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【iOS16】アプリマーケターが気を付けるべきSKAdNetwork4.0の影響

WWDC22から早一ヶ月。大方のアプリ開発、アプリマーケティングなどに関わる人達が発表されたiOS16の情報を目にしたのではないかと思う。
その中でも、職業柄、特に注視したいのがSKAdNetwork 4.0のリリース。どんなものなのか、ではなく、これがリリースされるにあたり開発者や広告担当、広告代理店が迫られる可能性がある事柄をまとめておく。

そもそもSKAdNetworkとは🤔❔

SKAdNetwork(以下、SKAN)とはiOS14と共にリリースされた、トラッキング(ユーザー行動などを追跡する)ツールのことである。
iOS13まで使用していたIDFA(広告識別ID)が、昨今のプライバシー保護の流れでユーザーが許可した場合のみ取得するようになった。広告配信はIDFAを利用していたため、許可をしなかったユーザーの行動を追えなくなり、効果的な広告配信ができなくなってしまった。
そこで、各社はIDFAから、プライバシー保護をしつつもトラッキングができるSKAdNetworkへと移行していったのである。

考えられる影響

🔨各種ツールの更新

SKAN4.0では、3.0よりも取得できる情報量が増える、Web配信など、詳しいことは省くが、とにかくできることが増えている。
と、なると、当然SKANを利用して広告配信やユーザー行動を計測分析しているAppsflyer・Adjust・firebaseなど各社サードパーティーは新しいSKANに対応したSDKや管理画面を用意するだろう。
IDFAからSKANに移行したときほど……とまでではないだろうが、送信できる情報が増えることから、SKAN4.0のリリース前後でSDKの更新は必要そうである。
現在利用しているツールのリリースノートやブログなどに更新がないか定期的に確認することをオススメする。

👤トラッキング範囲の変更

SKAN4.0では、再三になるが、できることが増えている。ご存知の通り、SKANはiOS14以上から対応をしている。
では、今回のSKAN4.0はどのOSから対応しているのだろうか?
①SKANのバージョンアップなので今まで同様iOS14以上から
②SKAN3.0からの変更点が多過ぎるためiOS16以上から
が、現時点で考えられる。
残念ながらiOS16およびXcode14の開発者向けbeta3でも、SKAN4.0用の新APIやコードの書き方などは見当たらないので判断がつかない。
(beta3まででているが、殆どが1の修正対応なので変更なしとも言い難い)
②の場合であれば、リリース直後ではシェア率の問題から直ぐの導入は憚られる。
これもAppleの動向を見守るしかない。


💻SKAN4.0のリリース時期

前述の通り、トラッキングできる範囲が謎のSKAN4.0。現時点で開発者向けbeta版にすら使い方が載らず、SKANのリリースノートにも4.0の情報は載っていない。
IDFAからSKANへの移行もAppleの発表したスケジュールからは大幅に遅れ、iPhone14の一部機種の製造が遅れている……との噂もあり、iOS16のリリースと同時ではない、と個人的に予想している。


🤯SKAN3.0と4.0の切り替えタイミング

同じSKANではあるものの、変更点の多い4.0。当然リリースと同時にいきなり切り替えろ……というのは考えられにくい。
また、トラッキング範囲で触れた通り、もしもiOS16以降からSKAN4.0が対応していた際は
・iOS14~15はSKAN3.0
・iOS16~はSKAN4.0
・~iOS13はIDFA ※許可が得られた場合
となり、SKAN3.0と4.0が入り混じる事態になる。
……これは流石にAppleもやらないだろう、と思うのだが仕組みが不明な以上可能性としてはありうる。
そして、毎回iOS16対応をしたアプリしか申請できなくなるタイミングがやってくる。同様に、SKAN3.0からSKAN4.0への移行を促されるときがやってくるのではないか、と考えている。
その間、管理画面ではどう見えるのか、SDKは対応してくれるかなど疑問点は挙げるとキリがない。


📈今まで計測できていた数値が計測できなくなる

ぶっちゃけ一番コレが怖い。
というのも、“SKAN4.0でできることが増える”のは特定の条件を満たしている場合のみだからだ。その特定の条件が「Appleが定めた、個人を特定できないほどのプライバシー保護に充分なインストール数を越えている」である。

このインストール数はWWDC22での発表によると3段階存在している。そして、インストール数に応じて得られる情報が増える仕組みとなっている。
これだけ聞くと、インストール数が少なくても計測ができる!インストール数が多いほどより細かいデータが得られる!とメリットだらけのように聞こえるが、肝心なのは受信できる情報。

キャンペーンIDフィールドとポストバックはインストール数が低くとも従来通りのものが取得できる。
が、コンバージョン値はインストール数がAppleの定めた数値を越えた場合のみ、従来通りのものが取得できる。

つまり、インストール数がそこそこある、に分類されてしまったアプリは逆に受信できる情報が少なくなる可能性があるのだ。

メリットがあるのはインストール数が少なくて全く計測ができなかったアプリと、常にランキングトップに入っているような大規模なアプリだ。
だが、どちらでもないアプリは、Appleの定める一定のインストール数によって恩恵を受けられるかどうかが変わってくる。


📊新しい分析方法の確立

一つ前で、受信できる情報が増える or 減る可能性があることに触れた。
当然、そうなれば今までの方法では、データを分析できなくなることだって考えられる。増える分にはまだいい。分からなかったことが分かるようになったのだ。でも、分かっていたことが分からなくなってしまっていたら?
計測ツールの変更で管理画面が変わってしまうことだって充分考えられる。と、なると、最悪データの見方から変更を余儀なくされる。


で、どうすればいいの?🤷‍♀️

考えられる不安要素を出してみたものの、Appleから情報が公開されない限りは全部ただの予想でしかない。同じSKANのバージョンアップだから、IDFAからの移行程でないだろう、というのが所感であるが、それにしては変更点が大きく、WWDC22で触れるほど……というのがどうも引っかかる。
なので、こうして起こりうる事柄や影響を取り纏めている。

今の時点でやれることといえば、Appleや計測ツールの情報をこまめにチェックすることだけだ。Appleとの繋がりがある企業はこっそり情報を聞けるかもしれない。
ここで上げた以上の影響もあるだろうが、何も考えず、いざリリースされた時に慌てるよりも、最悪こんなことが起こりうる……かもしれない。と、心構えしておくと、そこまで大慌てすることもないだろう。願わくば、ここで予想した内容が全て杞憂に終わることを望んでいる。

iOS16のパブリックベータも公開されたことだし、今年後半にリリースというAppleを信じるならぱ、残り5ヶ月間、定期的に情報を集めに行動するのみである。


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