白いリボン

白いリボン

2時間30分、狂気の映画を観る。

第一次世界大戦直前の北ドイツにある
小さな村が舞台。

慎ましく規律正しく
暮らしているようでいて、
その内面は、
妬み、恨み、嫉みと復讐・憎悪に
あふれている。
間違った規律や信念により、
人々が楽しみと自由を奪われた結果、
村に奇怪な事件が次々と起こる。

村の牧師の子育てが最悪だ。
子供にまったく向き合わず、
不当な罰を与えたり、
無責任に責任を負わせたりする。
子供達は命を軽視する、
心の冷たい人間に形成されてゆく。

もっとも最悪なのは、
村の医師だ。
村中から尊敬され頼りにされている
はずの人物は、右腕の看護婦を
蔑ろにし、実娘に手を掛ける。

腐った精神の狂気のおとなに
育てられた村の子供達が、
非道で恐ろしい行動を取ったとしても、
当然の報いなのだ。
だから、
あの恐ろしいヒトラーが生まれたのは、
ほんとうに自然の成り行きであり、
まさに因果応報なのだ。

あの村人達が当たり前におこなう、
ありえないしつけに、
何度も嫌悪感を抱いた。
愛のかけらもない、憎らしい人間達。

暗くて陰鬱で、不毛な物語だったが、
大きな衝撃と考察をもたらした映画だった。

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