なかほら牧場写真2

「かわいい子には旅をさせよ」

任地261日目。木曜日。

ひたすら暑い。この町の人も本当に暑がっています。生まれてこの方この町なのに慣れることなく暑い暑い言うのがちょっと不思議ではあったのですが、(慣れれるものでもないのかもしれないけれど)

この町、盆地なんですよね。ありがたいことに朝晩は風が通って涼しい日もあります。日中の11時から15時くらいが本当にやばくて笑、ぐーーん!!って気温が上がります。

だから彼らが慣れないのってそれもあるのかなーなんて。涼しい任地は好きです。

今日も1日オフィス。授業の計画がようやくできました。また、家族がペルーまでくることになり、そのため配属先から休暇の許可証をもらいました。

うれしいなーーー日本から母親と弟が来ます。わくわくする。

母親は私が来る前からペルーに来ることを決めていたみたいですが、伯父もくるといいつつ忙しくてこれず。弟は来るだの来ないだのはっきりしなかったのですが来るらしいです。笑

親戚からは、16歳の弟にそんなお金をかけて海外旅行をさせるなんてもったいない!という意見があがったらしいのですが、私は16歳は海外でいろんなものを見るのにとてもいい時期だと思います。

というのも、私も13歳の時に家族旅行でフィリピンのセブ島に行くことになり、バカンスを楽しむつもりで海外というものもよくわかっていないまま飛行機に乗りました。(当時フィリピンは、東京から沖縄に行くのと同じくらいの金額で行けたようです。今も?)

途中に通った首都マニラでストリートチルドレンと呼ばれる道で物乞いをする子供たちにあったことで国際協力に興味をもち、私は今こうして青年海外協力隊として来ています。

母親はバカンスを楽しむつもりで、まさか娘がその旅で「貧困とは」「平等とは」「貧富の差とは」「経済格差とは」という大きな社会問題に興味をもつとはつゆしらず、

一方私は自分が見た光景がずっと忘れられずとっくに興味をもって、そのフィリピンの旅を感謝しました。きっと母や父は複雑だったと思います。彼らが見せたいもの、楽しませたいものを見たわけではなかったので。

それが「国際協力をするにあたっての原体験」と言われるものなのかもしれません。


日本は島国で、多様性について寛容的に見えつつ、一方でとても排他的に感じます。閉鎖的な考えをしている人も少なくはない。

でも世界はつながっていて、日本だけでは成り立たない。いろんな国に頼って私たちは生きている。

だからこそ、世界を知る必要があるし、世の中を知る必要がある。自分が生きていることの責任を認識するために。物事に感謝をしリスペクトを持ち続けるために。

島国日本に暮らしているとついついわからなくなってくる。常識って何なのか、幸せって何なのか、当たり前ってなんなのか、自分はどういう生き方がしたいのか。

日本人だからって日本人らしくなんて生きる必要ない。自分が生きたい生き方をすればいい。それが日本にないなら、別に日本の外に探せばいいと思う。

完全にエゴだけれど、私の弟にはいろんな世界を見てほしいと思う。彼が嫌なら別にいいけれどただ知らずに過ごしているだけならたまに連れて行ってあげたい。こういう世界もあるよって。お節介かもしれないけれどね。

その世界に触れたとき、どう考えるかは彼次第。正解なんてないし。

でも私にとっては13歳のフィリピンでの経験が、こうやって青年海外協力隊として海外に来ることになった原体験になっただけじゃなくて、世の中のいろんなことに興味をもつきっかけになった。

自分が生きている世界がいかにちっぽけで、自分がいかに世間知らずで、いかに恵まれている世界だったのか、を知った。

彼にとってペルーで見るものが「ふーん」で終わればそれはそれでいいし、何かに興味を持てばそれはそれでいい。

ただ姉としては、どこに落ちているかわからない可能性や彼自身のポテンシャルを刺激するような何かをたまに見せてあげたい。エゴかもしれないけれどね。

ペルーに観光に来る人は、リマとクスコと、行ってナスカくらいだと思う。別にそれでいいと思うけれど、それでペルーのすべてを理解したと思ってほしくない。じゃあどこ周ればいいかと言われると、口を閉ざします。私も全然まだまだ理解なんてできていません。笑

まあでもできるなら弟には主要観光地もだけれど私任地も見て行ってもらいたいなと思う。(母が任地訪問は絶対だというので来ることになるのだけれど)

大都市リマと、そこから経済格差の大きい私の任地、そして世界中から観光客が訪れるクスコ。大きく分けてこの3か所をアテンドすることにします。

「かわいい子には旅をさせよ。」

各所各所で16歳の弟がどんな反応をするのか、楽しみです。

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