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チーフディレクターと振り返る「Yahoo!トラベル統合プロジェクト」

こんにちは!一休の大島です。

突然ですが、「マーケティング」とは……?

それは、世の中が求めているものを調査し、ニーズを満たす商品やサービスを提供する活動です。ただその内容は多岐に渡り、役割や手法は会社によってさまざま。

では、一休における「マーケティング」とは?

チーフディレクターの土屋美佐子さんとともに、これまで携わったプロジェクトを振り返りながら、一休における「マーケティング」の仕事を探ってみたいと思います。

第1弾は「Yahoo!トラベル統合プロジェクト」です!

◆「Yahoo!トラベル統合プロジェクト」概要

2021年9月、「Yahoo!トラベル」が新しく生まれ変わりました。グループ会社のヤフーが運営してきたYahoo!トラベルという宿泊予約サイトを、一休.comのノウハウを使ってリニューアルするという、これまで経験したことのないビッグプロジェクトでした。

 ▲統合の経緯やサービスの概要はコチラ!

2021年の1月~2月ごろに実働メンバーに概要が共有されて、プロジェクトが本格始動。その中での私の役割は、UI/UXに関するディレクションでした。

◆ミッション

9月までにリニューアルを完了して運営体制を一休側に持ってこようという期日が決まっていたので、そこまでを滞りなく進めるというのが一番のミッションでした。ステークホルダーが多く、その分調整するところも多々ある案件なので「そこを上手くやっておいてね」という感じですね。まぁ、マーケティングはいつもそんな感じです(笑)。

◆Phase1(大枠を決める)

まずは関係役員や開発側の責任者と一緒に、サイトの方針などの大きな枠組みを決めていきます。そして、その実現のために必要なものを洗い出していくのが、最初のお仕事です。

今回のリニューアルは、もともとヤフーが運営していたサイトを改善するというより、土台ごと一休側にお引越しするというイメージです。一部、2017年に一休とヤフートラベルのシステム統合を行っていた部分はありますが、今回はUI/UXも含めて全面的な統合を行うことになるので、土台となるシステムやUI/UXがガラリと変わることになります。そのため、まったく新しくする部分と従来のものを残す部分をどう切り分けるかとか、どのような見た目にするかとか、その方向性を初めに決めていくのです。

◆Phase2(詳細を詰める)

次に、細かな部分を検討していきます。

たとえばUIであれば、ユーザーの支持を得ている一休.comのUIをベースにしようという前提があって、そこから何を変えていくかをデザイナーと話し合います。“一休.comらしさ”として支持されてる部分が、Yahoo!トラベルユーザーにとっては過剰だったり足りていなかったりということがあるので、そこを議論しながら、どういうUIにしていくかを検討しました。

ある程度イメージが決まったところで、もともと一休.comを担当しているマーケターやデザイナーと考え方の擦り合わせをします。彼女たちがこだわって作っている部分を理解した上で、一休.comとYahoo!トラベルとで共通させる部分、共通させない部分を明確にさせていきました。

共通させない部分というのは、具体的な例でいうと、施設の魅力の伝え方ですね。一休.comはもともと綺麗な画像で構成されているので、ビジュアルで訴えることができます。一方でYahoo!トラベルの場合は、一休.comほど掲載画像が充実していないことも多く、ビジュアルだけでは伝え切れない魅力があります。そういった部分は、施設の特徴がわかるようなラベルやアイコンで表現したり、テキストの情報を入れたりして、デザインを変えて訴求しています。

共通させるところ・させないところ(左が一休.com/右がYahoo!トラベル)

検索結果は、どの施設に泊まろうかと検討するページなので、Yahoo!トラベルユーザーに施設ごとの魅力や違いを伝えられるUIは何か……という点を意識してやっていました。

◆Phase3(デモ)

UIが固まってからは開発のフェーズに入り、いったんマーケティングの出番は少なくなります。

開発が終わってくるとデモ環境が出来てくるので、そこからが再びの出番です。デモ環境でサイトを動かしてみて、イメージ通りになっているところ、何か違うなというところを確認していきます。違うなという部分は、エンジニアやデザイナーと相談しながら再検討して、改善を繰り返しながらリリースできる状態にまで持っていく――というところまでがマーケティングの役割です。

◆マインド

期日の決まっているプロジェクトだったので、どこまでやるかという取捨選択をずっとしてきたのですが、“いいものを作る”という点では妥協せずやりたいと思っていました。

一休.comのページをそのまま流用すれば成り立ちはするんですけど、Yahoo!トラベルにはYahoo!トラベルのユーザーや施設の思いがあるので、その方々にとって使いやすいものを作ろうということは、強く意識していたことです。

サイトリニューアルが決まってから、数名のYahoo!トラベルユーザーにインタビューさせていただく機会を設けたのですが、それが良かったと思います。利用シーンや使い方、他社サービスとの使い分けなどを細かく聞かせていただいて、“Yahoo!トラベルのお客さん像”を作り上げていきました。その上で、優れている点や改善点を意識しながらYahoo!トラベルを徹底的に使ってみると、インタビューの内容と相まって理解が深まるんです。

ひとつ例を挙げると、Yahoo!トラベルのユーザーは、場所や目的が決まっていて宿泊先を探す方が多いんですね。一方で一休.comは、「東京から2時間の露天風呂付客室」というふわっとした探し方をする方が多い。その傾向がわかったので、Yahoo!トラベルでは地図から探す検索のUIを充実させていて、現在も改善を続けています。

◆プロジェクト振り返り

Yahoo!トラベル、とっても使いやすいサイトに生まれ変わったので、ぜひ使ってみてください!

長い間サイトをやっていると、ユーザーのために本当はこうしたいんだけど、何かしらのしがらみがあってできない、といったことが起こり得ると思います。今回のプロジェクトは、そういったしがらみを度外視して、ユーザーが使いやすいサイトをイチから作ることができた貴重な経験でした。

他の会社が運営していたサイトを自社に持ってくるというのは、かなり珍しいパターンだったと思います。複雑なことが多くエンジニアが大変だったと思いますが……開発サイドの話もおもしろいですよ。

▲開発サイドのお話はコチラ!

あまり類を見ない一大プロジェクトを、徹底したユーザー目線で推進してきた様子がよくわかりました!チーフディレクターと振り返るプロジェクト、第2弾もお楽しみに。

一休のマーケティングに興味がある方はお気軽にご連絡ください!カジュアル面談も大歓迎です!



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