Tabasco

目標とする女性。小公女セーラ、赤毛のアン。

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フムスとベストとベレー帽

戦場カメラマン渡部陽一氏の 講演を聞いた。 背が高く姿勢の良い礼節ある紳士が 登場すると、なんだか感激だった。 壇上にあがると、 ゆっくりと深々とお辞儀をして ご挨拶される。 例の語り口調で、 戦場の様子や国々の文化、生活、 人々について大きな身振りをつけて 話される。 80分ある講演時間は、 まるで数分に感じてしまった。 それもそう、3分の2をうたた寝で 過ごしてしまったのだ。 渡部氏の独特の口調は 眠気を誘う。 要点までの対空時間が長く それでそれで?と着地点が定

    • 転職日記

      新たな職場に変わり、少しずつ動き出した。 まだまだ認められない日々。 それもまた新鮮でよい。 ゼロからでなく、イチからのスタートを切った。 私の先輩は20代後半のぶっ飛んだひとで、 よく喋り、スーパーポジティブな性格の持ち主のようだ。 たくさんの話題に埋もれて、刺激的な日々だ。彼はよく助けてくれるし、道先案内人のように進むべき道からそれないよう、それとなくライトを照らしてくれている感じ。 ともかく、ひと月も経っていないのに、色んなことが手探りで眠れない日々と不安の連続だった

      • 旅録@金沢

        三が日が過ぎるのを待って、子供達の冬休み終盤に、親娘4人の女子旅を計画した。 露天温泉付きの部屋をとり、北陸の冬の味覚を味わう旅。 友人に運転を任せて、北陸道を北へ3時間余り走ると目的地の金沢市に到着する。 北陸の冬は私のふるさと新潟によく似ている。雪が路肩に残り、しっとりとした空気で白い息が浮かぶ。 湿った気候が雪国の望郷を思う。 今はもう私の地元から撤退してしまった懐かしいデパートダイワを通り過ぎる。 お昼時に到着したのは近江町市場。 グルメ番組でも度々登場する海鮮丼をい

        • やめたこと②

          来月で職場を去ることになった。 退職理由としては3つ。 ①キャリアアップの為の引き抜きがあったこと。 ②現職場で2年昇給がなかったこと。③現職場の体制に疑問が積み重なったこと。 次の職場では多くの新しいチャレンジが臨める。 引き抜きの話をもらい、面談に行った帰りには、転職一択だった。 昇給がないのは、今後も正当な評価は期待できない。 決して自惚れではないが、工事にかかるデザイン、設計、チラシ原稿やコンテストにかかるデザイン、コンテンツ発信など、相当にクリエイティブな仕事

        フムスとベストとベレー帽

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          2本

        記事

          やめたこと①

          ある友人が、今年の春から独立することになった。 応援の意味を込めて、彼女の子供達の送迎のお世話をすることになり、10ヶ月ほど頑張った。 週二回、夕方の貴重な時間を30分奪われることになり、けっこうな負担となった。 勤めの帰りに彼女の家へと周り道し、子供達の準備が整うまで待機する…。 買い物など寄り道もできずに行動に制限が生まれる。 積み重なれば、結構な時間的損失になる、というのに早々に気づいたものの、人間関係を優先して言い出せずにいた。 それでいて、お礼と称していただくわずか

          やめたこと①

          旅録@宮古島

          秋深まりつつある10月半ば。 季節を取り戻すように宮古島を旅した。 メンバーは、50代と40代のオンナ度深まる4人組だ。 今回は神戸空港を起点に飛んだ。 2006年に開港した比較的新しい人工島の神戸空港は、コンパクトで使いやすい設計になっている。 旅行期間の天気予報は芳しくない。 雨や曇りの予報で、皆雨具を持ち物に含めていた。期間中は、その実ほとんど晴天で、気温は30℃前後の夏日に、外出に困らなかった。 平日にも関わらず、レジャーに出かける客で飛行機はほぼ満席。 なんて優雅な

          旅録@宮古島

          別れの決断

          私がアマチュアのテニスを始めたのは7年ほど前で、初心者教室で出会った同い年のパートナーとペアを組んだのはまだアマチュアテニス界の右も左も分からない時分だった。 相方も趣味としての活動を楽しんでおり、お互い中学の部活3年間がテニス部だったこともあり、初級での試合に出場すれば、賞状をもらえるくらいの結果を残せた。 ところが、階級が上がり年を追うごとに、悔しい敗戦を経験することになる。 精神力のせいか技術のせいか、または戦略が足りないのか、勝ち上がれずに終わり、次第に試合は重苦し

          別れの決断

          引き算コスメ

          肌の悩みが消えるたったひとつの方法、それは、肌に一切何もつけない事。 医師・宇津木龍一氏の提唱する、 美容法だ。基礎化粧品は一切使用しないのが 原則なのだそう。 化粧水などは、水分を補うようでいて実は乾燥を招いている、乳液も然り。 粉を吹くようならワセリンを米粒大とり、伸ばして保護する。 洗顔は純石鹸をよく泡だて、顔に押し当てるように洗っていく。肌は自己回復を図ろうとして潤い、次第にきれいになっていくという。 お手入れはシンプルが性に合っているとは思うが、ここまで極めると実践

