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【探究ノート】何が知りたい?何を探究する?「探究テーマ」の決め方

探究学習ノートでは、主に高校生の方々向けに探究学習に取り組む上で大事な考え方やスキルについて、ポイントを紹介していきます。
探究学習に取り組む高校生の方も、それ以外の方も是非参考にしてみて下さい!


「自由に決めろ」が一番難しい

探究学習において立ちはだかる最初の壁。それがテーマ設定ではないでしょうか。探究学習の多くではテーマは予め用意されているわけではなく、学生が自らの関心に基づいて自由に決定していると思います。

例えば探究学習のテーマ設定においてこのような一コマが存在するとしましょう。

先生:「今日はテーマを決めましょう〜。自分の好きなこと、関心のあることから自由に設定してみてください。」
学生:「好きなことといえばゲームか?ただ、ゲームを探求すると言っても広すぎて何から始めればいいかわからない。そもそもゲームなんてテーマにしていいのかな?もう何にすればいいかわからない。自由が一番難しい…」
(※めちゃくちゃ憶測です。実際の先生はもっと丁寧に寄り添われていると思います。)

極端な例になりましたが、お伝えしたかったのはテーマを自由に決めると言ってもある程度の法則がないと難しいということです。

テーマにはどんなものがあるのか、どんな手順で設定すればいいのか。今回の記事ではそういったテーマ設定の手順について、役立つフレームなどご紹介していきます!

テーマ設定の手がかり

面白いテーマ

テーマ設定において一番大事なこと。それは、面白いと思うテーマであることです。自分がおもしろいと思うテーマでないと、探究学習がただの苦行になってしまいます。

ここで言う面白さとは、お笑い番組を見て笑った時に感じるような面白さではなく、そのことを考えるとワクワクするような、熱心に取り組みたくなるような、そんな意味での面白さです。

自分がどんなことにワクワクするのか、熱心に取り組みたくなるのか、日頃の興味やこれまでの体験から考えてみましょう!

このようなサイトからいろんな分野を見てみて、自分が何を面白いと感じるのか探してみるのも一つの手だと思います!

テーマの種類

余談といえば余談なのですが個人的にすごく大事だと思っていることに触れていきます。それはテーマの種類です。

探究学習に取り組む際、2種類のテーマが存在すると考えられます。

課題解決型

課題解決型とは読んで字の如く社会に存在する課題の解決を目的とした活動です。本来社会で理想とされる状態と現実のギャップを解消するための活動を指しています。
例えば、子どもの貧困や食品ロス問題などがこの種類に当てはまるでしょう。

以下の記事は子どもの体験の貧困について触れたものです。イメージを膨らませたい方は是非一度目を通してみてください。

価値創造型

2つ目は価値創造型のテーマです。価値提案型、関心追求型など他にも色んな表現が考えられます。このテーマは社会に対して新しい価値を創造し、提供する活動です。
例えば音楽の美しさ、スポーツの楽しさなどがあるのではないでしょうか。

以下の記事は味噌汁がなぜ美味しいのかについての記事です。この記事によって味噌汁の素晴らしさ、今まで感じていなかった新しい価値を感じる人がいるかもしれないので、以下の記事は価値創造型といえるでしょう。

あくまで余談です

ここでは課題解決型、価値創造型といったテーマの種類に触れましたが、これはあくまで余談です。気にしすぎなくていいです。

というのは、価値創造型のテーマが課題解決型のテーマに当てはまることもあるし、逆もあるからです。価値創造型のテーマである味噌汁の出汁についての探究が、課題解決型テーマの減塩料理の探求にも当てはまるといった具合です。

ただ、探求する際にテーマの種類について意識をすると、探究活動が捗ることがあるのでお伝えさせていただきました!片手間に参考にしてみて下さい!

探究活動ができるテーマ

さて、気になるテーマは見つかりましたか?食品ロス、オーバーツーリズム、大谷翔平の経済効果etc…。面白いと思えるテーマに出会えていたら最高ですね。

気になるテーマが見つかった方にはもう一つステップが残ってます!それは探求活動ができるテーマへと絞り込むことです。

例えば食品ロスというテーマ。このままだとテーマが広すぎて食品ロスの何を探求するのかわかりませんね。
テーマから実際に探求活動がイメージできるレベルまで、もう少しテーマを絞り込む必要があります。

例えば「食品の賞味期限表示が家庭の食品ロスに与える影響」というようなテーマに設定するとどうでしょうか。
食品のパッケージにある賞味期限表示を変更した場合、家庭の食品ロス状況がどのように変化するのか実験をする、というような探求活動ができるのではないでしょうか。

具体的に何を探求するのか、テーマを見ただけでわかるぐらいだと最高ですね!

情報収集

テーマを絞り込む際には情報収集が必要です。ネットで検索する、図書館で本を探してみる、テーマに取り組まれている人に話を聞いてみるなど色んな手段がありますね!
色んな手段を駆使してテーマを絞り込んでみましょう!

ちなみに私はこのサイトがオススメです。
このサイトはCiNii(サイニィ)と言います。国内の論文や書籍が多数掲載されています。先ほどの食品ロスのテーマもこのサイトの論文タイトルを参考に考えました。

論文のタイトルはテーマを絞り込む上で非常に参考になるのでオススメです。
例えば「食品ロス」と入れてみましょう。

1381件の論文や書籍のデータが表示されています。

論文のタイトルは、タイトルを見ただけでどんな研究なのか一目でわかるように考え込まれて設定されています。
こうしたタイトルを見るだけでも非常に参考になると思いますよ!

実際に論文を読んでみたい方はこれらのサイトを参考にしてみてください!


おわりに

いかがだったでしょうか?探求活動のテーマ設定。簡単そうでめちゃくちゃ難しいです。「テーマ設定を制するものは探求活動を制す」と誰かが言っていた気がします。誰が言っていたかは知りませんが、本当に大事な過程であることは間違いありません。

テーマは最初から完璧なものを設定する必要はありません。活動を進める中で変更するのも大いに結構です。臨機応変にテーマを設定していきましょう。
今回の記事を参考にして、めちゃくちゃ面白いテーマを設定してみてください!


執筆:ミトミ
文系大学院生


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