社長を上手にコキ使う方法
どうも。「上空1万メートルからマッハスピードで朝令暮改する社長」です。今日は社長のうまいコキ使い方について。
なんでこんなことを書こうかと思ったかというと、会社の成長は(捨てるところがないあんこうのように)社長の全身を余すところなく活用できるかにかかっていて、それがうまい会社は伸び、下手な会社はもったいないことになっているからです。
みんなもっと社長をうまく使った方がいい。
僕が仲良くさせてもらっているITや広告界隈で元気な会社は、ほぼ例外なく創業社長の活力が無駄なく会社に活かされて成長しています。
社長のキャラクターやバイタリティは人それぞれだけど、総じてエネルギー効率が良い。それはたぶん、スタッフ(社員)の社長の使い方がうまいのです。
社長は、スタッフにうまく使ってもらいたがっています。
なぜなら、自分の身体はひとつしかなく、時間は有限であることを、誰よりも痛烈に感じているからです。
できる社長は「身体がもうひとつあったら」「自分がもうひとりいたら」「1日が25時間だったら」「眠らなくて良い身体になれたら24時間働けるのに」なんてことは言いません。そんなことあるはずないからです(笑)
リアリストな社長は、もしもボックスがある世界に思いを馳せる暇などないのです。
社長が発電する電力を1kW(キロワット)も無駄にせず、すべて搾り取るためには、誰もがすぐに実践できる簡単なコツがあります。
まず、社長の身体は2つに分解できます。
首から上:思考
首から下:行動
(ま、社長じゃなくてもみんなそうなんですけど)
会社にとって貴重な資源である社長による発電には、思考(戦略や意思決定)と、行動(会議や営業や納品業務)の2種類があり、この2つに共通するのは、結局は時間効率(≒生産性)ってことなんです。
だからスタッフは、社長の時間効率が最大になるように使い倒すことを心がけてください。社長はタフなので、かなりの無理をさせても死ぬことはありません。安心して搾り取りましょう。
そしてここが重要なんですけど、社長を使うときは、「社長=公共のもの」ととらえることが必要です。社長はあなたのためだけに存在するわけではなく、みんなのもの(資源)です。
漫画喫茶で全20巻の漫画の7巻を読んでいて、自分のあとに5巻まで読み進めている別の人がいたら、早く読んで書棚に戻してあげようと思いますよね? それと同じです。前後の人のことを考えることを心がけましょう。
社長の上手なコキ使い方は下記5つ(「自分が」ではなく「会社として」コキ使うという意味でのポイントです)
1. カタマリ時間を与えてやる
最初のこれがもっとも重要です。塊時間。カタマリ時間。ああ、かたまり時間。社長が一番ほしいのが、このカタマリ時間です。
カタマリ時間とは、1時間や2時間ではなく、ぶち抜き3~5時間、ひとつのことに集中することができるまとまった時間を指します。
現場スタッフと社長の仕事の一番の違いは「抽象度」です。これは「思考」か「行動」か、とは別の話です。
たとえば、同じ思考(考える仕事)でも、比較的小さなサービスパッケージを考えることと、会社の中期経営計画を考えることでは「抽象度」がまったく異なります。
サービスパッケージは、市場のニーズ、自社の強み、競合の動き、値付け、年間販売目標の設定、営業計画とKPI設定など、考えること(思考のゴール)が具体的で、情報も豊富です。だから考える前から、比較的解像度の高いアウトプットをイメージすることができます。
一方、中期経営計画(3カ年計画)となると、いきなり難しくなります。ミッション・ビジョン・コアバリューの再確認し、事業セグメントごとの市場トレンドを分析して、ターゲット市場、競争優位性と競争戦略策定、ビジネスモデル、成長戦略と事業ポートフォリオ、3カ年の収支計画……考えることが抽象的で、情報も「これ!」ってものがあるわけじゃないから、必要なものを集めたあとの解釈が重要になる。考えながら作成し、作成しながら考えるため、最初の段階で解像度の高いアウトプットは描けてないことが多い。
これが抽象度の違いです。
抽象度の高い仕事に取り組むためには、脳の準備運動が必要となります。ノッてくるまで時間がかかるんです。だから、1時間や2時間のカタマリだと、「おおっ!ノッてきたぞ!(抽象的な思考回路が回り始めたぞ)」って頃に時間切れになっちゃう。
だから、最低でも3時間、できれば5~6時間くらいのまとまったカタマリ時間が必要なんです。だから、社長が嫌うのは下記のようなスケジュールを入れられた一日です。
10:00 出社
11:00~12:00 社内会議
15:00~16:00 客先会議(14:30出発、16:30帰社予定)
18:00~19:00 社内会議
ぶつ切りで、それぞれの前後に1時間~1時間半程度の時間がある状態。こうなると、この日はもう完全に抽象業務は諦めなければなりません。1時間のスキマ時間にやっつけられる「作業系業務」をちゃちゃっとやるしかありません。
とはいえ社長を中心に地球が回っているわけではないので、関係者が多い場合、仕方ないときもありましょうが、比較的参加者が少なく、自由度が高い場合、下記のように予定を入れてあげると社長は小躍りして喜びます。
10:00 出社
13:30~14:30 社内会議
15:00~16:00 客先会議(14:30出発、16:30帰社予定)
17:00~18:00 社内会議
19:00 退社
ひとつめの社内会議までに、3時間半のカタマリがあります(ウレピー!)
もしくはこう。
10:00~11:00 社内会議
11:00~12:00 社内会議
15:00~16:00 客先会議(14:30出発、16:30帰社予定)19:00 退社
19:00 退社
こうすると、客先会議の前後にそれぞれ2時間半ずつの時間が確保できます。抽象度がバカ高い仕事はできませんが、ある程度のものなら2時間半あればひとつ終わらせることができます。
ポイントのひとつめ。予定は寄せる!
