますよね。一つの商品を買うだけで色々な会社にいっぺんに投資ができる、まるで一つ幕の内弁当を買うと、魚も野菜も米も食べれるように。では、どのようにお弁当は皆さんの手元に届くのでしょうか?

お弁当を作るにあたって、またその作り方を決める人=レシピを考える栄養士さんがいます。栄養士さんは農作物や魚の仕入れを気にしながら、旬なものを取り入れながら常にレシピを調整してくれます。そのレシピに則って作る人=厨房のママがおり、最終的にお弁当屋さん=販売店にて、私たち消費者が買っておいしくお弁当を頂きます。ざっくりと、こんな登場人物の構造です。



株価指数=定番レシピ、インデックスファンド=お弁当?

本題に戻すと、今回のニュースは「組入銘柄の入れ替え」というもの。それには株価指数インデックスファンドが密に絡むのですが、それらの定義、皆さんわかりますでしょうか?

まずは株価指数から。

株価指数とは、株式市場全体の値動きをあらわす指標のことです。 具体的には、複数銘柄の株価を一定の計算式で総合的に数値化したもので、投資家が相場を確認するための「ものさし」となります。

「株価指数」はお弁当の例でいう、レシピです。栄養士さんが市場の動きに合わせて「魚を多めにしよう」「秋田県の米が最近いいんだよ」という具合に、季節に合わせて調整してくれるレシピそのもののこと。

例えばS&P500は、米国の大手企業500社の株価を総合的に算出した株価指数で、一つの具材=一つの会社とするならば、具材が500種類入っています。過去を遡ると、その上位10社は時代とともに入れ替わりしてるのがわかります。

株価指数は他にも「日経平均株価」や「NASDAQ100」等、色んなものがあります。金融業界では決まったものをみんな追っかけているので、定番レシピと捉えると良いかもしれません。ちなみに、株価指数=「インデックス」。

さて、「インデックス運用」とは何でしょうか?

インデックス運用とは、運用手法の一つ。株価指数と同じ構成で銘柄を組み入れることで、指数に連動することを目標とする

「インデックス運用」とは、お弁当の例でいうと「定番レシピに沿って作られたお弁当を買うこと」。投資信託=お弁当という話をしましたが、特定のインデックス=定番レシピに沿って設計されたお弁当ですね。

例えば「日経平均連動の投資信託」は、日経平均指数=レシピに沿って、作られた投資信託=幕の内弁当。そうすることで、日経平均に自然と連動する、そんな商品が出来上がるわけです。
S&P500はハンバーガー弁当で、オルカンは"和中洋の全部乗せ弁当"でしょうか…。レシピを作る栄養士と厨房のママが連携しないとおいしいお弁当を作れないのと同じで、インデックスファンドはこのように”インデックスに連動”するように設計された投資信託を指します。

ちなみに、先ほどのお弁当の構造を、投資信託に当てはめるとこんな感じです。



今回のMSCI銘柄入れ替えの背景

今回のニュースは、「MSCI ACWI」という株価指数を構成する3000銘柄のうち、一部の入れ替え(=ダメな会社は除外され、いい会社が追加される)があったというものです。従って、皆さんは同じ商品に投資を続けていても、中身が変わっているので実質投資先が変わることを意味します。

言い換えると、レシピに変更があり、それに伴い「eMAXIS Slim オルカン」という同じお弁当を買っていても、その具材が若干変わるよ、というもの。

具体的には、今回の入れ替えで24銘柄を追加し、101銘柄を除外するとのこと。特に、市場の混乱により中国株式市場の時価総額が大幅に減少したことを受け、組入れ銘柄から66社の中国企業を除外しました。この決定は、世界経済の不確実性と地政学的リスクの増加が背景にあるとされています。中国不動産セクターの問題や消費の低迷が、世界のポートフォリオから中国のウエイトを落とす一因となっています。

MSCIに限らず、株価指数はこのように銘柄を定期的に追加したり外すことがあるので、追ってみると世界情勢がわかるので面白いと思います。



注目ポイント1️⃣ 中国企業66社除外

最新の四半期見直しでは、MSCI中国指数から66社が除外されました。これは、少なくとも2年ぶりの多さです。除外された企業には、不動産関連の金地(集団)や緑城中国、中国南方航空、平安健康医療科技(平安好医生)などが含まれています。これにより、インデックスファンドはこれらの銘柄をポートフォリオから外す必要があり、中国市場にとってはさらなるリスクとなります。


注目ポイント2️⃣ インド株の勢い

今回の入れ替えで、インド株は除外はなく、次の5銘柄を追加しました(Bharat Heavy, GMR Airports Infra, NMDC, Punjab National, Union Bank of India)

また、併せてグローバル・スタンダード(「新興国市場」という同社が出している別の株価指数)のインド株の比重を17.9%から過去最高の18.2%に引き上げました。これにより約12億ドルの資金流入が見込まれるとされ、インド株のウエートは2020年11月から2倍近くに上昇していたりと、スゴイ勢いを見せています。この背景には、外国人保有制限の標準化、インド株の持続的な上昇、中国など他の新興国市場のアンダーパフォームがあります。ちなみにインド株は2番目に多いのですが、1番の中国株のウエートは2020年のピークから低下傾向です。

グローバル・スタンダード指数におけるインド・中国の構成比重


注目ポイント3️⃣ 日本企業の追加と除外

MSCI ACWI指数の組入銘柄の入れ替えでは、日本企業にも影響がありました。日本からはSCREENホールディングスの1銘柄が追加された一方で、住友化学、東ソー、王子ホールディングス、コーセー、オープンハウスグループ、ベイカレント・コンサルティング、大和ハウスリート投資法人、コーエーテクモホールディングスの8銘柄が指数から外れました



今回の銘柄入れ替えのまとめ

今回は中国とインドの変化が目立ちましたが、様々な国の銘柄の入れ替えがありました。各国の入れ替えのサマリーは以下の通り:



おわりに

今回のMSCIの銘柄入れ替えは、中国市場の挑戦とインド市場の機会を浮き彫りにしました。プロの投資家であれば、これらの変動を慎重に分析し、多様化されたポートフォリオを通じてリスクを管理しながら、長期的な成長機会を追求します。

しかし、インデックス投資している私たち素人にとってはどうでしょうか?今回の銘柄入れ替えは地政学的なリスクや経済の成長見通し、市場の潜在性を反映してくれたもの。それに応じてリスク管理がされ、同じ商品を通じて投資を続けられるのは、いいことではないでしょうか。さらに、3000社のうち数十社変わったので大きな変化はありません。ただ何に投資してるかわからないのも良くないので、株価指数とインデックスファンドの基礎知識、どういう社会情勢が理由で変わったか、を今回ご紹介しました。

(※今回の報道出典: / /


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