根本を否定すれば、全ての可能性がゼロになる。
「いや、根本的に、これってさ・・・」
「っていうか、そもそもなんだけど・・・」
こんな感じで、他人の考えたものを全否定してしまう人は、結構多いでしょう。
もちろん、その人がその人なりに考えを持つことは大事なことですが、「根本的に」「そもそも~」という否定には、全てを壊すパワーがあります。
どれだけ準備して、練習しても、「っていうか、そもそもなんだけど・・・こんなことやって意味あるの?」と一言言って、全てのことをやめてしまえば、今までの努力に×0をするようなものです。
「根本から間違えている」と思い込んだ時点で、足は止まりますし、努力は無駄なものに変わっていきます。
なので、「根本的に」「そもそも~」と言う場合には、それなりの勇気と覚悟を持って、なるべく早い段階で言う必要がありますし、否定する代わりに自分が良いものを生み出さないと、話は前に進んでいきません。
思考が止まってしまう時には、この「根本的に」「そもそも~」という言葉を、自分以外のものに使うことが多いです。
ネットの書き込みで言う人もいれば、会社で言う人もいれば、友達同士の会話で言う人もいます。
気づかないうちに何かを全否定していき、そしてそのまま、思考停止になっていきます。そして本人は、自分が思考停止になっていることにも気づいていません。
これでは、自分にとっても他人にとっても、何のメリットもありません。
もう少し考え続けていれば、何か変えられたかもしれないのに、もう少し工夫すれば、すごく良くなったかもしれないのに、その可能性を一気に打ち消してしまいます。
なぜ、ここまで自分以外のものに「根本的に」「そもそも~」を当てはめて論じたがるのか。
それは、自分の根本を見直さなくて済むからです。
自分の基礎基本ができていないことを自覚して、それを直していく作業は、プライドが高ければ高いほど、辛くなっていきます。
そんな時、自分を助けてくれる言葉が、自分以外のものに対する「根本的に」「そもそも~」なのです。
相手が根っから間違っていれば、制度がそもそもおかしければ、自分は変えなくて済みます。
もちろん、本当に根本的におかしい場合や、どうしても貫きたい何かがある場合は、根本をひっくり返しても、他人の意見に合わせなくてもいいと思います。
しかし、自分の根本は、絶対に間違っていないのでしょうか?
他人や世間に、自分の人格や能力が追いついていないだけの可能性も、大いにあるはずです。
否定するだけじゃ、可能性を消すだけじゃ、何も生まれません。
それよりも、「根本的に」「そもそも~」を使うのをやめて、何かを生み出せる人間になった方が、自分も他人も幸せにできるはずです。
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