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パワーマネジメントしか知らなかった私が組織変革を実践したワケ【前半】


私たちENERGIZE-GROUPはクライアント様の組織変革のサポートさせて頂いておりますが、当然ながら弊社でも「Work is Awesome!」の実現に向けてここ5年間試行錯誤しながら取り組んできました。

おかげさまで、今ではGPTW主催の日本における「働きがいのある会社」ランキングの小規模部門で4位にランクインするほどの変革を遂げることができました。
しかしこれは、7~8年前は考えられないことで、会社を設立してからの5年間は、むしろ早期退職が当たり前の職場環境でした。

今回は、弊社がどう社内で組織変革を起こしてきたのか、包み隠さずお話しようと思います。
「組織改革の実例が知りたい」
「今後のためにも組織改革の情報取集がしたい」
といった経営者のみなさまに、ご参考になれば幸いです。

起業してまず試してみたコスト改善プロジェクト

2009年、私は何も考えずいきなり起業しました。
昔から「経営者になりたい」という強い意思があった訳でもなければ、「こういうことを実現したい」というビジョンを持っている訳でもない。
ただ、なんとなく経営に興味を持っていて、周りの応援してくれる人たちに背中を押され、独立しました。

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「会社を作ったのはいいけど、これからどうする?何をする?」

目標など何もなくスタートし、パートナーと何をするのかを考える日々。
まず初めに行きついたのが「コストダウン・コスト改善」を提案するコンサルティング事業。
クライアント様が無駄な経費を削減するためのサポートを行うことになりました。当時はリーマンショックの後だったので、コストダウンのニーズが高まっている時代でもありました。

とはいえ、事業をはじめたばかりの頃は、当然ながら知識や実績が0の状態。唯一、分かっているのは「どんなに小さなコストでも、積み重なると年間何千万になり得る」ことだけでした。
何のコストをどう改善するかなど、詳しくわかっていなかったので、クライアントさまから相談を受けたら「できます」ではなく「やります」と約束し、頑張って課題に立ち向かったのです。
分からないからこそ、一生懸命やる。
そのようなマインドセットを大事にしていたからなのか、少しずつ成果が現れ、満足いただけたクライアントさまから新規のクライアントさまを紹介してもらえるようになりました。
ちなみに、今でも、新規で受注するクライアントさまの90%は紹介です。
つなげていただいたクライアントさまのおかげで、弊社は会社全体として伸びることができました。

一方、マネジメントはまったくうまくいきませんでした。というのも、起業してから5年間、ずっと間違ったマネジメントを実践していたのです。

「パワーマネジメント」が正しいと思っていた

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マネジメントスタイルは大きく、「叱るマネジメント」と「褒めるマネジメント」に分類できます。
経営者の誰もが一度は、どちらのマネジメントスタイルが正解なのか悩んだことがあると思います。実を言うと、11年前、起業したばかりの私は叱ることが中心のパワーマネジメントが正義だと思っていました。
そもそも、このマネジメントスタイルしか知りませんでした。

もともと私は、企業のフランチャイズ展開をコンサルティングする会社に新卒として入社し、7年間務めたあとに独立したのですが、その会社のマネジメントスタイルがまさに「パワーマネジメント」を実践していました。

働き方改革が推進されている今の時代、「それは絶対にダメでしょ」と言うことばかりのマネジメントでしたが(笑)、能力のなかった私は朝から晩まで(正確には朝から翌朝まで)仕事をする毎日でした。

このマネジメントスタイルに、まったく違和感がなかった訳ではありません。しかし、これは私が唯一知っているマネジメントであり、自分自身はこのスタイルで成長できたと言う自負がありました。

結果、自分が経営者になったときにも、馴染みのあるマネジメントスタイルを実践しました。メンバーを褒める、賞賛する、励ますといったことはほとんどなく、成果が出なければ叱ってばかりでした。
「結果が出ない人は必要ない」と断言し、早期に結果を求める。
しかし、結果を出すためのサポート・育成などは一切なし。
当然ながら多くのメンバーが辞めていってしまいましたが、当時の私は「マネジメントなんてそんなもんだ」「俺は悪くない。悪いのは彼らだ」と思っていました。
当時一緒に働いて頂いたメンバーの皆様、本当にごめんなさい。振り返ると最低の経営者です。

