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大学で特別講義ー就活3つのススメ

ここ数年、関東のとある大学で年に1度特別講義をしています。受講生は2年生と3年生。就活真っ最中、あるいはこれから就活、という人たちです。

講義の内容は、私の報道時代のキャリアと展覧会プロデュースの経験をもとに、
プロデューサー志向、ディレクター志向(例えて言うなら大将と参謀)や、就活で大切な自身の棚卸しなどをポイントに、ノウハウというよりは何かのヒントになれば、という思いで話してきました。中には、これをきっかけにインターンシップに応募してきてくれた学生さんもいて、嬉しい限りです。

ありがたいことに今年もお話をする機会をいただきました。今回は就活生へのエールもこめて、以下の3点を話そうと思っています。
1.疑うことのススメ 
2.英語のススメ 
3.アート思考のススメ 


1.疑うことのススメ

情報があふれ、真実と虚構の境界があいまいな時代、情報の大海原をどう泳ぐかは誰もが避けられない課題です。AIにリコメンドされる情報、AIが作った情報に偏ったり惑わされたりしていないか。メディアを疑い一次情報を確かめる。私が放送記者になって最初に教わったことです。それは自分で考え、自分で行動する「自分軸」になります。

2.英語のススメ

AI翻訳の進化により、もはや外国語学習は必要ないのではないかという意見も聞かれます。でもそれは大間違い。ビジネスにおける交渉ごとや行間を読む作業はまだまだAIには無理だと言われています。婉曲表現が多い日本語で「前向きに検討します」の意味は多くの場合”No”であることは日本でビジネスをする人にとっては常識でしょう。

また日常生活における英語の必要性は日々実感するところです。日本を訪れる外国人や日本に住んでいる外国人と私たちはどれだけコミュニケーションが取れるでしょう。多様性が求められる社会で、英語はコミュニケーションツール以上に、お互いを認め合い、リスペクトするために必要なスキルなのだということを常に意識していたいものです。
(※英語力が故に私たちが無意識に外国人に与えているマイクロアグレッションについては以下で書いています。

3.アート思考のススメ 

最近よく耳にする“アート思考“という言葉。これまでの「データを頼りに顧客や社会のニーズに合わせた商品を生み出す」“サイエンス思考“では商品もサービスも差別化ができなくなった結果、代わりに「美的感覚を頼りに商品を開発する」のが“アート思考“です。ニューヨークやロンドンのエリートの間では、MBA講座に通うのと同じかそれ以上に、有名な美術館のツアーやセミナーに参加し、美的感覚の源泉となる感性を磨くことが注目されています。もともと欧米では幼い頃から親や学校に連れられて美術館や博物館に親しんでいるというのもありますが、感性を重視する“アート思考“は、ビジネスにおいてますます必要とされているのです。

私自身、ルーヴルなど世界の美術館の要人との食事会で、ホストたる日本側の主な話題は自社の業績など仕事や数字に直接関係することがほとんど、という場面を数多く見てきました。日本でも、これまで敷居が高いと思われ、美術ファンのためだけだったアートが一般化し、誰もが一定のアートの知識を教養として持つことが求められているのだと思います。

最新のデータでは就活生の半数以上が転職を前提に就活に臨むと言われています。(2023年3月1日・日経新聞)それ自体は十分理解します。ただし「新卒」というカードは人生に1度しかない「特権」。経験がなくても志と努力する姿勢があれば認められる、その立場は大事にしてほしいと思います。

就活の準備とこの先自分の人生をより豊かにしていくためにー
1.疑うことで自分の軸を作る
2.英語というコミュニケーション&リスペクトスキルをつける
3.感性を磨いてアート思考を実践する
この3つをオススメしたいと思うのです。


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