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遺伝説をぶっ飛ばせ。うつ病人の家族が「うつにならないこともある」理由

「うつ病や双極性障害など、精神疾患には一定の遺伝性がある」

そんな遺伝説に「そうか子々孫々の未来のためにも、結婚とか出産の前にちゃんと死んでおかないとダメだな」と決心を固めていたのですが、私の人生を変えた男は、私がうつ病だと聞くとサラッと言いました。

「あ、だいたい環境と水と食べ物らしいよ。遺伝は関係ないよ」

「……そんな気がしてきた!」


株式会社イメジン、ブランディング担当ライター日野成美です。


前回の記事はこちら💁‍♀️


今日は「なんで自分がうつ病になんかならなきゃいけなかったんだ」という、根っこのところ「原因説」を考えていきます。


特に家族・親族にうつ病人や精神疾患の人がいる方!

日野家の縁戚の1人も「家族の半分以上がうつ病で、自分もいつ発病するのか寝る前とかに考えてハラハラしながら過ごしてる」って前に言っててごめんね!?マジごめんね!?ってなったことがあるんですけど、

精神疾患に遺伝性があるかどうかは、本人だけでなく家族にとってもすごい恐怖だと思います。


今回は、うつ病と診断された人や精神疾患の方と結婚したり、子どもを産んだり育てたりという方の力にもなれるかもしれない記事です。


遺伝ははたしてうつに関係あるのでしょうか?

あったとして、一体どうしろっていうのでしょうか?

「うつ病になりやすい体質」は遺伝するのか

病気になりやすい一定の法則を探ろうとする研究があります。

その中で昔からあるのが「うつ病になりやすい体質というのは遺伝が関係する」説です。


当うつヌケハックでは、この遺伝説をいったん否定する立場に立ちます。

なぜなら、遺伝説はクソほどの役にも立たないからです。


10年くらい前まで、巷のうつ関連本は遺伝説のオンパレード!

日野の血筋も精神疾患になりやすい家系で、六親等(曹祖父母〜ひ孫)で考えたときにざっくりなんと3分の2がなんらかの精神疾患。


「なるほど。うつ病は遺伝するのか。遺伝子残さずサッパリ死のう

と私は固く決意をし、一度なったら治らないものとあきらめ、一生日の当たらないところで生きるか今死ぬかという考えで人生を送っていました。

……おい遺伝説論者マジでどうしてくれるんだ(今さら怒りが湧いてきた)。


だから、のちにパートナーとなる人に持病をカミングアウトした際に、

「ああ、大丈夫よ。水と食べ物と環境がうつの原因だから」

と言われて、


「あ……ほんま?え?

あ、

そうだよね!!!!!」


ってなったのでした。

遺伝説で見落とされている「環境」

「遺伝説、関係ないよ」が一瞬で腹落ちしたのには理由がありました。


①遺伝説は何一つ解決しない・なんの役にも立たない

一番の理由がコレです。

うつ病が遺伝に起因すると仮定して、この仮説は病気のことを何一つ解決していない。

「よし、うつの家系の人間とは子どもを作らない方がいい」

優生論やん!?

というか、昔は精神疾患持ちの家族は親族縁戚お見合いすら断られていた史実を都合よく忘れとるじゃろ!?谷崎潤一郎の「細雪」でもそんなエピソードあったよ!

人類史で精神疾患の家系を絶やそうという試みは、わりと多く行われています。

そうでなくても冷戦時代くらいまでの精神疾患患者は、そもそも人間としてとりあつかわれなかった歴史がある。

原因が遺伝だったら、うつ、とっくに撲滅されてる!!


②「毒親の子どもは毒親」なら、生育環境の連鎖が関与している可能性もあるのでは

他の原因説とは「環境説」と「食べ物説」です。

その中でも環境説は、ストレス過多の環境で脳内物質のバランス崩壊や炎症が発生し、うつ病を誘発するというもの。

……「毒親は連鎖する」とするなら、すごく悪い生育環境が世代間連鎖しているせいで、代々ずっと環境が悪いから数百年単位で家が病んでるのでは?

いま環境を改善すれば子々孫々が救われるのでは?

あ、なんかこっちの方がすごくいい!明るいしリアリティがすっごいある!

