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「心とは。」


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進化とは、「頑張れば頑張ったぶんだけレベルアップできるもの」ではない。


本当の進化の意味を知りたかったら読んでみて!


では、本題。

池上高志、石黒浩による共著「人間と機械のあいだ 心はどこにあるのか」を読んだ。


人と関わるロボットの工学的研究と、そのロボットに生命を宿そうとする研究。


人間らしいロボットを作るなら、似たような方法で研究しているのだろうと思いがちだけど、実は両者のアプローチは全く違う。


そんなぞれぞれの立場の研究者が、「人間の基本的な問題」を議論しているのがこの本。


読み慣れていないジャンルの本ではあったけど、哲学的でかなり面白かった。


ロボットが増えれば生活は便利で豊かになる。
しかしそれ以上に人間は人間について深く考えるようになる。
僕はそれがロボット社会の本質であると考えている。


と石黒さんは語っていたけど、まさにそうだよね。


この本ではないけど、一つの未来の予測として「人類は暇になる」ってのがある。


それはロボットが人間がやっていた仕事をやってくれて、時間ができるからだ。


石黒さんが語ったロボット社会の本質は、まさに人類が暇になるからだよね。


暇になるから、人間が人間について深く考えるようになるんだ。



中でも面白かったのが、「心」について。

定義は誰にもわかっていないし、物質的に見たことも実感したこともないのに、面白いことに「心」はどの言語にも存在している言葉。


しかも、よくわからなくても人間は相手に心を感じられる。


さらに社会性を伴って存在することで、それらを「心を持ったもの」とみなす。

だから著者は、「心」とは社会的な相互作用に宿る主観的な現象なのかもしれないと考えているんだ。

つまり超噛み砕いて一言でいえば、「心」は見る側の人間が見出すものってこと。


だから当然、ロボットにも心を感じられる。

たとえば著者が劇作家と協力してアンドロイド演劇をやった際、


劇作家の演出が「0.3秒、間を取りなさい」とか、「30センチ前に立ちなさい」というように、人間に対してもロボットに対しても全く同じようにした。

その結果、ロボットからも人間の俳優からも全く同じように、人の「心」を感じさせる感動的なものになり、

観覧後のアンケートでは、観客のほぼ全てがロボットと俳優に同じように「人間らしい心」を感じたと答えた。

これは、人が日常生活で感じる「心」とは、仕草や発話で十分に存在を感じることができるものであり、単純なプログラムでも十分だということ。


さらにこれを逆説的に捉えると、「心」とは実体のないものであり、むしろ他人がその人に「心」を感じるかどうかだけが問題となる。


そして互いに「心」を感じ合うことで、自分にも同様の「心」があると信じることが、「自分の心」の正体かもしれないと著者は言う。



読む人によっては「だから何?」と思うかもしれないし、


結局「かもしれない」で終わっているからハッキリとはしていない『心』。


俺も本の内容をまとめてみたものの、消化不良ではある。


だけど人間について考えるには、心は避けては通れない道だから、心とは何かを理解するのは大切だ。



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