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読んでもらうために実は大切なスキル「文章のリズム」
あまり語られないけれど、コンテンツを「読んでもらう」ために大事な要素のひとつに文章のリズムがあります。地味だけどとても大切で。
これは体感的な領域のためノウハウ化が難しく、体得するしかありません。つまり、そのスキルを持っている人のアドバンテージは大きい。すぐ真似できないので。
文章のリズムを持っている人が、そうでないテキストを読むとすぐ分かります。リズムがガタガタで気持ち悪いからです。いわゆる悪文や分かりづらい文章がそれに該当します。
スキルを持っていないと悪文の理由が分からない
でも、そのスキルを持っていない人は「リズムが原因だ」と分からないために、どこを直していいか分からないという状況から抜け出せません。「色々細かく書き直すけど一向に改善しない。分かりづらい」というあるあるは、「文章のリズム」という体感的スキルが体の中にないからだと思います。
そして、これは一朝一夕には身につきません。即効性の解決策はできる人に全文書き直してもらうことです。詰まっていた水がサラサラと流れ出すように心地よいテキストに生まれ変わっているはずです。それくらい文章のリズムは「読みやすさ」に大きく関わります。
コンテンツは読んでもらってこそです。「読んでもらえれば内容の良さには自信がある」の姿勢は只の押し付けであまり価値がありません。
「文章のリズム」を体得する
では、どうすれば「文章のリズム」を体得できるのか。これはもう、とにかく量を書いて、とにかく量を読むしかありません。書いて、読む。その繰り返しで基調となるリズムが自分の中に形成されるはずです。「どこを直せばいいか分からない人」は、自分の中に基調となるリズムがないからです。
逆にいえば、「文章のリズム」は沢山読んで沢山書けばある程度は身につくスキルです。文章が上手く書けないと悩んでいる人は「上手く書く」ことが目的化しているから、量を書く前に挫折してしまいます。だからいつまでも解決しません。上手く書くスキルを身につけるには、量を書くしかありません。
最初の目標設定は「とにかく量を書く」
だから、最初の目標設定は「とにかく量を書く」にした方がいいと思っています。
たくさん量を書く
↓
書くスキルが身につく(文章のリズム含む)
↓
上手く書くスキルが身につく
この順番です。元々才能がある人でない限り、近道はありません。
しかも、ぼくたちが必要なのは小説家のスキルではなく、ビジネスの場面で「書く・伝える」ためのスキルです。伝えるためには悪文では困ります。そして、それは「量を書く」である程度身につきます。
書くスキルはロジカルでもありますが、それ以前に体感スキルが必要だと思っています。自転車の乗り方や楽器の演奏に似ています。体で覚えるのが大切で。
だから、書けないと悩むほとんどの人に圧倒的に足りないのは「量」の体験です。
でも、「たくさん量を書く」を努力でやろうとすると挫けます。何かに取り組む際に、挫折体験が一番よくありません。再挑戦する際にまた別の労力が必要になるので。挫折しないためにも、努力ではなく、習慣化が必要です。
努力ではなく、習慣化
習慣化のためには自分に向いている手段の確立が必要です。だから、まずは「日々、文章をアウトプットする」ために、どんな方法ならできそうか?を考えてみるのがお薦めです。
個人的にはTwitterを日々のアウトプットの場として活用しましたし、組織的には社内ユニットの日報noteを始めました。
習慣化の方法論は人それぞれですので、自分に向いている手段をあれこれ探してみることが大切です。Aさんに向いていても、Bさんは別の方法がいいかもしれません。正解はないので、「とにかく試してみる」というマインドが最初はとても重要です。
最初は質を問わないのがコツ
「日々、文章をアウトプットする=習慣化」のコツは質を問わないことです。目的は上手く書くことではありません。継続して書くことです。1年書き続けられたら、自然と質は上がっています。自分なりの文章リズムが形成され、読みやすい文が分かってきます。そういうものです。
前述したように、「文章のリズム」を既に持っている人は大きなアドバンテージなので、どんどん書きましょう。持っていない人は「たくさん読んで、たくさん書く」を始めましょう。心配しなくて大丈夫。身につくスキルです。
詳細は『「書けない人」のメカニズムと「書くため」の解決策』というnoteに以前書きましたので、よかったらご覧ください。
また、前述の「社内ユニットの日報note」はこちらです。ディレクタースタッフ6名が日々日報を書いています。下記の方針で始めました。
目的
・継続的にコンテンツを書く習慣を身につける
約束事
・質は問わない
・量も問わない
・内容も問わない
