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映画館の思い出

今日はいつもより少し早く起きたので、
とっておきの話をしようと思います。

noteでは、初告白ですが、
じつは私の妻は私よりも、
年上でして、13歳離れているんです。

現在の私の年齢は38歳、
妻が51歳です。

私が彼女と出会ったのは、
今から17年前、
私が21歳、妻が34歳の時でした。
(二人とも若かったなぁ^^;)

当時の私は最初に就職した会社を辞め、
上京し、お笑い芸人を目指すも、
ホームシックに勝てず、
わずか1か月で地元に、
とんぼ返りした時代でした。

何をするあてもなく、
私が選んだのは、
アルバイトをやりながら、
車の免許を取得することだったのです。

その職場で知り合ったのが、
妻でした。

はじめはもちろん、
年上の大人の女性という感じで、
恋愛感情も持っていなかったのですが、
いろいろ話しているうちに、
好きになってしまったのです。

当時の私は、女性と交際した経験もなく、
そういったことも大きな悩みでした。

もしも、普通に彼女がいたら、
仕事も辞めていなかったかもしれません。

仕事もうまくいかない、
彼女もできない、
ないないづくしだったからこそ、
会社を飛び出して、
挑戦してやろうと思っていたのに、
またも挫折してダメになってしまったのです。

しかし、彼女と知り合えたことが、
私を救ってくれました。

はじめてのデートが映画館でした。

共通の趣味が映画鑑賞だったので、
自然に誘うことができたんですよね。

でも、最初は振られ、
何度かデートを重ねるうちに、
付き合ってもらうことができました。

あとから聞くと、
やっぱり年齢の差を気にしていたようです。

私としては、
結婚を前提にお付き合いしたい、
ということをはじめから言っていました。

そして、この選択は今でも、
間違っていなかったと思います。

彼女がいなかったら、
今でも私は再就職することもなく、
どこかをプラプラしていたことでしょう。

仲の良さは昔から変わりなく、
今でもケンカすることは、
ほとんどありません。

こんなに歳の差があると、
ジェネレーションギャップがあるのでは、
と思われるかもしれませんが、
不思議なことに、
そんなことを感じたことは一度もありません。

というのも、私は歳の割には、
古いものをよく知っていて、
レトロなものが好きだったりします。

妻の両親は、当然、私の両親よりも年上で、
私の祖父母に近い年齢ですが、
妻よりも私との方が話が弾むんです。

私が昔のことを
よく知っているからなのでしょう。

一方の妻は、歳の割には、
新しいもの好きで、
私よりも気持ちが若いんですよね。

だから、お互いが歳の割には、
逆の志向を持っていて、
バランスがとれているのだと思います。

妻とは今でも映画館に映画を観に行きます。

最近は、お互いの観たい映画が
合わない時には、
映画館まで一緒に行って、
お互いに別々の映画を観る、
なんていう離れわざも編み出しました

その映画がおもしろければ、
後日、レンタルや配信になった時に、
家で今度は二人で同じ映画を観ます。

私が一人で観た映画であっても、
妻が一人で観た映画であっても、
二人でもう一度観直すと、
二人の観る視点が異なるので、
観終わったあとの会話も弾み、
新たな発見があることもありますね。

若い頃から、二人でよく映画館に行きました。

その中でも、一番印象に残っているのは、
トム・ハンクス主演の『ターミナル』
という映画を観に行った時のことです。

この映画を観た時、
私たちの前の席に、
20〜30代くらいの白人男性が
二人で座っていたのです。

私たち二人は、
外人に強い憧れがあって、
前の席に外人の男性が座ってるのが、
気になっていました。

たぶん、いつものように、
映画がはじまる前に、
二人で「かっこいいね」とか、
ひそひそ話していたことでしょう。

そして、いざ本編がはじまると、
私たちの前の席にいる
二人の白人男性は、
とにかくよく笑いました。

大きな声をあげて、
二人とも爆笑するので、
なんだか私たちは、
映画のことよりも、
前の席の笑い声に笑ってしまうのでした。

何がそんなにおかしいのか、
正直、私たちにはわかりませんでした。

でも、注意深く見ていると、
どうやら白人男性の二人は、
セリフとかよりも、
トム・ハンクスの表情がツボにハマり、
笑っているようでした。

きっと、トム・ハンクスは、
こっちで言ったら、
志村けんのような存在なのかもしれません^^;

日本人は割と映画館ではおとなしく、
滅多なことでは、
声を出して笑う感じではありませんよね。

そんな光景が、
外国の方からすると、
「日本人は映画をあんなに静かに観ていて、
本当におもしろいのか?」
ということになるようです。

あの日の体験は、
私たちにとってはカルチャーショックで、
今でも思い出して、
あの日に見た白人男性の話をすることがあります。

映画の内容はほとんど忘れているのに、
あの高らかに響く、
楽しそうな笑い声は忘れられません。

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