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【小説】異能者たちの最終決戦

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特殊な能力を持ってしまった人たちはその能力を見せびらかすこと無く、ひっそりと日常に暮らしていた。彼らは能力に戸惑い、翻弄されながら運命に動かされ世界と対峙する。
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#小説

【#35】異能者たちの最終決戦 四章【予言書】

10 『永井翔太郎は捜査の当てもなく深夜の渋谷をさ迷っていた。歩き疲れ、さらに空腹に耐え…

【#34】異能者たちの最終決戦 四章【焦燥】

9 さなえは恐ろしくなった。ページをめくる度、そこに自分の名があるのではないかと怯えた。…

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【#33】異能者たちの最終決戦 四章【奇妙な符号】

8 さなえは本屋で「アフターダーク」を手に取り、その表紙のグロテスクさに一瞬ためらった。…

さけおにぎり
2週間前
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【#32】異能者たちの最終決戦 四章【原作小説 】

7 春日部玲香は噂好きではあったが、それによって自身の鬱屈した感情を晴らそうという気持ち…

さけおにぎり
3週間前

【#31】異能者たちの最終決戦 四章【噂 】

6 さなえの席の右斜め前に麻里がいた。彼女は去年の夏に芸能界に入り、CMやMVに出演したりし…

さけおにぎり
1か月前

【#30】異能者たちの最終決戦 四章【能力 】

5 今の彼女はサインなんかより、より多くのものを手に入れられる環境にいた。そして今その代…

さけおにぎり
1か月前
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【#29】異能者たちの最終決戦 四章【紙椿さなえ 】

4 さなえは三年で長澤麻里とクラスメイトになって喜んだことを大昔のように感じた。たった半年前のことなのに。 三階の教室から眺める校庭の木々は色を失い始めていた。風が吹くと葉を力なく落とした。窓から届く日の光は柔らかく机に差し込み、ノートにシャーペンの陰を薄く落とす。教師は黒板に英文を書いている。チョークの当たる固い音が聞こえる。さなえはそれをノートに書き写す。 (なんて非現実的なんだろう…) 教師はさなえを当て、日本語訳を答えさせる。さなえは答える。 「多くの点にお

【#28】異能者たちの最終決戦 四章【死体 】

3 女は泣きじゃくりながら、裸の女に土をかけていた。汗だくで白いシャツは肌にぴったりと張…

さけおにぎり
1か月前
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【#27】異能者たちの最終決戦 四章【相馬カオル 】

2 相馬カオルはここ数年目覚ましい活躍を見せる若手俳優の一人だ。身長182センチでバスケで…

さけおにぎり
1か月前
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【#26】異能者たちの最終決戦【四章 アフターダーク 】

四章 アフターダーク 1 深夜のホテルの寝室で相馬カオルは重い頭痛と吐き気の中で目を覚ま…

さけおにぎり
1か月前
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【#25】異能者たちの最終決戦【黒いセダン】

14 青田は長澤家で契約を終え、家を出ると、彼をつけている男に気付いた。その男は自分の存…

さけおにぎり
1か月前

【#24】異能者たちの最終決戦【眠れない夜】

13 同じ夜、紗耶香もまた眠れない夜を過ごしていた。麻里が芸能界入りを決めたことがやはり…

さけおにぎり
1か月前

【#23】異能者たちの最終決戦【主人公】

12 麻里は眠れない夜を過ごしていた。不安と恐怖の波が交互に押し寄せ、自分の決断を何度も…

さけおにぎり
1か月前
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【#22】異能者たちの最終決戦【動き出した後】

11 長澤麻里はスープレックスと契約することになった。青田は保護者の承諾を得るために麻里の家族に会い、丁寧に説明した。もちろん、彼女の盗撮映像の件は話さなかった。麻里の家族は娘の決断を聞き、耳を疑った。これまで散々断ってきたのに、一転急な芸能界入りに驚いた。麻里は嘘をつく事になった。適当な理由を考えて話した。憧れの女優がいて自分もそういう風になりたいとか。今まで自信なかったけど事務所が十分なサポートをしてくれるとか。家族は不思議に思ったが結局は歓迎した。やっぱり彼女のような