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国境の詩

日の出直後、雨雲が青空を異国へ追いやり、絶望の未来を思い描く。太陽の光が、人々の肌に届くことなく、日光の匂いを忘れるほどの情熱に燃えてゆく。熱風の森林にさえ、漆黒の吹雪が舞い降りる頃、身体の内側から輪郭が溶け出して、チョコレートのような甘さで人々を誘惑し、想像なる境界線を固めてゆく。火炎放射でさえ燃えない線は、どんな氷河期でさえ凍らない。空中から火薬を浮遊させ、水中からミサイルを泳がしても、生命だけが死んでゆく。不老不死的禍いは、神の創造で果たされ、祈りみたいな躍動に心を踊らせた。神様の輪郭を永久保存しようと、身体を差し出してゆき、境界線が神話的希望をはみ出してゆく。

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