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46歳でセーラー服を着られる理由

◆ 「あの人どうしちゃったの?」現象

人間は、煮しめだと思っている。

若い頃は、ちょうどいい味で、素材の良さが伝わってくる煮物程度の感じで軽めなんだけれど、年をとってくると煮しめられてくる。

ぐつぐつぐつぐつ、誰もが、ものすごく自分になっていく。

自分が濃縮され続けるのだ。

煮込まれるのでも煮詰まるのでもない。

勝手に火をトロトロ入れられて、じわじわ自分も気づかないうちに煮しめられていく感覚。

“老害”

という言葉がある。

うーん、煮しめられた先にはそういう言葉も出てくるだろうなあとも思う。

煮しめられ過ぎたものは、しょっぱいしダシも濃いし臭いも微妙。煮崩れもあるだろう。

例えば。

あんなにキレものだった社長が、なぜあんな発言をするんだ、あんな突飛な行動に出るんだ、あんな素敵だった芸術家があんなおかし言動だなんて、急にどうしたんだ、みたいなことを言われているのを見かけることがある。

もっと身近なところで言うと、あの上司は理不尽なことばっかり言っておかしいとか、人の話を聞かないとか、自分の話ばかりするとか、あの身内は異様に干渉してくるとか、おせっかいがすぎるとか。

「あの人、どうしちゃったの?」

そんな言葉を聞くが、急にどうにかなってしまったわけじゃない。

みんな、加齢によりゆっくり煮しめられ、いよいよ臭いと色がおかしくなってきたところで、まわりに気づかれただけだと思っている。

キレものだった社長は、そのいい部分が煮しめられた結果、キレキレが攻撃性になっただけだし、自由で独創性のあった芸術家は煮しめられた結果、不可解すぎる行動になっただけ、おせっかいな親戚は昔から世話焼きでとてもやさしい人だったはずだ。

みんなそれぞれいいところだった部分も、煮しめられて煮しめられて濃い味になり、人に受け入れられないことが発生するようになっただけ。

そう思っている。

これは、自分に関係ないことではない。

誰もが年をとる。

私は、だいぶ前からすでに自分をもう老害と思って生きている。

よくも悪くも、年々私らしくなっていってしまうことを感じているからだ。

年をとれば「らしさ」なんてそんないいもんではない。

46歳になった私は、若い世代の方々からしたら、もう老害なのだろうなあと、たいした根拠もなく思いながら生きている。

ちなみに、セーラー服を着て平気でいるからおかしいとかそういう部分ではない。

人は、こういう人生の面白いところを先にヤメてしまいがちだが、正直、こんなことは人生において、大したことではないのだ。

「もうとしだからー」とか自意識過剰にはりきってヤメたり、禁じたりすることではない。

世の固定概念に固執しすぎると、人は逆に老いる。

老いは、ステレオタイプな部分ではなくもっと違うところにじわじわ出て、煮しめられていく。

自分が気づかないうちに。

それがいやで、私はずっと対策をしてきた。

年をとっても楽しくありたいし、面白いことも続けたいし、ある程度の社会性は持っていたし、人とも楽しくお話がしたいし、まわりに迷惑をかけたくないし、煮しめられた自分のにおいもできれば嗅ぎたくない。

それを10代の頃から、言語化できないまでも意識していたように思う。

40代後半になってから、前にも増して「若く見える」と言われるのは、当然年をとっているからであって、見た目と年齢のギャップに驚かれているだけなので、本当に若いわけではない。

若く見えると言われるのは嫌ではないし、個人的にはすごく面白いことだと思っていると同時に、浮かれるわけでもなく「ああ、年をとったんだ」と、普通に感じる。

若く見えるのは、体型体調肌管理が圧倒的に好きだからたくさん勉強して実践してきたという部分ももちろんある。

(具体的な美容法はマガジン『なんでそんなに若いの? 美容法教えます』にアリマス)

ただ、一番は、10代の頃からなんとなく持っていたマインドで、それがあったからこそ美容も頑張れているし、さらに、今ははっきり言語化できる対策があるからのように思う。

性別年齢問わず意識するだけでも変わってくることだと思うので、僭越ながら今日はシェアしていきたいと思います。

◆ 進化の瞬間を見逃すな

「私はもう若くないし、調子にのらない」

この気持ちは、10代の頃から持っていた。

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