「GERMAM WINE TOUR 2024」ドイツの造り手訪問記vol.1 ~フュルスト醸造所~
ドイツワインとオーストリアワインのインポーターであるヘレンベルガーさん主催の ”ドイツ各地域のワイナリーを訪問し、楽しみながら学ぶ旅 ”「GERMAM WINE TOUR 2024~ドイツワイン最高!!~」に参加してきました!
そこで訪問した一つ目のワイナリー「フュルスト醸造所」の魅力についてご説明します。
フュルスト醸造所とは
フランケン地方の西側、ビュルクシュタット村にあるフュルスト醸造所。
フランケンはジルヴァーナによる辛口白ワインのイメージが強いと思いますが、今や世界のピノ・ノワール好きの間で知らない人はいない⁈というワイナリーです🍷
ワイナリーを案内してくれたのは2018年より正式に当主を交代したセバスチャン。
初めてのドイツのワイナリー訪問で少し緊張していましたが、とても柔らかく笑顔が素敵なセバスチャンの人柄で緊張がほぐれました。
セバスチャンのお父さまであるパウルはフュルストを大きくした立役者。
ドイツワインの品質にVDP(ドイツ・プレディカーツワイン生産者協会の略。高品質ワインの生産者で構成されるドイツ国内の協会のこと。)以上に大きな影響を与えた言われている伝説の人で「ドイツ赤のパイオニア」とも呼ばれています。
フュルスト=赤色砂岩土壌
フュルスト醸造所を語る上で欠かせないのが赤色砂岩土壌。
100年以上前から赤色砂岩とピノは合う!と言われており、古くから建造物の石材として多く使用されています。
バスでフランケンの街中を走っていると実際にチラホラ。
特徴としては水はけが良くて、空気を通しやすく、蓄熱性が見込めること。
そのため、とりわけ冷涼なフランケン地方でも盆地であるという条件も重なり、良質なピノ・ノワールの育成が可能となります。
(フュルストでは、畑の熱をぶどうに与えられるよう、ぶどうの樹を非常に低く仕立てています)
また、この地域は降水量が元々少なく年間600ml程度。
更に温暖化の影響か葡萄の成長期と冬の雨が減ってきているそう☔
しかし、フュルストではいくら乾燥した年でも水を撒くことは一切せずに品質にムラのないワインを生み出しています。
近年は温暖化の影響で霜害が増しており、発芽が約三週間早くなってきているとのこと。
2024年も霜害で収量が半分に・・・
ただその影響で成長がゆっくりになって収穫時期も遅くなり、クラシックな味わいになる可能性が高い。
石灰岩の区画は霜害が少ないため、村ごとに違うニュアンスが出て面白いヴィンテージになりそう!とセバスチャンは語っていました。
氷の聖人
5月11日~15日の期間は“Eisheiligen”(アイスハイリゲン 氷の聖人)といい、霜が降りるほど寒くなるとドイツでは言われています。
なんで「聖人」???
と思いましたが、ヨーロッパの暦では毎日がそれぞれ特定の聖人に捧げられているからだそうです。
この5日間は地球温暖化の影響はなく、変わらず霜害のリスクがあるそう。
実際私がドイツに行ったのもアイスハイリゲンの真っ只中。
たしかにひんやり冷える気候の日が多かった気がします。。。
全房発酵へのこだわり
フュルストのワインは全体を通して涼やかなイメージがあります。
何故か伺うと通常40%~60%、グランクリュは100%全房発酵をしているとのこと。
このスパイスやミントのようなすーっとしたニュアンスが全房由来なのか!と勉強になりました。
※全房発酵とは…葡萄の果皮と種子、果肉、梗を一緒に醸す醸造方法のこと。
余談ですが、お昼はプレッツェルとセバスチャンの奥様が作ってくれたソーセージ。
一つ食べたらまだ食べれるでしょ?と愛の圧をいただきます…
甘いマスタードを付けるのが譲れないポイントだそうです。
ドイツに来て初めて食べたソーセージ!とても美味しかった~!!!
最後に
ドイツのピノ・ノワールのパイオニアであるフュルスト。
著名な専門家からも「ブルゴーニュはビルクシュタットにあり」と非常に高い評価を得ています。
そんなワイナリーですが、やっていることはいたってシンプル。
セバスチャンとパウルのワインに向き合う姿勢が液体にも表れていました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?