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好きなストーリー『ネバーランド』

一番好きな小説は、恩田陸の
『ネバーランド』(‘00)です。

『ネバーランド』は、
4人の男子高校生の冬休みの物語で、
クリスマスイブからはじまる、
1週間の話になっています。

4人は、同じ地方の高校に通う、
高校生で冬休みの間、
高校の宿舎で4人だけの時間を
過ごすのです。

この4人の距離感というのが、
微妙な感じで、
仲が悪いわけではないですが、
それほどベタベタする感じでもないのです。

そして、彼らがやる
「告白ゲーム」が発端となり、
ミステリーの様相も呈していきます。

4人とも、人には言えない
秘密を抱えており、
その告白が緊張感を漂わせるんですよね。

私がこの小説が好きなのは、
自分の高校時代を
思い出すからだと思います。

高校生って、
子どもというには大きすぎるし、
まだ大人とも言えない、
微妙な時期ですよね。

この小説には、
その感覚がうまく表現されている
気がするんです。

宿舎に残されたのが、
4人だけというのも、
外せないところですね。

4人は、それぞれ、
個性の異なるキャラクターですが、
他の生徒が実家に帰り、
たった4人になることによって、
普段は見られなかった
表情を見せたりします。

そうして、4人は急速に、
親密な仲になっていくんですよね。

4人の告白には、
かなり暗い過去も出てきたりします。

しかし、この作品自体に
暗いイメージはありません。

爽やかな結末なので、
作品全体が明るいイメージなんです。

だから、私は何度も
この小説を読んでしまいます。

読むたびに、
高校時代の楽しい思い出が
よみがえります。

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