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「人生は20代で決まる」メグ・ジェイ博士著を読んだ感想

先日、本田健さんの「20代にしておきたい17のこと」を読んだ感想を記載したばかりだが、他の著者のものも読んでみたいと思い、メグ・ジェイさんの本著を読んだ。

↓本田健さんの著書の感想はこちら

それぞれ、日本人が書いた本とアメリカ人が書いた本って感じで、テイストが異なり全く異なる本として楽しめた(本が違うので内容が異なるのは当たり前だけど、同じ20代向け自己啓発本カテゴリという意味で)ただ一つ、日本人でもアメリカ人でも、自分の人生をどう生きたらいいか分からない、今の自分に満足できない、今に絶望しているけど希望も捨てたくない、といった状況や悩みは変わらないんだな〜と気づいた。

それではいつも通り、本の中で特に心に響いた内容を抜粋し、私の感想を下に記載していきます。

アイデンティティ・キャピタルとは、時間をかけて身につけた、自分の価値を高める経験やスキルのことであり、個人的資産のことである。自分自身に長い間、十分な投資をした結果、自分の一部となったもので、学位や仕事、テストの成績、クラブ活動のように履歴書に載せられるものもあれば、話し方、住んでいる地域、問題の処理能力、外見や印象といった個人的なものもある。そして、それはアイデンティティ・クライシス(自己喪失)を乗り越えて手にいれるものである。

「人生は20代で決まる」メグ・ジェイ著

つまりは、20代のうちには何か将来的にでもいいので、自分の価値となるものを形成することに時間をかけることが大切であり、それは仕事だけに留まるものではなく、仕事以外のことであっても自分が意思を持って精力を注いで打ち込んだものであれば何かしらつながるということなのではないかなと思った。本著は、メグ・ジェイさんが実際にセラピーを行ったクライアントとの実際のエピソードを各項目ごとに取り上げ、そこから得られる”20代でやるべきこと”を一般化して述べられているものである。本当はやりたいと思っていることがあるのに、それを選択するのが怖いという理由で選択を先延ばしにし、ラクな選択をすることで30代以降に苦しくなる、だからこそ20代のうちにアイデンティティ・キャピタルを身につけることが必要である。そして、身につけるためにはアイデンティティ・クライシスを乗り越えていく過程が必要ということがとてもわかりやすく述べられており、とても納得した。

ゆるいつながりこそ大事。ものの見方が少々異なる人々とつながることで、人生を改善してくれる。

「人生は20代で決まる」メグ・ジェイ著

本では、例えばFacebookで普段は連絡を取らないような人でも、「そういえば」と思い出し連絡をしてみて、そのつながりが良い仕事に巡り会えることもある、という例をとって記載されていた。普段は自分と似ている人・一緒に居て心地の良い人と過ごしがちだが、そういう人は価値観も似通っており何か人生が変わるようなことは起きにくい。でも、つながりはあるけれどそこまで連絡を取り合うような仲ではない人(=ゆるいつながり)こそ、価値観や環境が自分とは異なる可能性が大きく、自分の人生を改善してくれる可能性もあるということ。最近、「人間関係リセット」のニュースをよく見かける。環境が変わるごとに、LINEの連絡先を削除するなど人間関係をリセットすることで、気持ちをスッキリさせるということがややトレンドになっていそうだが、そうすることで、”ゆるいつながり”がなくなってしまう、つまり自分の人生を好転させるチャンスを失ってしまうのではないかと思う。一度出会った方々はご縁として、巡り合わせの可能性もあると思ってつながっておきたいなと私は思います。

〈べき〉は高い水準に目標を置いているという仮面を被ることもできる。でも、〈べき〉と目標は同じではない。目標は内側から私たちを導いてくれるが、〈べき〉は外からの意見を無力化する。目標は真の夢のように感じられるが、〈べき〉は重苦しい義務のように感じられるだけ。〈べき〉は理想に出会うか失敗するか、完全か不完全かという間違った二者択一を招く。〈べき〉の専制によって、人は自分の一番の興味を押し殺してしまう恐れがある。

