幻想の戯言

世界大戦を引き起こした世代は愚かだ、と私たちの世代を正当化する愚かさ。まだ100年も経っていない人類の汚点を客観的に見ることなんて許されない、と地球が言うだろう。人類の愚かさは、たった1世紀で消し去ることなんてできない。戦争はあれほど醜いものだと知っているはずなのに、やはり戦争は起こる。世界大戦を経験しても、ベトナム戦争だって、イラク戦争だって、それ以外の戦争だって起きている。性善説か性悪説かなんてどうでもよくて、いつまでも人類は愚かなのだ。こんなこと言ってもいずれ戦争は起こるんだから、どんなに素晴らしい戦争映画も戦争小説も娯楽でしかない。戦争を金儲けとして考える人間が増えるだけなのだから、戦争について考えるのはやめましょう、とも言えない。人類は、戦争の話をやめることができない。それは、教養のためとか、後世のためとか、そういう真っ当な思想ではない。人の噂話をやめることができないように、戦争の話を作り続け、また戦争が起こる。以上の文章は、娯楽の戦争しか知らない若者の戯言でしかない。当事者以外、一生他人事でしかない、果てしない幻想。