「強い人」にしわ寄せがいかないように。
昔から、何かしら強い人はいます。
ここで言う「強い」というのは、精神的な意味合いのことをさします。
怖いところに飛び込んで行けたり、孤独に打ち勝つことができたり、相手に嫌われるかもしれないことを正直に伝えたり、自分が大変でも人に優しくできたり、今の状況が苦しくても耐えることができる人のことです。
僕は、どっちかというと、「強い人間」の部類に入ると思います。というか、強く生きていかないと立っていられない状況に何度も追い込まれたことがあります。
僕は、中学校の時に、ある生徒たちから嫌がらせ行為を受けていたのですが、その時に僕は周りの友達を自分の味方にしようとしていました。
僕は当然のように「稲本が可哀想だから、助けてあげよう!」と言ってくれると思っていましたが、意外過ぎるほど違う結果になりました。
どんな友達でも、リスクを冒してまで僕を助けようと思ってくれる人は、一人もいませんでした。
ほとんどの人が「関わりたくない」という答えを出し、結局いじめを一人で乗り越えていくしか方法はありませんでした。
その当時は、本当に残酷だと思っていたのですが、これは僕が強い人間だからこそ起きた現象だと思います。
おそらく、自分なんかが助けられると思えなかったのでしょう。
僕も、毎日辛い顔を見せてはいなかったので、どれほど過酷だったかを伝えきれていない部分もあったのかもしれません。
家族の家計がピンチな時も、最も頼られたのは当時高校生の僕でした。
正直、毎日のように働くなんて嫌でしたし、弱音も吐いていましたが、そこから逃げても状況は改善しないと思ったので、来る日も来る日も働き続ける日々を送っていました。兄貴は全く無視して遊んでいましたが(笑)。
僕も無視していれば良かったのかもしれませんが、僕が強い人間であると見越した家族は、僕に真剣にお願いするようになりました。僕も高校生ながら、責任感に駆られていたのかもしれません。
こういう風に、僕が余計に抱えた問題は、多くなっていきました。
他人の問題を一つ一つ処理することが、僕の生活になっていきました。
僕も正直に「怖い!」「面倒くさい!」「逃げたい!」と言えれば、どれほど楽だっただろうかと考えることもあります。
でも、僕が正直な感情を周りに伝えることができなかったのは、強い人にしわ寄せがいくように出来ていると気がついたからです。
イジメだって、家計だって、自分が弱い人ぶった時点で、誰かが処理しないといけない問題になってしまいます。
イジメられたことが原因で僕が不登校になれば、学校や友達が考えないといけない問題になるでしょうし、家計を助けない決意をすれば、母親の悲しい顔を見ながら生きないといけなくなるでしょう。
だとしたら、自分が辛い状況の方が良い。
それが、自分を悪い意味で強くしてしまう原因だと思います。
この危険な方法をとり続けていると、どんどんしわ寄せが集まってきて、最終的には周りの人の持ち込んだ問題を処理し続ける人生になっていきます。
せっかく身に付けた「強さ」は、そんなところで消費してはいけません。
僕の場合は、noteや仕事などの一人でできる活動に強さを持ち込むことで、日々継続することができていますし、生きるエネルギーになっています。
もっと強い人は、僕のような状況に立っても、文句言わず立ち向かうこともできると思います。
ただ、自分の責任のない問題は、わざわざ処理する必要はありません。
責任のある人が責任を取ればいいのです。
いじめで言えば、いじめている本人。家計で言えば両親。
これからは、そのことを責任者にちゃんと伝えて、強い人にしわ寄せがいかないシステムを作れたら良いなと思います。
こうして辛い思いから逃げようとしている時点で、僕はもう強い人間ではなくなったのかもしれませんが(笑)。
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