2. 考える時間を確保してやる
ひとつめと若干かぶるんですが、ちょっと違います。
こんな感じ。
時期やタイミングにもよりますが、「社長の仕事=考えること」(正確には考えて、決めること)と言い切っても差し支えないくらい、社長は考えることが仕事です。
ほとんどの会社では、スタッフのスケジュール管理は何かしらのグループウェアが使われているでしょう。そこに入っているスケジュール(予定)は、大半が「実行する仕事」と「みんなで考える仕事」のはずです。
「ひとりで考える時間」は、自分で管理していればいいので、あまり入れることがありません。でも、そうすると「社長…暇なの?」とか「空いてたから(暇そうだったので)XXをぶち込ませてイタダキやしたァ」と、埋められていきます(しかも逆の配慮をしてくれ、前後に1時間くらい空けて入れる)
僕も「社長の時間は(自分のためではなく)みんなのもの」と考え、できる限り「ひとり予定」は入れず、スケジュールを開放していましたが、最近はさすがに「XX日までにこの思考(プラン)が仕上がってないとやばい!」というときは、ひとりシンキングタイムをズバッと入れさせてもらうようにしています。
ポイントのふたつめ。
社長は考えることが仕事。だからスケジュールが空いていても、事前に「XX日のXX時にXXを入れても大丈夫ですか?」と一言聞いてあげましょう。
3. 移動距離を最短にしてあげる
社長にとって一番無駄なのが移動時間です。タクシー移動なら中で作業をしたり、複数人でショートMtgをしたりできますが、それでも移動時間は無駄。
だから、外出先や会議室はできる限り近距離で寄せてあげると喜びます。連続の会議なら同じ会議室や近い会議室を押さえてあげる。外出なら外出先が近いアポで固めてあげる(会社(銀座)→渋谷→新橋→新宿とかほんとアレ)
ポイントのみっつめ。スケジュールは最短距離で埋めてあげる。
4. 調整中の予定ブロックはツーツールールで
担当スタッフが顧客から「社長が空いている日時をいくつかください」と言われ、3つも4つも、しかも「13:00~17:00の間で1時間」などぶち抜きでガバっと予定をブロックされてしまうと、先々の予定をつくりづらく、かついつまでも決めてくれない客先とかだと直前になって空いて「ヲイッ!」ってなることがあります(うちのことじゃないよ)
一般的な会社の年間休日は120日。だから年間の稼働日数は245日。ランチタイム入れて1日9時間とすると年間2,205時間。たったの2,205時間しかない。
この時間をいかに効率的に使い、大きな成果に結びつけるためには、時間のコントロール権がとても大事になります。
だから、社長の予定をおさえるときは2つまで(ツー)。かつ時間はガバっととらず、できる限り1時間単位で提示。そして、先方に必ず「社長の予定をブロックしているので、恐縮ですが、2日以内にご返信ください(ツー)。上記日時で都合がつかない場合は、別日時をご提示致します」とメールに明示しておく。
これがツーツールール。
ポイントのよっつめ。社長の仮予定は2つまで提示し、2日以内に確定させましょう。
5. 鍵付きのスケジュールを怪しまない
一般スタッフはあまり使わないスケジューラーの非公開設定。社長は結構使います。
中が見えず、時間だけブロックされているので、現場からすると「なにこれ怪しい!」ってなる人も多いと思います(俺の信頼性が低いだけ?w)
社長はいろんな人に会い、様々な利害が絡む協議をしています。上場企業の社長の場合、たとえ社内のスタッフであっても、何を計画しているのか推察されるとインサイダー情報になってしまうリスクもあるため、鍵付きにせざるをえないんです(そうじゃない予定を鍵付きにしている社長もいると思うけどw)
ということでポイントの最後。鍵付きスケジュールはより良い会社にするための仕込みをしてくれているんだと理解してあげる。
(おまけ)昼飯を食べる時間を与えてやる
最後におまけ。1on1や評価面談などの季節になると、30分や1時間刻みで朝から晩まで終日会議という日が多くなります。
スタッフからすると「チッ、予定いっぱいいっぱいでぜんぜん取れないじゃねぇかクソが」となる。そのとき「おっ、この日13:00~14:00だけ空いてるじゃん。イタダキヤス!」が頻発します。
「そこ、小休止しながらご飯食べようと思ってたんだよね…(´;ω;`)ウッ…」
社長も生き物です。
予定がパツパツで取りづらいときに、最後の空き枠をゲットする際は、「ランチ食べれなくなっちゃいますが入れちゃってもいいですか…?」「ランチ食べながらでもいいので入れちゃっていいですか?」「何か買っておきますか?」などの一言があるだけで、社長は「ああ、このスタッフは自分を生き物として扱ってくれている」と感動し、感謝の証として何でもやってくれるので、予定は入れちゃって構わないから一言添えるようにしときましょう。
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以上です。
社長のコキ使い方って言っといて、「もっと社長に配慮してやれ」って社長ドリブンの内容じゃんか!(おこおこ)という方もいらっしゃるかもしれません。
でも、社長はあなた個人がコキ使うものではなく、会社全体、全員でコキ使う公共物です。
スタッフ全員が上記ポイントを実行すれば、確実に社長はいまよりも多くの時間働け、生産性も上がります。結果、会社は成長し、あなたの給与も上がるんです。
でもたまには「こいつも血が流れる生身の人間なんだよな」と、優しくしてあげてください。ほとんどの社長は、寂しがり屋さんなので、瞳にうっすら涙をうかべて喜ぶと思います。
良いコキ使いライフを!
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