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短編小説の箱庭

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一定のルールがないと逆に上手く息ができなくなってしまいがちの幾兎が、ルールなしで綴った短編を寄せ集めたマガジンです。 淡かったりハッピーだったり黒かったり、いろんなヤツが生息して…
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#正しさ

フェアリーエレファント

どうやら僕の彼女は失踪してしまったらしい。戸崎百美、通称モモ。大学生時代から七年間付き合っていた。「らしい」というのも、突然いなくなったのだ。同棲していた家から中学校へ仕事に出るのを彼女に見送られて、帰ったらいなかった。残っていたのはダイニングテーブルの上の置き手紙と、分厚い冊子。
そのうちの置き手紙にはこうあった。「遠くに行きます。仕事場には辞めるって連絡している。あなたといて、まともじゃない

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