・外部には公表する
こちらもよかったらご覧ください。
追記:同業のWebディレクター&ライターの山口さん
ここまでTwitterで書いていたら、同業のWebディレクター&ライターの山口さんとの対話が生まれました。興味深い内容でしたのでこちらで再録させていただきます。
これ難しい。声に出して読むという手もあるかなあとは思うけど、長文だとそれも面倒になっちゃうし。
— ヤマグチアツコ@タナカラ/松本経済新聞 (@yamayama123) November 12, 2021
でも、声に出してもどうしてもしっくりこないなあ…っていうコピーもあるので、自分の「リズム感」も良いのかどうか分からなくなることもある。 https://t.co/ukvHI67RP6
わかりますー。ぼくの場合、実際に音読はしないけれど、書いているときは頭の中に声が響いています。その声が心地よくリズムを保てているかを目安にしたりしています。ちょっと音楽に似ていますよね。読み返しているときも頭の中の声が響いている感じです。
— 稲田エイジ|BtoB/Web戦略・Webマーケティング・HubSpot (@inada_h) November 12, 2021
あと、文章の道がきれいに通っているか→
という体感もけっこう大切にしています。道がデコボコしていたり、迂回したり、元に戻ったりしていると、結局リズムがおかしくなるんですよね。
— 稲田エイジ|BtoB/Web戦略・Webマーケティング・HubSpot (@inada_h) November 12, 2021
たしか村上春樹も「書いているときにはボイスがある」というようなことを言っていたなあ…と思い出して、調べてみました。→
出典を見つけられませんでしたが、たぶんこういうことですよね。
— 稲田エイジ|BtoB/Web戦略・Webマーケティング・HubSpot (@inada_h) November 12, 2021
「村上春樹さんも書いていたけれど、作家の条件というのは、自分のヴォイスが見つかるかどうかにかかっている。自分のヴォイスを探しあてたら、あとは無限に書ける。ヴォイスというのは、なんとも他に言いようがないんですけども、→
語法、口調、ピッチ、語彙、語感などが全部含まれていると思うんです。そのヴォイスを見出すと、言葉が流れるように出てくる。ヴォイスが見つからないと、何を語っても、どこかでつっかえてしまう。あるいは、出来合いのストックフレーズを繰り返す以上のことができない。→
— 稲田エイジ|BtoB/Web戦略・Webマーケティング・HubSpot (@inada_h) November 12, 2021
ヴォイスで語ると、たとえばほとんどがストックフレーズでできている文章を書いても、そこにまったく違う、何か活き活きとしたものが感じられる」(内田樹・釈徹宗『現代霊性論』講談社p272)https://t.co/wL3pvJpmk4
— 稲田エイジ|BtoB/Web戦略・Webマーケティング・HubSpot (@inada_h) November 12, 2021
稲田さんの返信の速さになるほど…と思いました。わたしの場合、書きたい内容とリズムを一緒に進行させるのが難しいほうが多く、内容を書き出してからリズムを整えている感じです。歌でも歌詞が先とか曲が先とか、同時とかあるのでそういう違いなんですかね…?(歌はかいたことないけど)
— ヤマグチアツコ@タナカラ/松本経済新聞 (@yamayama123) November 12, 2021
おお…それは難しそうですね…たぶん、ぼくは逆にそれができません。文章とリズムは分け難いことなので。そうかー。意外と難しいのかしら…
— 稲田エイジ|BtoB/Web戦略・Webマーケティング・HubSpot (@inada_h) November 12, 2021
『ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論』はめちゃくちゃ面白かったので、山口さんにはぜひ読んでみてほしいですー。https://t.co/qBCYZk4yeX
そのあたりは読書量の違いなのかもしれないですねー。読めば読むほど、リズムは染み込む感じがします。
— ヤマグチアツコ@タナカラ/松本経済新聞 (@yamayama123) November 12, 2021
わたしは書くこと自体は苦にならないタイプなんですが、それを読みやすく整えるのは別の作業という感じです。
本当ですね。読めば読むほど染み込むものだと思います。そして、体の中に染み込んだ文章のリズムの総量がとても役に立ってくれる体感はすごくあります。
— 稲田エイジ|BtoB/Web戦略・Webマーケティング・HubSpot (@inada_h) November 12, 2021
山口さんはもうバリバリ書ける人なのだから、悩まなくても全然よいではないですかとも思いますー。
