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世界を創るということ 〜それは作品ではなかった〜

◆ だからどうか生きてくれ

思い出す方たちのことがある。

『少年ハリウッド』というアニメコンテンツ関連のイベントの時、お話ができた方たちのことだ。

「家から出るのが本当に無理なんですけど、これがあると思ったら出られました」

とか

「今日までは生きようと思ってきました」

とか、まっすぐな目に涙をためて、震える手で握手をして下さった方たち。

「〇〇のイベントあるからそこまでは息できる」とか「生きていける」みたいなことをひとつの表現として使うことはわりと誰でもよくある。

でも、その方たちのそれは比喩や大げさな表現じゃなく、本当にそうなんだなという生命の気迫みたいなものがあった。

帰りに一緒に楽しくご飯食べようって誘いたくなるくらい痩せたお体におしゃれをされている方もいたし、うまく笑えなくてごめんなさいと言わんばかりにお顔をたびたび隠して、笑顔を見せようとされる方もいた。

泣いて話せなくて、床に座ってしまう方もいた。

みんな、今日も元気にしているかなあと思う。

でも、私がその人たちに連絡をとることもないし、一緒にごはんに行ったり身の上話をして相談にのったりして、お互いの人生を背負うこともない。

それはきっとお互いなんか違うと思うし。

はじけるような笑顔で手を振ったり、大きな声で声援を下さる方々のことも同じように思い出す。

正直、どっちを多く思い出すとかの差もない。

みんな、ひとつの作品をご縁に出会えた運命の方々だ。

アニメというのは、ひとりでできるものではない。

私は、原作を書き、全体のシリーズの構成をして、脚本を書き、作詞をしただけだ。

文字に関することだけ。

そこから、人の形を創り、靴の紐1本やきれいな夕焼け、街並みや美味しいごはんにいたるまで、あらゆるモノを、世界を、創り出す人たちがいる。

そして、体温のある声を宿す選ばれし方々が現れて、全部があわさると、これまで宇宙のどこにもなかった世界が生まれる。

とんでもないことだ。

さらには……

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