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「営業」とは?

「営業」という言葉が難しい。JBNには営業部がないのですが、営業的な活動は日常的にやっていると思います。じゃあ営業って何なんだ…と思うと途端に迷子になる。

まず仮説として「営業とは仕事を取ってくることだ」とします。仮説ですよ。で、この10年で何が起きたかというと、「仕事の取り方が変わった」とぼくは思っています。本質は変わらずとも方法論は変わらざるを得ない。

かつてのように買って買って買ってと連呼しても売れる訳じゃないし、御用聞きのように既存客を毎日まわってもそんなに効果的じゃない。いや、高い接触頻度は効果はあるかもですが、インターネットの登場で顧客側が主体的に探せるようになったし、購入のためのプラットフォームもどんどん整うし、レビューやクチコミも探せられるし、何よりこれから地獄の人手不足&転職祭りが始まるのに旧態依然なリソースの使い方はたぶんもうできない。

とすると、言い古された言葉ですが課題解決型営業がベースになりそうです。

  • 顧客の課題を把握する

  • 課題解決のための手段を提示する

  • バリューを理解してもらう

  • 実施する

  • バリューの対価を得る

これ自体だって別に新しいことではないし、優れた営業パーソンは昔からやっていたことですが、インターネットの登場でこの方法論がより求められるようになった。という変化は否めないと思います。

営業ってなんだろう?

…となるとですね、「営業ってなんだろう?」の迷宮にどんどん入っていく訳です。だって「顧客の課題を把握する/手段を提示する/実施する」のはどの局面でも起こり得るからです。それこそ購入後の方が変数的に起こり得る。最近普及してきたカスタマーサクセスなんてその代表例だし。となると「営業」とは営業パーソンのみが請け負う業務でしょうか。ね。分からなくなってきませんか。

HubSpotが提唱するインバウンドマーケティングの肝は「まず価値を提供すること」です。最終的には購入いただくように努めるにしても、まずは顧客の役に立つ。向こうから自社を見つけてもらうための努力をする。仕事が案件化する遥か手前、川上の一滴から営業活動が始まっているとも言えます。昔の言い方でいえば「種まき」です。「営業活動はこの種まきが超々重要なんだ。半年先の仕事は今の種まきが作るんだ」と広告代理店でも地方出版社でもWeb制作会社でもぼくはこの20年散々言われました。今はWebのコンテンツやメール配信、ホワイトペーパー、ウェビナー、SNSなどがこの重要な種まきを担ってくれています。もちろん営業部以外の方が担ってくれるケースが多いです。となると「営業」とは営業パーソンのみが請け負う業務でしょうか。ね。分からなくなってきませんか。

インバウンドマーケティングとは
価値あるコンテンツと顧客それぞれに合わせた体験を創出し、相手を惹きつけるビジネス手法です。望まれないコンテンツでオーディエンスの邪魔をしかねないアウトバウンドマーケティングとは異なり、インバウンドマーケティングでは、オーディエンスにとって望ましい形で信頼関係を構築しながら、オーディエンスが現在抱えている問題を解決できます。

https://www.hubspot.jp/inbound-marketing


営業って何だろう?と悩んだら、ぼくはいつも下記のツイートを思い出します。

「お前が売りたいときに売ってもだめだ、お客さんが買いたいときに売らなければならない。そしてお客さんが買いたくなる環境というものはお前が作れるもんだ」

3年前に出会った言葉ですが、それ以来ずーっと大切にしています。営業活動とか、Webマーケティングとか、インバウンドマーケティングとか、言葉は変われどやるべきことはこれだと思っています。仕事そのものの重要な指針として。


営業とは

長々と書きましたが、要は下記の3点にまとめられると思います。

  • 営業活動とは全てのフェイズに溶け込んでいる

  • バリューを提示しうる全ての接点が営業的意味をもつ

  • 営業とは顧客の満足を醸成するために必要な行為の全てである

別に目新しいことではありません。元々そうだったけれど、以前は見えづらかったし追いかけづらかった。テクノロジーが進化して今はさまざまなポイントで顧客と接点を持てるようになったし顧客の反応を見れるようになった。そういうことだと思います。

長々と書いて何を言いたいかというと、「営業部だから営業をやる/営業部じゃないから営業をやらない」という線引きはもはや成立しないのが今なんだろうな…ということです。ただこれはマインドの話なので押し付ける訳にもいかないし、業務としての区分は重要です。だから全部やれなんて命令はとうてい聞けないし、「お前らみんな営業だ」みたいな乱暴な話でもない。ただ、好むと好まざるとに関わらずこの10年で仕事ってそう変容しましたよね。本来のあるべき姿がより鮮明になったとも言えるし、ウォーターフロー型の組織運営だとリアルな変化に追いつけないとも言える。

…とぐるぐる考えた末に「営業という言葉は捉え方が難しいなあ」と最初のセリフに戻るのでした。難しいですよね。

現時点でぼくが考える「営業とは?」

Q. 営業とは?
A. 自社の製品・サービス・ナレッジで誰かの役に立つこと。また役に立とうとする行為

「営業とは?」という問いにぼくの言葉で説明するならば、現時点ではこんな説明になります。それはマインドであり現象であり結果なんですよね。様々な面を内包して境界が溶けつつ連続しているから説明が難しい。これからも考えていきたいと思います。


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