言葉のプロとは

この人の話が聞きたい!面白そう!と思ったら大御所でも恐れ多いとされる人にも割と図々しくそれをそのまま言ってしまう私は、

そういうのが滲み出ているのか、「そんな奇跡みたいなことある?」って言いたくなるような奇跡が起きて、素敵な方に生でお話を伺う機会をいただけることがよくあります。言うまでもなくもちろん健全に。人生の後輩として。

ある時、後輩育成にも力を入れていらっしゃる、かなり人気の番組ばかり手がけておられる、相当グルメな放送作家の先生にお食事に連れて行っていただいた時のこと。

待ち合わせは駅。


「先生、駅につきました。どちらにいらっしゃいますか?」とLINEすると


「そうですか、では右へ向いて、角の階段を降りてください」とお返事。


「かしこまりました、おりました」

するとまた


「ではそこの坂を登って行ってください」

「はい。今登っています。」

すると

「○○の看板がありますよね」

「はい。見えました」

「ここは○○が美味しいお店です。そのまま突き当たりまで歩いてください」


え、、これは、、先生遅れてるってことかな、、、はて、、?と思いながら歩き続ける私。


「突き当たりまできました」

「遠かったでしょう、お疲れ様です。そこに串カツ田中、みえますか?串カツ、好きですか?」



あ、串カツ田中だったんだ!串カツ田中気さくで美味しくてそれはそれで嬉しい!と思い


「はい!大好きです!お店にいらっしゃいますか?」ときくと



「そうですか。それはよかったです。ではまたおいしい串カツも食べにいきましょう。残念ながら今日は串カツ田中ではなく、その串カツ田中の横の道を入ってすぐにある、○○というお店です。」



そこに現れたお店は、予約の取れない超超超話題のお店で、超超超有名なフレンチのお店。


お店に入ると先生が「やあ」と出迎えてくださいました。


なんてこった、、


このお店が味も演出も雰囲気もプレゼンも素晴らしいのは言うまでもないけれど

待ち合わせすら、コンテンツなのだ。


待ち合わせですら、エンターテイメントにしてしまうのだこの人は。


「どこに着くんだろう?」と言うワクワク感。


それを煽り、誘導する巧みな言葉運び。(このやりとりの文章は詳細は忘れてるので私が勝手に大体で書いたけれど串カツ田中のところはほぼ本当。実際もっと面白かった)


放送作家って、、かっこいい。。


言葉でこんなに人を楽しませるって、



イケてる、、



ちょっと、、この人の年齢になった時には私もこの余裕、持ってたい!



ちょっと、、負けたくない、、!



そう思った夜でした。


ちなみにこのフレンチのお店は私のためにとってもらったのではなく、先生がかかわっていらっしゃるお店でもあり、連れて行っていただきました。帰りにお土産までいただいて、シェフともお話させていただいて、ありがたい限りだった。。


そして先生にとってこんな素敵なお食事は特別なことではなく毎日のように、こんなお店でそう言う丁寧に作られた美味しいものを食べていらっしゃる、、、



IINA。

すごく、IINA。












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