まあ自分のことはいいんですが、教える側、チェックする側としては悩ましいところです。量をこなすことが大事と思いつつ、そこにたどり着くまでにも書かなければならないわけで。ご紹介いただいた本がヒントになるかもなーと思っているところです。
— ヤマグチアツコ@タナカラ/松本経済新聞 (@yamayama123) November 12, 2021
おお…「教える側、チェックする側」はより高度な悩みですね。ぼくはお手上げです…
— 稲田エイジ|BtoB/Web戦略・Webマーケティング・HubSpot (@inada_h) November 12, 2021
ぼくはもっと入門編の「まず書きなさい。とにかく書きなさい。質は後からついてくる」の領域をこの一年ずーっと言い続けている気がします。BtoBの顧客にもそれをどう実現するかばかりしていて。→
でも、素直に書き続けてくれる人はやっぱりスキルが身についていくんですよね。書かない人はいつまでも書かないことがよく分かりました。笑
— 稲田エイジ|BtoB/Web戦略・Webマーケティング・HubSpot (@inada_h) November 12, 2021
顧客から提出されたテキストは読みやすいように手直ししていますが、その修正版を手本にしてくれて、1年たつと分かりやすい文章ができてくる人がいる一方、→
いつまでも1年前から変わらない人がいるので(おじさんに多し)、「文章作成はキャラクターなんだなあ」と思うようになりました。
— 稲田エイジ|BtoB/Web戦略・Webマーケティング・HubSpot (@inada_h) November 12, 2021
書かない人の腰を上げる手助けは何とかできるけれど、他者の人格や性格を変えるのはムリ。だから仕方ない。ナムナム。と個人的には思いながらやっています。笑
書くことが苦にならず、うまくなりたいという気持ちを失うことなく、続けてもらうというのが本当に難しいところです。
— ヤマグチアツコ@タナカラ/松本経済新聞 (@yamayama123) November 12, 2021
そういう仕事から離れたはずなのに、結局戻ってきているあたりがまたw
・書くことが苦にならず
— 稲田エイジ|BtoB/Web戦略・Webマーケティング・HubSpot (@inada_h) November 12, 2021
・うまくなりたいという気持ちを失うことなく
・継続できるスキルをもつ#コンテンツプレイヤーの必須3カ条 が爆誕したじゃないですか。素晴らしい。
何だかんだいっても、「書き手になれるかどうか」は結局のところ「その人次第」という。でも、真理なんですよね。本当に。
おお…#コンテンツプレイヤーの必須3カ条 なのですね。
— ヤマグチアツコ@タナカラ/松本経済新聞 (@yamayama123) November 12, 2021
これはずっと教える側(先生)として試行錯誤していたことだったので(書くことの部分を何にでも応用可能)、そういう捉え方をしたことがなかった!なるほど!
>ずっと教える側(先生)として試行錯誤していたこと
— 稲田エイジ|BtoB/Web戦略・Webマーケティング・HubSpot (@inada_h) November 12, 2021
山口さんはえらいなあ…ぼくはそんなこと考えたこともない…と思っていたら、「そっか!もともと教育関係の人だったような」と思い出しました。山口さんはえらい。
わーい褒められた🙌
— ヤマグチアツコ@タナカラ/松本経済新聞 (@yamayama123) November 12, 2021
でもこの #コンテンツプレイヤーの必須3カ条 は自分自身も忘れないようにしたいですね…。
> でもこの #コンテンツプレイヤーの必須3カ条 は自分自身も忘れないようにしたいですね…。
— 稲田エイジ|BtoB/Web戦略・Webマーケティング・HubSpot (@inada_h) November 12, 2021
本当にそうなんですよね。
だから、ぼくは日々の仕事で気づきや発見があったらTwitterにこまめにアウトプットするようにしています。努力じゃなくて、習慣にしておくのが大切なんですよね…(遠い目)
再録は以上です。
山口さんのツイートから、コンテンツプレイヤーの必須3カ条が爆誕しました。素晴らしい。
コンテンツプレイヤーの必須3カ条
・書くことが苦にならず
・うまくなりたいという気持ちを失うことなく
・継続できるスキルをもつ
けっこう、本気で大切なことじゃないかなと思います。
* * * * *
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稲田英資について
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