嗅覚の未来
昨日の栗英田テツヲさんの
記事には痺れました。
「なぜ、味覚を表現する言葉は少ないのだろう」
という疑問にはじまり。
最終的には、味覚を伝えるには、
実際に味を再現するテクノロジーが
必要なのではないかと提言されています。
プリンターのような
味の素となる成分を配合するマシンがあって、
それにデータ送信をすることによって、
グルメ番組などの映像とともに、
みんなで同じ味が楽しめるというアイディアです。
この記事があまりにも、
おもしろかったものだから、
私は3回も連続で、
コメントをしてしまいました^^;
で、実際にそんな研究をしている方たちがいます。
それはさておき、
日常の何気ない疑問から、
ここまで発想を膨らませて、
あんなにおもしろい記事に仕上げてしまう、
栗英田テツヲさんの素晴らしさに、
改めて敬意を表します。
そんなテツヲさんから、
「いっき82さんも味覚問題について、
書いてみては」
とバトンをいただきました。
味覚に関しては、
もうテツヲさんの記事で、
語り尽くされているので、
私の方からは、
「嗅覚」の問題を提起してみましょう。
(テツヲさんのような、
サービス精神あふれる記事は書けませんが^^;)
味覚と同様に、
嗅覚、すなわち、匂いのことを
表現する言葉も少ないように思います。
視覚や聴覚に比べて、
味覚や嗅覚の言葉が少ないのは、
そもそも、文字や言葉が、
それぞれ視覚と聴覚を使う、
伝達方法だからだと思われます。
文字は目で見ますし、
言葉は耳で聴きます。
だから、見たものを文字で表現したり、
聴いた音を言葉で表現する語彙が、
発達しているんですね。
(個人的な見解です)
そもそも、味覚や嗅覚は、
人間が生きていくうえで、
あまり重要ではなくなっていったのでしょう。
だから、それらを伝える語彙も
発達しなかったのだと思われます。
文字や言葉は、
文化に根ざして発展していくのです。
例えば、漢字は中国で生まれましたが、
その歴史の中で、
初期に生まれた漢字の多くは、
宗教と戦争にまつわるものでした。
このことが何を表すかと言えば、
それだけ宗教や戦争にかかわる内容を
文字に表す必要があったということです。
いい例が思い出せないのですが、
特定の国の言葉でも、
一つの「もの」について、
たくさんの語彙(表現)があることがあります。
この場合も、
その国の文化では、
それだけ、その「もの」が
密接に絡んでいた表れです。
視覚と聴覚の話に戻りますが、
現代ではそれらを再現する
デバイスも発達しています。
視覚はモニターやプリンターで、
音声はスピーカーやヘッドホンで、
それぞれ再現できますよね。
これは人間がおもに、
視覚と聴覚を頼りに
発展してきたことの表れです。
もしも、人間が味覚や嗅覚を
中心にして発展してきたとしたら、
伝達方法は大きく異なっていたはずです。
味覚や嗅覚は、
視覚や聴覚と違って、
直接、器官に物質が付着しなければ、
感じることができないというのも大きいですね。
視覚は物体から反射する光が、
網膜に届き、それが脳に伝わって、
ものが見えています。
聴覚は空気の振動が、
鼓膜に伝わることによって、
音が聴こえています。
つまり、視覚は光、
音は空気、
どちらも器官が直接物体に
触れているわけではありません。
だからこそ、
デバイスが作りやすいんですね。
視覚は光で再現できるし、
聴覚は空気の振動で再現できます。
味覚や嗅覚はデジタルで表現しても、
なんらかの物質で出力しなければ、
再現ができないのです。
技術が進んで、
それらを再現ができるとしたら、
やはり、プリンターのような
出力機が必要になります。
それで、デジタルにおける
匂いの使い道なんですが、
例えば、いい香りのデータを配信して、
部屋の中で楽しむというような、
使い道が考えられるでしょうね。
でも、実は嗅覚って、
長持ちしないんです。
外から部屋に入った時に、
匂いを強く感じたりすることがありますが、
すぐに慣れて、匂いを感じなくなりますよね。
あれは鼻が疲れやすいからなんです。
嗅覚は長持ちしません。
なので、お部屋に毎日、
新しい香りを配信するサービスは、
ビジネスとしては、
あまり需要が見込めません。
(むしろ、気に入ったフレグランスが
ひとつあれば事足りる)
匂いには揮発性のある液体が
必要なので、
機械のメンテナンスも大変そうです。
そこで、私が提案したいのは、
メールや電話に匂いを添付する
という使い方です。
これだったら、
一時的な使い方なので、
長持ちしない
という嗅覚の欠点も補えます。
絵文字やスタンプのような感覚で、
匂いを相手に送るのです。
(もちろん、パソコンやスマホに、
そのための出力機が必要になります)
「好きです」というメッセージに、
ハートの絵文字を添えるだけでなく、
バラの香りを添付したり。
逆に嫌いな相手に、
くっさ〜い匂いを添付したり、
様々な用途に使えます。
(この使い方は嫌ですね^^;)
あと、映画館の4DXみたいに、
映像に合わせた匂いを入れる、
なんて使い道も考えられますね。
こんなことを考えると、
技術の進歩にはまだまだ夢があります。
(ちなみに、嗅覚の技術については、
調べずに書いているので、
すでに似たような技術開発が
進められているかもしれません)
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