          引き算コスメ

          ルールに従う生き方は成功を生まない

          子どもが体調を崩して寝込んだ。 体温が39度を超えて辛そうだ。 熱は3日続いて、食事はほとんど摂れない。 スポーツドリンクの類いも飲まず、水だけで過ごすことになる。 娘の背中をさすり、快復を信じて待つ。 小柄ながら、抵抗力のある強い子なのだ。 娘を傍らに読んだゲッターズ飯田の本に、秋に体調を崩す人は、生まれつきに強運と書かれていて、心強い。 隔離や自粛、そんなルールやガイドラインなどなんの助けにもならない。 目の前で苦しみたたかう我が子を全力で守る。 ルールは大いに利用させて

          ルールに従う生き方は成功を生まない

          44歳、高知旅

          今年も無事に歳をとった。 毎年恒例の里帰りを今年はやめて、夏休みの大半を家で過ごした。 ステイホームもなかなか忙しく楽しい。 観たい映画や動画はたくさん貯まっているし、読みたい本も数え切れない。 最近ハマっているゲームもとことんしたい。やりたい事に没頭するお盆休みにしよう。 家が大好きではあるけど、旅もまたライフワーク。 44歳の誕生日を高知で過ごす事にした。 坂本龍馬像が見下ろす桂浜の荒波は、ダイナミックで圧倒された。 遊泳禁止のこの浜は警備員が常に見回り、波打ち際に近

          44歳、高知旅

          おやじ呑み

          大切な人と食事にでかけた。 凝り性でミーハーで貧乏性で、食いしん坊な私だから、リサーチに余念はなかった。 料亭、割烹、イタリアンやフレンチ、中華、舞妓付きビアガーデン。 行ってみたい店は山ほどある。 美味しいものが食べたい。 肉よりも野菜がよい。創作よりも素材がよい。 河原町にほど近い路地の小さな小料理店「喜幸」(きいこ)に決める。 青大豆のお豆腐をつきだしに、大好物の京都ビールで乾杯し、てっぱい(ぬた)やら茄子やら目前に並ぶ粋なつまみ。 店内の一角を占拠するイケスから活きの

          おやじ呑み

          プレミアムに萌える

          キャッシュレス化は加速して、財布から現金を出す頻度が大きく減っている今日この頃。 当初はレジに並ぶ度、決済方法を悩んでいたが、近ごろはお店毎に使い分けるすべも心得た。 最近では、食費も消耗品もカード決済にして生活費のほとんどを一本化している。 毎月の請求額は、かなり大きい。 それでも、概ねの支出は変わらないから、予算は組みやすい。 クレジットカードをランクアップさせたら、お買い物がめちゃくちゃ楽しくなった。 カードは煌めくゴールドだ。 プレミアムのポイント還元率や特典をチェッ

          プレミアムに萌える

          フェムテックに萌える

          齢(ヨワイ)44。 壮年と中年のはざまに差し掛かるイイオンナの年齢であるが、もう子供を産む事はないだろう。 それでも、名残惜しい気持ちにさせるのは、女の月のものが規則正しい周期を刻むから…? とはいえ、生理期間が不快でない女子は稀なのではないか。 排卵からきっかり2週間後にやってくる 厄介なお客様の到来日は、憂鬱な1週間の始まり… ドラッグストアの棚には、迷うほどのナプキンが並ぶ。オーガニックコットン。 スポーツタイプ。 可愛いパッケージや香りを選ぶのは楽しいが。 手作りの布

          フェムテックに萌える

          夏のにおい

          夏休みが近づく3連休。いつもと変わらない毎日が過ぎている。 手のひらで流れる物語に息をのんだり涙したり、私の内面は忙しい。 鑑賞したてホヤホヤの映画を記しておこう。 「WAVES」アメリカ・2020年日本公開クールな音楽に乗せた辛辣なストーリーだ。 タイラーは将来有望な18歳の健康な男子で、スポーツも学業も恋人も全てを手中におさめている。 順風満帆の航路であったはずのタイラーの人生は、次第に荒波に飲み込まれていく様に後戻りできない事態へと展開していく。 ふたつの死がある。どち

          夏のにおい

          心を問う

          友人の学習教室をお手伝いして数ヶ月が経った。 幼児から中学生までの子供達と接していると、こちらが沢山学ぶ機会を得る。何度も間違いにぶつかり、こたえを探し、考える。 ひたむきな姿を目の当たりにすると、応援したくなり支えたくなる。 娘の数学テキストを借りて、二次方程式や因数分解に何十年ぶりに向き合ってみた。驚くほど解けない。公式を忘れてしまっているからだ。娘と息子に解き方の指南を受けてようやく問題が解け始めた。まるでパズルのようだ。やり始めると面白く、「数学」をたのしんだ。 友人

          心を問う

          白いリボン

          白いリボン 2時間30分、狂気の映画を観る。 第一次世界大戦直前の北ドイツにある 小さな村が舞台。 慎ましく規律正しく 暮らしているようでいて、 その内面は、 妬み、恨み、嫉みと復讐・憎悪に あふれている。 間違った規律や信念により、 人々が楽しみと自由を奪われた結果、 村に奇怪な事件が次々と起こる。 村の牧師の子育てが最悪だ。 子供にまったく向き合わず、 不当な罰を与えたり、 無責任に責任を負わせたりする。 子供達は命を軽視する、 心の冷たい人間に形成されてゆく。

          白いリボン