ちなみに食べ物説は、身体細胞を構築する「食べるもの」が適切でないせいでうつ病になるという説になりますが、

親の食生活が子どもに影響するとか、そういうこともありそうやん?

そういうことや!!


③遺伝のせいにしない方が人生楽しそう

遺伝はコントロールできません。

遺伝説が真実だったところでせいぜいが「よっしゃ子ども産まないためにきばって不幸にならねば!」と、かつての私のように希死念慮の根っこを固く太くするだけです。

遺伝説を採用しない方が絶対に人生が楽しい。

そして、私は結局人生を楽しみたかった。


で、遺伝説をけっとばして環境説と食べ物説を採用し、環境と食生活をととのえた結果、うつヌケできたのです。



【結論】遺伝説は気にする価値がない。

うつ病ファミリーの中でも「健康マン」でい続ける人もいる事実

そもそも遺伝説論者が首をひねることがあります。

たとえうつ病遺伝家系であっても、全員が病むわけではないという事実です。

日野ファミリーでも「ピンピンしてるぜ!」みたいな健康体の人がたくさんいます。

なぜか?


【answer】
彼らは自分のことを守るスキルがある。
たとえばサボり方がめちゃくちゃ上手い。
なんでも自分でやらなくていいと本能的にわかっている。
人に気持ちよくものごとを頼める度胸がある。

(※ちなみに体感データだと長男長女は発病しやすく、次男次女以降は元気である確率が高いという傾向にあります。私は長女で1番目の子供でっす)


つまりどんな環境でも、一定レベルの自己管理能力と「唯我独尊」的な自信があれば、うつ病にはなりづらいのではないでしょうか。


私が最終的に「うつ病は自己管理能力の向上で回避・回復できる」と結論づけたのは、日野家の健康マンたちの存在にもよります。

彼ら・彼女らはサラブレッドの優秀な血を継ぎ、環境も整っていたにもかかわらず、いまに至るまで深刻な形に病んではいない。



そう、人生は選びとることができる。

遺伝なんかに左右されて、たまるか。


そのことを、一族の健康マンたる彼らは教えてくれました。

それにうつの家系に生まれたから、うつ病になれたから、できることだってたくさんある。


遺伝説は、気にする価値がない。

遺伝説をふっとばし「自分を大切にしないクセ」を私たちの世代で止める

私に「遺伝説って関係ないよ」と言った男はその後、自己管理の方法をメキメキ教えて私の体調をバリバリ良くして、今日も大根おろしそばを作ってくれたのですが、うんそういうことはどうでもいいんですわ。


健康な人にあって、うつ病マンにないもの。

それは「自分を大切にしていい」という概念です。

この感覚、精神疾患の家系でははぐくまれにくい。

健康な人とうつ病マンの分かれ目は、きっと、そこです。

「自分を大切にしていい、という感覚」。


これって、実際にお手本がないとマネできません。

私もうちの人の見よう見まねで、健康な人のコンディション調整を学びました。


遺伝は関係なくても、その環境しか知らない人は過去の環境をコピーします。

代々続く家庭内のうつの連鎖を食い止めるにはどうしたらいいのか?


想像してみてください。

お父さんお母さん、あるいは子どもが病んでいるという家庭。

その家の病人にむかって「自分を大事にしなさい」と家族がいうのはかんたんですが、実に残酷です。

そう口にする本人が体を酷使して心を削って生きていたら「てめーに言われたかねーよ」となるわけです。


一番むずかしく最も有効なのはきっと、余裕ある立場の人がいつもゴキゲンでいること。

「ちょっと眠いから寝るね!元気になって楽しくまた起きる!」
「鉄分ほしいからレバー食べよう!」

自分が先頭きって自分を大切にすることではないでしょうか。


私たちは、道をいつだって明るい方向に選んでいきたい。

本当は人生で苦しい思いなんかしたくない。


うつの連鎖を、止めたかったら、止められます。

「遺伝」なんて無責任な「学説」で、あきらめなくっていいんです。

次回「患者家族も必読!家族がうつだとこっちも病む…ってアレについてガチで語る」
または「いい加減目次を作ったほうがいいと思ったので」

お楽しみに!


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