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「Who#00003」誕生秘話。30年以上続く文化形成の中で生まれた個性。

私達IMADEYAが日本全国の生産者を訪問した際に、試験的に造られたり、少量だったりの理由で、まだ世の中で販売されていないお酒たちと出会うことがあります。

何とも魅力的で可能性を秘めたこのお酒たちをIMADEYAは「Who」と名付けリリースしました。
Who誕生のきっかけはこちらの記事からご覧いただけます。

2023年2月に発売したWhoシリーズ第2弾(#00002)に続き、第3弾(#00003)の発売が2023年4月下旬に決定しました。

今回の生産者はシャトー酒折ワイナリー。Whoとなったお酒に秘められたストーリーを本記事でご紹介いたします!

■山梨県 シャトー酒折ワイナリー

ワイナリー所在地:山梨県甲府市酒折町1338−203。海外ワインの輸入企業である木下インターナショナル株式会社のグループ会社として、山梨県の甲府市を一望できる風光明媚な酒折(さかおり)の地に1991年に設立したワイナリー。

写真は左から社長の木下康永(きのした やすなが)さん、
醸造責任者の井島正義(いじま まさよし)さん、そして看板犬の「あうん」ちゃん。
輸入業のつながりを活かした海外生産者とのネットワークにより、常にワイン製造技術に関する最新の情報を得て、各国から設備を導入。
ワイナリー単独ではなく、長年の栽培経験を持つ素晴らしいブドウ栽培家との協力関係を築き、日本を代表するブドウ品種の「甲州」、「マスカット・ベーリーA」を中心に、日常を彩る高品質な日本ワインを造っています。

■シャルドネ植樹のきっかけ

日本固有のブドウ品種「甲州」「マスカット・ベーリーA」のワインを醸造しているイメージが強いシャトー酒折ワイナリーですが、実はワイナリー設立の翌年、1992年には「シャルドネ」を植樹し、試験的なワイン造りを始めていました。

植樹のきっかけは、世界的基準の中で日本ワインの個性を表現するためには「シャルドネ」という品種が最も適していると考えたから。

シャルドネのブドウ畑は、酒折駅を降りてすぐの急こう配な坂の途中、ワイナリーの敷地内にあります。
「シャルドネ」は国際品種として、アメリカのシャルドネ、チリのシャルドネ、といったようにその国の個性を表現しやすいブドウ品種だと当時から考えられていました。

■シャルドネと共に歩んで30年以上、試行錯誤の日々

醸造責任者の井島さんが1993年にシャルドネのワイン造りを始めてからは、ひたすら試行錯誤の日々でした。その日々を力強く支えてくれた人物がブドウ栽培家の「池川 仁(いけがわ ひとし)」さんです。

池川 仁さんは、農業法人(株)i-vines代表取締役。カリフォルニアでブドウ栽培を学び、帰国後は独自の栽培理論に基づき、高品質なブドウ栽培を行いながら、栽培コンサルタントや指導農業士として全国で活躍されています。

2006年頃より、池川さんによるサポートが始まり、井島さんと共にとにかく地道に改善を重ねたことでブドウ栽培のレベルが格段に向上。2010年頃には、満足のいくシャルドネのブドウ、ワインができるようになったそうです!

しかし、さっそく次なる壁に直面してしまうことに…。
当時は山梨県産ワインとしては、「甲州(白ワイン)」「マスカット・ベーリーA(赤ワイン)」が世の中で主流。山梨のシャルドネは市場に受け入れられなかったのです。

そこに活路を開いたのは「熟成」による真価の発揮。

売ることができずに熟成庫で眠っていたワインが、時を経たことで、芳醇な果実味の中に心地よいまろやかさが生まれました。市場に山梨のシャルドネの新たな可能性を見出すことに成功します。

樽の香りは、ゆるやかでうっすらと纏うバランスが良いと考え、シャトー酒折ワイナリーのワインは基本的に「旧樽」を使って醸造され、瓶詰め・瓶熟成されます。

■文化形成の途中、見え始めた可能性

それからも酵母の切替など、毎年試行錯誤を続けてきた井島さんは、これまでの歩みをふまえて、改めて山梨 甲府のシャルドネの方向性が見出せてきたように感じると言います。

山梨 甲府のシャルドネの個性は「温かみある表情」にあるのではと語る井島さん。

世界のシャルドネと飲み比べて、昔は負ける気しかしなかったが、最近は勝てる要素が見えるようになってきた。(ストレートに比べるのではなく、その土地で育まれた個性を見る視点が大切。)

山梨 甲府のシャルドネのスタイルは、今はまだ文化形成の途中であり、試行錯誤はこれからもずっと続いていくだろうと話してくださいました。

■そしてWho#00003へ

そんなワインとIMADEYAが出会ったのは、2022年の夏にワイナリーを訪問させていただいたときのこと。

実はIMADEYAはシャトー酒折ワイナリーのシャルドネをIMADEYA限定酒として何度かリリースしています。1代目は2014、2代目は2015、3代目は2017ヴィンテージのシャルドネワイン。

その後継となるワインを決めるためにワイナリーを訪問し、正式な後継(4代目)は2018ヴィンテージに決定したのですが、既存のシリーズとは異なる個性を持っていた2019ヴィンテージのシャルドネにも心惹かれていました

欲張り(笑)な私達IMADEYAは2019ヴィンテージの可能性もお客様に知っていただきたいと考え、Who #00003 としてインディーズ的にリリースさせていただくことに。

好評であれば、本家から枝分かれした別シリーズが生まれるかもしれません。

シャトー酒折ワイナリーがシャルドネと共に歩んできた30年以上の歴史、文化形成の中で、また異なった表情を持つワインをぜひお楽しみください。

https://imadeya.co.jp/products/8170245521573

上記のリンクより、2023年4月17日(月)14:00頃よりIMADEYA ONLINE STOREにて先行販売予定 ※限定240本。

文化形成の過程で生まれた個性のひとつであるWho#00003。ぜひ飲んでいただき、皆様の感想をレビューでお聞かせください。


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