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苦手な数学の単位を取った話
最近、サードドアという本を読んだ。この本は普通の大学生がいろんな成功者に成功した秘訣をインタビューしていくという本だ。インタビューした成功者たちの話自体も面白いのだが、普通の大学生だった著者が成功者たちにインタビューするまでのプロセスもまた面白い。
それから、いつだってそこにあるのに、
誰も教えてくれないドアがある。
サードドアだ。
*アレックス・バナヤン「サードドア」冒頭より抜粋
なにか新しいことにチャレンジする人はぜひ「サードドア」を読んでほしい。
そしてそんなサードドアを読んでいて思い出したことがある。規模感は全く違うのだが、ぼくの人生の中で今思えば「あれちっちゃなサードドアを開けたな」という出来事を書きたいと思う。
順天堂大学に在籍していた時の話である。ぼくは数学が一番苦手だ。というよりも嫌いと言った方が正しいかもしれない。でも大学のとき、必修科目で数学の単位を取れなければいけなかった。スポーツ科だったから一般的にみても数学の授業レベルはそこまで高くなかったと思う。しかしながらそれすらも無理と感じるほどに苦手だった。先生の言ってる事は全然わからないし、数式を見るだけで目を背けたくなる。
絶対にこのペースの理解度ではテストは受からない。このままでは単位を落としてしまう!
そう思ったぼくは、まず毎回の授業を一番前の席で受けることにした。そしてわからないところが出たらすぐに「先生そこわかりません!」と大きな声で質問した。
本当にわからなかったから質問していたのだが、あまりにも毎回のように質問していたため、最後の方は先生に無視されるようになった。笑
ある時の授業では、ある数式に適当な数字が必要だったため、先生が
「今林くん、なんでもいいので適当な数字を言ってください」
とぼくに振ってきたので、躊躇なく
「じゃあ、2兆で!」
と言うと先生は爆笑しながら
「教員生活で一番大きい数字を言われたよ〜」
と困ったように言い、別の学生に適当な数字を聞いていた。
それ以来ぼくに質問が振られることはなかった。笑
そんなこともありながらテストの時期が近づいてきた。授業の内容に自分としては必死に食らいつきながらも、そんな時期でもこのままでは「テストやばいかも」と思う理解度だった。
そう思ったぼくは毎日のように休み時間を見つけては数学の先生の研究室に行ってマンツーマンで個人授業をしてもらった。
もちろんわからない問題や解き方を教えてもらうために通ったのだが、その裏には先生に可愛がってもらうことで万が一、テストの点が少し足らなかったとしてもおまけで単位をくれるのではないかといういわゆる内申点を稼ぐ打算的な考えもちょっとあった。いや、かなりあった。(先生ごめんなさい)
何度も通っているうちに最終的には先生がお茶やお菓子を出してくれたりした。そういうのは「えーいいんですか!?」と言いながらしっかり食べて飲んだ。出されたせんべいを食べながら「先生、ここが全然わからないっす。」と質問をぶつけまくった。今思えば本当に何様なんだろう。先生ごめんなさい(2回目)
そんな感じでテストの日がきた。内容は覚えてないけど全く手応えがなかったことだけは覚えている。正直、落ちたと思った。あんなにかよったのに。本当に数学が苦手なんだと思うことにした。
それから数日経って、成績表が届いた。ドキドキしながら数学の評価を確認すると
「60点」
単位取得ちょうどの点数で受かっていた。C判定だけど関係ない。飛び跳ねて喜んだ!正直、大学の授業に内申点なんてものがあるのかはわからない。でもいまだにテストで60点以上取れていた気はしないので、あの休み時間のマンツーマン授業が先生の心を動かし「こいつはちょっと足りてないけど受からせとくか」とおまけしてくれたんじゃないかと自分では思っている。
ちなみに「サードドア」の中では
ファーストドア:正面入り口
セカンドドア:VIP専用入り口
とされている。つまりぼくは数学の単位を取るにあたり正攻法で勉強するファーストドアでも、元々数学が得意で余裕で単位取れるみたいなセカンドドアでもなく、先生と関係を築くというサードドアを開けたのだ。
とまあ、自信満々にこんなことを書いているがやってることはあまりにもセコいし、「サードドア」の本の内容と比べるとその延長で語るのもおこがましいほどショボいエピソードである。
でもいずれはぼくもこんなショボいサードドアではなく、本の中で成功者たちが語ったような大きなサードドアを開けたいと思っている。みんなもこんな時代だからこそ思い切っていろんなサードドアを開けていこう!
読んでいただきありがとうございます!