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映画レビュー『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(2023)あの頃に感じたマリオのワクワク感が帰ってきた!

任天堂とイルミネーションの
強力タッグ!

4月5日から
アメリカをはじめとする
世界各国で公開され、

すでに興行収入は
8億7183万ドル(約1168億円)
を超えた

(アニメ映画の
 オープニング成績では、
 歴代最高記録)

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・
ムービー』が4月28日に
日本でも公開となりました。

ゲームの『スーパーマリオ』
シリーズを原作とする本作は、

『怪盗グルー』シリーズ、
『SING/シング』シリーズで
有名なイルミネーションが
手掛けています。

『マリオ』シリーズは、
日本のみならず、
世界でも大人気のコンテンツで

以前から任天堂には、
アニメ映画化のオファーが
よくきていたそうです。

しかし、’90年代にアメリカで
実写映画化した際に、
(『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』)

作品としても、
興行収入的にも大失敗したために、
慎重になっていました。

そんな任天堂が映画化を
了承するきっかけとなったのが、
『スーパー・ニンテンドー・
ワールド』です。

『スーパー・ニンテンドー・
ワールド』は、ユニバーサルの
テーマパークのアトラクションで、

2021年3月に、
ユニバーサルスタジオ・ジャパンで
初オープンとなりました。

今年の2月には
ユニバーサルスタジオ・ハリウッド
でもオープンし、

今後もアメリカのオーランド、
シンガポールでも
オープンする予定です。

マリオの生みの親である
宮本茂氏は、

本作の製作を手掛けた
クリス・メレンダリの
創作過程が宮本氏のそれと
似ていると共感し、

クリス、宮本茂の二人が
「製作」として肩を
並べることになりました。

制作においては、
イルミネーションが任天堂と
対話しながら作ったようです。

任天堂もそんなイルミネーションに
敬意を払い、
映画的な部分はおまかせで、

あくまでも任天堂のスタッフは、
観客目線でアイディアを出し、
ゲームに関する情報提供を
積極的に行ないました。

このように、
お互いをリスペクトし合う
クリエーター同士の姿勢が

本作の魅力を引き出す
結果になったのは、
間違いないでしょうね。

少年時代に感じた
マリオのワクワク感がよみがえる

'82年生まれの私にとって
『マリオ』シリーズは、
ゲームのスタンダードで、

一緒に育ってきたような
感覚もあります。

とはいえ、ずっと
『マリオ』シリーズに
夢中だったかと問われれば、
微妙なところがあります。

せいぜい、私がマリオに
ワクワクしていたのは、
小学生くらいまでです。

ファミコンの
『マリオ』シリーズは、
私のゲーム体験の原点に
あたるものですし、

スーパーファミコンで
はじめて発売された
『スーパーマリオワールド』の
世界の広さに胸を躍らせました。

しかし、その後の
ニンテンドウ64、ゲームキューブ
といったハードは持っておらず、

久しくマリオで遊ぶことは
なかったんですよね。

私がマリオ(=任天堂ハード)に
回帰したのは、
’04年に発売された
ニンテンドーDSからです。

その後、Wii、3DS を経て、
(WiiUは持ってないが)
現在のスイッチに
繋がっていきます。

やはり、任天堂のハード
といえば、『マリオ』は
外せないんですね。

そんな私から観て、
本作は久々にマリオに
ワクワクさせられた作品です。

少年時代にワクワクさせられた
あのマリオが帰ってきた感覚が
本作にはありました。

なんせ、手掛けたのは、
イルミネーションですから、

映像や音楽の素晴らしさ、
スムーズなストーリー展開は
折り紙付きです。

抜群の臨場感、秀逸な音楽の数々

CG に関しては、
もう申し分ないほどの
出来栄えで、

水や草木の表現、
人物の肌、
クッパの爬虫類的な
表皮にいたるまで、

緻密な表現が徹底されています。

もっとも魅力を感じたのは、
キャラクターが走ったり、
飛んだりするシーンの
臨場感ですね。

画面構成が『マリオ』を
活かしたものになっていて、

昔ながらの横スクロールの
画面を再現したり、

そうかと思えば、
斜め上から捉えた構図になったり、
とにかく、画面がよく動きます。

「ゲーム」という特性を
活かした画面の構成に
なっているんですよね。

これは自分で操作する
ゲームの臨場感と
ものすごく似た感覚がしました。

また、イルミネーション作品は、
毎回、音楽の演出も凝っていて、
その辺のバランスは
本作もよくできていました。

『マリオ』シリーズを
一度でもプレイしたことが
ある方ならば、

あの印象的な音楽が
本作に使われていることに
気がつくでしょう。

でも、それが
わざとらしくないんです。

前に出過ぎない音楽なんですね。

よく聴くと、
「あっ、これはマリオの音楽!」
と気づかされる感じです。

ああいう形でアレンジされた
ゲーム音楽は聴いたことが
ありません。

実に素晴らしいアレンジでした。

また、ゲームの音楽だけでなく、
『マリオ』が生まれた頃の
’80年代のヒット曲も
使われており、

この違和感のなさにも
舌を巻きましたね。

マリオがピーチ姫の指導で、
特訓をするシーンがあるんですが、
(ここのカメラワークも秀逸!)

ここで流れるのが、
ボニー・タイラーの
『Holding Out for a Hero』です。

この曲は映画『フットルース』の
サントラに収録された曲ですが、

日本では、カバー曲が
ドラマ『スクール☆ウォーズ』の
主題歌として有名ですね。

これは日本人に合わせた
選曲のようにも感じられました。

この特訓シーンには、
もうこの曲しかない、
という選曲でしたね。

今回のマリオの映画は、
ゲームファンにはもちろんのこと、
映画ファンにもオススメしたい
名作に仕上がっていました。

特に、アクションシーンの
臨場感は劇場のスクリーンでしか、
味わえないものになっています。

ぜひ、劇場でご覧ください。


【作品情報】
2023年4月28日公開
監督:アーロン・ホーバス
   マイケル・イェレニック
脚本:マシュー・フォーゲル
原作:『スーパーマリオ』(任天堂)
声の出演:宮野真守
     畠中祐
     志田有彩
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ
   東宝東和
上映時間:92分

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※画像は公式サイトからお借りしました。

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