見出し画像

藤子・F・不二雄『モジャ公』不朽の名作

藤子・F・不二雄といえば、
『ドラえもん』の作者として、
よく知られていますね。

デビュー当時は、
「藤子不二雄」というコンビ作家でした。

のちにコンビを解消し、
それぞれ、藤子不二雄Ⓐ、
藤子・F・不二雄として
それぞれの道を歩むことになります。

‘69年に連載がはじまった
『ドラえもん』ですが、
最初からヒット作だったわけではなく、
人気が出るまでには時間がかかりました。

連載開始から4年後にはじまった
アニメ版も半年で放送を終了しています。

藤子・F・不二雄は、
『ドラえもん』がヒットするまで、
長い間スランプに陥っていたのです。

しかし、決して作品の質が
悪いわけではなく、
この時期に描かれた作品には
おもしろいものが多いんですよね。

ただ、人気がなくて、
連載期間が短命だっただけです。

作品の先進性を見れば、
時代が追いついていなかった、
とも言えるでしょう。

特に私がオススメしたいのは、
『ドラえもん』がはじまる
少し前に連載されていた
『モジャ公』という作品です。

『モジャ公』は、
モジャラ(モジャ公)、
空夫、ドンモという
三人の主人公が
宇宙を駆け巡る物語です。

モジャラは宇宙人、
空夫は地球人、
ドンモはメカなんですが、
三人とも落ちこぼれでした。

それぞれ、自分たちの住む星が
嫌になって宇宙に飛び出したんですね。

宇宙にはいろんな星があって、
三人は行く先々で、
トラブルに巻き込まれます。

藤子・F・不二雄の作品は、
『ドラえもん』に代表されるように、
1話完結のものが多いですが、
『モジャ公』はストーリーが
つながっているのが特徴的です。

また、『ドラえもん』のイメージで、
この作品に接すると、
思わぬ衝撃を受けるでしょう。

というのも、本作の連載と同時期に
藤子・F・不二雄は、
青年誌にも作品を発表していました。

▲初の青年誌向け作品『ミノタウロスの皿』

その影響もあってか、
この頃の藤子・F・不二雄作品は、
ブラックユーモアの要素が
かなり強く出ているんですよね。

子ども向けの作品にしては、
残酷な描写もあります。

しかし、これがすごくいいんですよ。

優しいだけじゃなくて、
実世界のリアルな真実を
ユーモアたっぷりに皮肉っています。

特にオススメなのは、
最終話『地球最期の日』ですね。

タイトルのとおり、
地球の最期の日が描かれているんですが、
ここにノア教という新興宗教が
登場します。

のちに、とんでもない新興宗教が
大事件を起こす、
ずっとずっと前に描かれた作品ですが、
まるで未来を
予見しているかのようなんですね。

ただ「おもしろい」だけでなく、
胸にグッとくるものが、
『モジャ公』には詰まっています。

この記事が参加している募集

サポートしていただけるなら、いただいた資金は記事を書くために使わせていただきます。