「人生は20代で決まる」メグ・ジェイ著

私自身、「〜すべき」という言葉を使いがちだなと思う。だからこそ、確かにそうだなと納得させられた。また、”べき”と置いているタスクは、自分の意思ではなく外部の圧によって設定されたタスクのような感じがして、自分の意思で決めたことを実行する時よりもパワーが減ってしまう気がするし、精神的な負担も大きい気がする。自分を軸にした行動をしていくためにも、”べき”で捉えるのではなく、”自分がやりたいかどうか”で物事を捉えられるようにしていきたい。

脳の二次発達によって脳神経がフル回転するようになった前頭葉で、人は将来のことを考え、仕事や日常生活の予定と計画を立てる。順調にいったりいかなかったりしながらも、20代における脳の発達と仕事、恋愛・結婚は密接に絡み合い、30代以降に、自分がなりたいと思う大人へと導いてくれる。

「人生は20代で決まる」メグ・ジェイ著

最初に書いたアイデンティティ・キャピタルの話とつながりそうだ。20代で何かに打ち込む大切さを、脳科学の観点から記載されている。つまり、脳の構造的にも20代の成長余地が大きいので、20代のうちにさまざまな経験をしながら自分を形成していく必要があるということ。

「しなやかマインドセット」を使う人たちは、人間は変われる、成功できると信じている。失敗は痛手ではあっても、改善と変化の機会を与えてくれるもの。(中略)自信は内から外に出てくるのではなく、外から内へ入ってくる。外の世界でうまく行動した事柄を挙げられれば、心配は減り、自信が強まる。(中略)文字通り、自信は「自分を信じる」という意味。実験心理学でいう自己効力、あるいは効率的になる脳力、望む結果をもたらす能力。どんな言葉を使うにしても、自信は仕事をやり遂げるために自分を信じること。そして自分への信頼は、それまでに何度もその仕事をやり遂げたことから生まれる。

「人生は20代で決まる」メグ・ジェイ著

つまりは、自信は自分の内から作り出すものではなくて、行動して結果を出してだんだんついていくものということだと捉えた。ただ私は、結果がなくてもやり遂げてなくても、「自分はできる」と信じることは必要だとは思う。ただこれは、自己効力感とか自己有用感とはまた別で、自己肯定感に近いものなのかなとは思っており、「自分はできる」と信じることで何かをやり遂げることができ、「自分を信じる」というステージに上がれるのだと思う。「自分はできる」と信じることを、この本では「しなやかマインドセット」と記載されているのかなと思うと、納得度が高い。

大半の20代は、人生の最後の一行を書くことはできない。でも強いられれば、自分が30代で、40代で、あるいは60代でこうありたいと望むこと、あるいは望まないことを見つけられる。そこから逆算して動く。これがさまざまな年代にわたるあなた自身の人生という作品を、ハッピーエンドにする方法。

「人生は20代で決まる」メグ・ジェイ著

20代のうちは「将来」まで考えきれず「今」で精一杯だとは思うけど、人生の最後にどうありたいかを考え逆算して生きることで、人生を豊かにできるという話。私は、元々こういう考え方にはあまり賛同していなくて、「今」を懸命に生きて積み重ねることが、将来もより良く生きることにつながると思っていた。ただ、この本を読んで少し考えも変わった。20代の脳の発達、そして30代以降は衰えていくという話、女性としての妊娠能力のピークは20代で、30代以降徐々に下がっていくという話など、科学的な根拠をもとに記載されてある本著を読むと、「今」を生きるだけでは将来後悔の可能性もあるなと気付かされた。人生何歳からでもやり直せると私は信じたいし、実際そうだというエピソードを幾つも聞いたことはあるけど(代表的なのは、ケンタッキーのカーネルサンダースさんの話とか)多くはやはり、年齢が若い方がチャンスは多く、年を重ねるほど人生の可能性はだんだん固まってくるのだとは思う。だからこそ、修正できる20代のうちに将来を考え、理想に近づけていくことは必要だと気付かされた。


今後も自分を高めることに時間もお金も使っていきたいなと思うと同時に、ライフイベントなど自分以外のことも絡むようなことにも、時間とお金を使えるような人生設計をしていこうと思った。

そして、「自分はできる」と信じて行動し、「自分を信じる」自信の領域に到達しているカッコいい30代になれるよう、残り2年積み重ねていきます!

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