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「Snow White and the Seven Dwarfs」 「第1話」

↓あらすじ

あ、今日もいる


この病院の僕の席からしか見えないベンチだ。

…いつも僕が休憩する時間にいる。

いつもいるベンチに座っている女性。日傘を差しているので顔は見れないが、清潔そうな綺麗な揺れる黒髪が見える…。



「さぁ!御曹司がいらっしゃたわよ〜!!皆さん、元気よくゴマスリしましょう!」

…毎回ながら飽き飽きする言葉を頂く。僕は家族経営の病院の後取りなので、やはりゴマスリ対象である。

飽き飽きするが、仕方ない。自分が選んだ道だ。父親と同じ様に、お見合いをして、どこぞのお嬢様と結婚して、「正しい」引かれた道を漏れる事なく進んでいくのだろう…。まるで操り人形の様に。不満もないが、満足もしない。
自分がこんなにも物事に淡白だったとは…といつも思ってしまうが、こればかりはしょうがない。幼い頃から物事に関して感情の起伏が皆無に等しい。死ぬ程欲するものもないし、喜怒哀楽というものが全く欠けていた。まぁ大人なのできちんと対人関係においては節度ある感情をだすようにはしているが…執着というものに全く関心を持たない…。

ゴマスリの周りを横目に今日も体を切り刻んでいく日々。

…日差しが強くなり、初夏を感じる季節になりつつある。


そしてまた休憩時にあの日傘の女性がベンチにいる。



…何故か、今日は衝動的に彼女の顔が見たいと思って、いつのまにか階段を降り、僕はあのベンチへむかっていた。


↓第2話


↓第3話

↓「Snow White and the Seven Dwarfs」 「Epilogue 1」

↓「Snow White and the Seven Dwarfs」 「Epilogue 2」

#創作大賞2023
#お仕事小説部門

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