経営をスタートしてから最初の5年間はこんなマネジメントスタイルでしたので、沢山の問題が起きました。
メンバーの離職、創業メンバーの独立、会社に蔓延するネガティブな雰囲気。挙げ始めたらキリがありません。全て経営者である私自身の問題なのですが、私が「自分が間違えている」と確信したのは売上10億円の壁にぶち当たった事でした。
当時の私たちは、経営チーム=TOPプレイヤーで売上の80%の成果を創っていました。メンバーの入れ替わりが多く、ある程度仕事が出来るようになると卒業していく事もあり、現場を離れられず本来の仕事である経営業務に時間を割けない。そして、経営メンバーが現場にいて、直接パワーマネジメントすることによりメンバーは萎縮してしまい、本来の力を発揮する事ができない。そんな状態を繰り返していました。

このままでは、会社として次のステージに行く事はできない。その焦りが一番のきっかけになりました。

だからこそ私たちは、組織変革を決心しました。働いてくれているすべてのメンバー一人ひとりが強みを活かし、弱みを補完し合える。メンバー全員が主役になれる。経営メンバーは経営業務にフォーカスし、現場はメンバーを心から信頼して任せられる環境を作ることが、最終的に売上アップにつながると思ったのです。そのためには、今までやってきた「パワーマネジメント」を変えることが必要不可欠でした。

組織改革の第一ステップは「新卒採用」だった

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とは言え、いきなり自分たちを変革することは難しいもの。そこで、新たな取り組みを試みました。それは、新卒採用です。
※新卒採用に関して以前に記事を書いたので併せてお読み頂けますと幸いです。

「私たちは変わっていくんだ」とメッセージを出す事も重要ですが、実際に変わっていく「前進感」はもっと大切です。
新卒採用を通し、会社の方向性や経営方針をあらためて考えなおし、来年入ってくる新卒のためにも、今までやりたかったけど後回しにしていたこと(例えば育成の制度設計など)を優先的に取り組むことにしました。
これが、私達の組織変革の第一ステップでした。

はじめて採用した新卒メンバーが数ヵ月で退職するなど、さまざまな困難がありましたし、新卒採用を続けてからも様々な問題が起きました。しかし、徐々にではあるものの新しい社内文化が定着してくると、会社の進化が目に見えるようになりました。

もちろん、マネジメントスタイルも「叱るマネジメント」から「褒めるマネジメント」に変え、今まで自分のやってきたことが間違いであることに気づきました。一方的に否定するのではなく、承認したり励ましたりすることで、エネルギーを発揮していると感じます。
新卒入社のメンバーも先頭に立って会社を引っ張ってくれたり、得意領域で先輩よりも活躍したり、想像以上の活躍をしてくれるメンバーが沢山出てきてくれました。

この経験を通し、「働くことが最高になればいいよね」という想いが私たちの中に生まれ、改めて会社の存在意義を全メンバーでディスカッションしました。全メンバーで何度も議論を重ね、そして私たちの「Work is Awesome!」と言うビジョンが生ました。

組織変革とは終わりのない旅のようなもの

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会社を設立したばかりの頃と比べると、弊社はだいぶ進化しました。しかし、だからと言って現状で満足している訳ではありません。今は今のベストな状態。常に、さらなる成長を目指すことが大切だと思っています。

組織変革に終わりはありません。時代が変われば戦略も変わり、戦略が変われば組織も変わります。「これが最適な組織だ」というものは、存在しません。クライアントさまにも、「組織変革は旅みたいなものである」とお伝えしています。

VUCAの時代、想像もしていなかった事が起こる時代だからこそ、マイクロマネジメントといった管理の時代は、もう終りです。
弊社としては今後、時代の変化に負けないセルフマネジメントができる人材で成り立つ組織作りに挑戦したいと思っています。同時に、そのような人材が育成できるメンバーを増やすことがゴールです。

今回は、自社の組織変革の経緯についてお話させていただきましたが、いかがでしたか?次回は、弊社が実践しているメソッドなど紹介するので、気になる方は引き続き目を通していただけますと幸いです。

ENERGIZEからのお知らせ

ENERGIZE-GROUPでは「Work is Awesome!」というビジョンを掲げており、組織の「生産性」と「働きがい」を高い次元で両立させることが私たちのミッションです。
コスト削減、売上向上、新規事業開発、人材育成、人材採用、組織開発などあらゆる経営課題に対してオーダーメイドでコンサルティングを提供しております。


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