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連載(93):人類の夜明|まどろみの中で「自然許諾」

この記事は『かとうはかる(著)「人類の夜明」』を連載しています。

自然許諾

自然はすべての生き物に、自然許諾を認めている。

生きるために本当に必要ならば、相手の命を奪っても構わない、そんな許しまで与えているのである。

したがって人間も、本当に生きるに必要ならば、人の物であっても使うことは許されるのである。

ただし人間は、万物の霊長として相手を思いやり、相手を脅かさない節度が求められている。

したがって、使うにしてもそこにおのずと限界があるだろう。

しかし、その行為が相手の命を脅かさず、対立しなければ、そして節度が守られているならば、人の物であっても使うことは許されるのである。

ところが人間は、明日に憂いを持って生きる悲しい生き物ゆえに、我が身かわいさのあまり手に一杯の物を持っていても他人に分け与えようとしない。

そこに争いの要因があるのである。

法は実に平等である。

もし欲をかかず、余っているものを困っている人に分け与えるなら、“情けは人のためならず!”で、必ず自分も助けられるようになっているのである。

自然許諾とは、そういった意味も含まれているのである。

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