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女性議員が増えたら、きっともっと暮らしやすい

日本の女性議員はとにかく少ない。諸外国と比べて少ないから、もっと増やすべきだ。こうした意見がようやく最近になって聞くようになってきたと感じています。
女性議員となるには、越えなければならない多くの壁があります。
家族の反対、経済的な問題、様々なことをひとつづつクリアしていかなければならないことが男性候補者より多いと言われています。
この話を最初に聞いたのは、私もお手伝いをしているパリテ・アカデミーの講義で聞きました。

そびえたつ壁の一つに、「女性にリーダーは向かない」という偏見があります。言い換えれば、「政治家は男性が向いている」というものでもあります。
世界を見渡すと、首相や大臣に30代の女性がなっている国もあります。日本にいる女性だけ、リーダーが向かないということはないのですが、政治の話は男性同士の方が話が分かるというような、無自覚な偏った意識はあるかもしれません。

女性議員が増えると何が変わるのでしょうか。数年前から、女性活躍、女性が輝く社会に、と政府が言いだし政策が作られるようになりました。女性活躍推進法も施行され、女性も働きやすい社会にしていこうという取り組みが進められています。
でも、ちょっと考えてみると…
女性活躍推進法という、女性が主人公となる法律も男性議員が決めているのです。これって、女性の意見はどこまで反映されているのかな?と思いませんか。
内閣府の報告によれば、衆議院は
「2021年10月の総選挙では、候補者に占める女性の割合は17.7%、当選者に占める女性の割合は9.7%となり、平成29(2017)年10月執行の総選挙の結果を下回った。」(男女共同参画白書令和4年版

男女共同参画白書令和4年版 第3図 諸外国の国会議員に占める女性の割合の推移

先日、三浦まり上智大学教授をお招きした勉強会で、当事者の声を聞くなら当事者でなくてもいい、という声もあるという話になりました。
女性の声を女性の問題についても理解している男性議員が聞き、それを政策に反映するという事も必要です。しかし、中高生が生理用品の購入ができず悩んでいる話を、70代、80代の男性議員にはやはり話しづらい。そして伝わりにくいですよね。不妊治療の課題、性教育などもそうです。
議員となれば、女性に関係する課題だけでなく、生活全般、建設工事や交通政策など様々な議論をしなければなりません。そこにジェンダーの視点もありながら、男女の議員が真摯に議論をすることがよりよい社会を作ることにつながります。

女性は政治に向かないということはなく、リーダーシップをとって政治に関わっていくこともできます。若い世代が自分たちの課題について声を上げていくだけでなく、将来的に女性リーダーとなることを目指すことも大事です。
女性の政治的エンパワーメントとリーダーシップは、ジェンダー平等の達成に不可欠だとして、国際的な枠組みでも取り組みが進められています。日本では、先日、UNWOMEN日本事務所と、プラン・インターナショナルジャパンの共催で、女性リーダー育成ワークショップが開催されました。

ワークショップの様子

私は、おのみずき世田谷区議と一緒に登壇し、三浦まり上智大学教授が聞き手で選挙の経験や議会が始まってどうかなど、お話させていただきました。
リーダーに必要なことは?という質問がとても難しかったのですが、私は聞く力だと考えています。
生活の不安を解消するために、政策としてどのような取り組みが可能なのか。すでにある行政の支援につなげることが必要なのか。こうしたことは、話をよく聞くことから始まります。いまは、カリスマのある政治家がひっぱっていくという時代でもなく、むしろ行政、政治、地域など、さまざまな人をゆるくネットワークでつなげていくことができる人がいたらいいと思っています。
10代、20代の参加者のみなさんの中には、これから留学する方、自分で団体を立ち上げて活動している方など、すでにリーダーシップあるのでは?という方も。
ペアワークでみなさんが話していたのをメモしたのですが、女性がリーダーになるには、教育、自分で行動できる力、共感力、知ろうとする姿勢、寛容さが必要など、いろんな意見が出ました。

他己紹介で聞き出したこと

実はこれは女性だけでなく、男性にも必要なことではありますが、そうしたことを得ることができる機会は女性の方が少ないのが現状です。
目を輝かせて話をしてくれたみなさんが、一歩踏み出すのを少しでも後押しできれば嬉しいです。
私もたくさんの先輩に支えていただいたと感じています。バトンをつないでいきたいと思います。

(参考)
プラン・インターナショナルでは日本版「ガールズ・リーダーシップ・レポート2023」を発表しています。80ページもあり充実しています。
ジェンダー・ステレオタイプと自尊感情の低さ(P31)は、日本社会では特にあるなと以前から考えています。リーダーシップ育成は社会におけるジェンダー推進の重要な要素になります。


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